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「もう空気を読むのはやめませんか?」親子で学べる新しい時代の「トモダチ関係」本。

  • 2021.8.11

悩みの9割は人間関係といわれる時代。特に学校ではいじめ問題以外にも同調圧力やハラスメントなどコミュニケーションでの困りごとのシチュエーションは多岐にわたる。忖度や空気の読み合いといった日本人特有の処世術は、子どもたちにも息苦しさを感じさせる。

2021年8月6日、『きみと世界をつなぐ まっすぐ人間関係術』(講談社)が発売された。

本書の著者は、2020年度児童書売上第1位・69万部超『こども六法』(弘文堂)の山崎聡一郎さんだ。「もうそろそろ空気を読むのはやめませんか?」と、新しい時代の「トモダチ関係」本を発刊することになったという。さらに、「いじめ教育」「企業教育」「オンライン教育」の第一人者・藤川大祐さん(千葉大学教育学部教授)が監修として加わっている。「自分の個性・まわりの個性」の活かす人間関係を徹底的に検討したのが特長だ。

SDGsのテーマでもある『誰も取り残さない』ためのヒントがいっぱいつまっている本書。忖度する、主張しない、そんな日本人特有の処世術が通用しないグローバルな時代に、これからの人間関係の取り組み方を親子で考えるのにピッタリだ。

例えば、「今、大人気のバンドがいて、みんな知ってる前提で話すけど、私は全然興味がない。友だちと話を合わせるために、やっぱり聴いたほうがいいのかな?」という、日常の学校生活でもあるあるな悩み。マンガや対話形式でわかりやすく色々な行動の方法をアドバイスしてくれる。

「同調圧力」によって世界が狭くなって「正しいもの」「よいもの」が偏ってしまうケース。よく考えると、周囲だけではなく自分も知らず知らずのうちにそのような考え方をしてしまう場合も。お互いのちょっとした心がけがあれば、同調圧力を薄くできる可能性はある。

自身が経験したいじめだけでなく、同調圧力、ハラスメント、LGBT、貧困、障害......など、ふと少数派に押し込められそうなとき、あるいはふと自分との違いを攻撃してしまいそうになったとき、手助けになる世界の「新常識」を紹介。無意識にふと出てしまう「男の子なんだから/女の子なんだから」「いじめられるほうにも原因があるのでは?」などの旧常識をリセットする機会にもなりそうだ。

本書では、正解は示さず、「法律と統計などのファクトから、読者自身に判断してほしい」という想いが込められている。自分の悩みを整理できる「マインドマップ」をダウンロードできるデジタルサービスもついている。

子どもも大人も人間関係で悩んでいる人にオススメの1冊。空気を読む人間関係から脱して、グローバルな時代にお互いの個性を活かせるような思考法を身につけたい。

■山崎聡一郎さんプロフィール
教育研究者。「法教育を通じたいじめ問題解決」をテーマに研究や講演を行う。2019年、著作『こども六法』(弘文堂)が大きな話題を呼ぶ。同著作は『まんがこども六法 開廷!こども裁判』にて漫画化。慶應義塾大学SFC研究所所員。声楽家、ミュージカル俳優、写真家としても活躍中。

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