1. トップ
  2. 「毒親育ちのトラウマ」脱出マニュアル。虐待サバイバーで当事者支援20年以上の著者渾身の書き下ろし!

「毒親育ちのトラウマ」脱出マニュアル。虐待サバイバーで当事者支援20年以上の著者渾身の書き下ろし!

  • 2021.8.6

昨今、「毒親」「機能不全家族」などの言葉をよく目にする。子どもの心身を傷つけ、健全な成長を阻害する親や家庭環境を指している。

こうした「毒親」や「機能不全家族」によって負わされた後遺症に苦しんでいる人は、周囲にその悩みを打ち明けることができない。打ち明けたとしても「いい歳をしてまだそんなことにこだわっているの?」と理解を得られないこともある。

「毒親育ちのトラウマ」から自己肯定感を持てないまま大人になり、生きづらさを抱えている人のために、そのトラウマから解放される行動指針を示す『親の支配 脱出マニュニュアル 心を傷つける家族から自由になるための本』(講談社)が出版された。

生きづらさを抱えている人の中には、子ども時代に「しつけ」と称して親の高圧的な支配下に置かれて育った人、親の暴言や暴力、ネグレクトなど虐待を受けていた人が多いという。

著者は、自身も虐待サバイバーでありながら、20年以上にわたり現場で当事者支援に携わり続けている藤木美奈子さん。本書で、藤木さんはこのように言っている。

親から傷つけられ、それでも何とか生き延びて大人になった方々が、日々、私のもとを相談に訪れます。
きちんと働き、家族を持ち、安定した生活を送っている方も大勢いますが、その一方で、人間関係を恐れ、社会生活に挫折し、非行に走ったり犯罪に手を染めてしまった人もいます。しかし、全員に共通していることが少なくともひとつあります。
それは、「深い罪悪感」を胸に秘めて生きている、ということです。

その人たちを深い罪悪感から解き放ち、自己肯定感を得て、自分自身を取り戻すために、どのような方法があるのか、どう行動したらいいのか、具体的に説いている。

本書のトピックの一部を紹介する。

親との距離のとり方
相談・支援機関の選び方と使い方
心理療法のあらまし
医療、とくに精神科とのつきあい方
心の治療に使われる薬のリスク
パートナーや酒などに依存しないための心得
自分と向き合い、生き方を変えるセルフケア

あなた自身はもちろんのこと、あなたのパートナーや近しい友人に、「毒親育ちのトラウマ」に苦しんでいる人がいたら、ぜひ、この本を読んでほしい。すぐに取り組める内容を豊富な実例とともに教えてくれる一冊だ。虐待サバイバーや、そんな人に関わるソーシャルワーカー、医療従事者の方などは必見だ。

■藤木美奈子さんプロフィール

大阪市生まれ。一般社団法人WANA関西代表理事、SEP研究所所長。元龍谷大学准教授。貧困家庭に生まれ児童虐待やパートナーからのDVを経験する。女子刑務所刑務官、会社経営などを経て、2008年に大阪市立大学大学院で博士号(創造都市)を取得。家族暴力の当事者支援を20年以上にわたり続けながら、WANA関西(1995年創立)、児童相談所、福祉施設などで自尊感情回復のための心理プログラム「SEP」の実践研究を行っている。著書に『親に壊された心の治し方 「育ちの傷」を癒す方法がわかる本』(講談社)ほか多数。

元記事で読む
の記事をもっとみる