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子宮筋腫の原因にも!?「UV対策のやり過ぎ」が及ぼすカラダへの恐ろしい影響とは

  • 2015.7.7
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陽射しが強い日でも曇りや雨の日でも、紫外線対策を怠らず躍起になっている女子も多いのではないでしょうか。紫外線は日焼けやシミの原因になるだけでなく、シワ、たるみなど肌老化を促進するばかりか、皮膚がんのリスクも上げうる“悪者”のイメージが定着しているかと思います。

テレビや雑誌でも正しい日焼け止めの塗り方や、量、塗り直しの頻度等の話題が増えるこの時期。しかし、この紫外線対策もやり過ぎるとカラダに様々なリスクを引き起こす恐れがあるのです!

そこで今回は、“紫外線対策のやりすぎ”が引き起こすカラダへの悪影響についてご紹介します。

 

■日焼けで怖いのはどっち!? 「UV-A」と「UV-B」の違い

紫外線の種類は大きく2種類あります。それが、紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)。波長が違うことで、日焼けの仕方が変わってきます。

●肌に「ジワジワと」負担をかける紫外線A波(UV-A)

紫外線A波(UV-A)は、紫外線B波(UV-B)ほど肌に急激な変化を与えません。ただし、じわじわと浸透力が高いので肌に与える影響は深刻。肌の奥の真皮層にまで達するとハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す『繊維芽細胞』に損傷を与えます。

●肌に「急な」負担をかける紫外線B波(UV-B)

おもに肌の表面で吸収され、肌の奥の真皮層まで達することはほどんどありません。ですが、皮膚の表面を損傷させるため肌が真っ赤に焼けたり、シミやそばかすの原因を作ります。

紫外線A波(UV-A)は、常時B波(UV-B)の20倍以上も地上に降り注いでいます。雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質を持っているので、曇りの日も日当たりの良い家の中でも対策が必要となります。

 

■UV-Bは「万能ビタミン」の材料に!

UV対策商品を選ぶときの指標として“SPF値”って見ますよね。SPF値が高いほど紫外線の中で10%を占める“UV-Bをブロック”する能力が高いとされています。

UV対策商品でもSPF値が高いほど、このUV-Bを防ぐ力が強いわけですが、このUV-Bは肌を焼くデメリットばかりだけではなく、実は人間の健康を保つための“万能ビタミン”と呼ばれているビタミンDを体内で合成するうえで必要な材料でもあるので、カットし過ぎはかえってカラダに悪いんです。

 

■「ビタミンD」が低下すると恐ろしい病気にも…!?

「ビタミンDは美容にイイ!」なんて話題に上る事は少なく、地味な存在感のビタミンではありますが、主な働きは腸からのカルシウムの吸収を促進し、歯や骨の合成に関わるなど重要な役割をしています。

それだけでなく、近年は血液中のビタミンDの濃度が低い人は心臓病や脳卒中のリスクが高いという研究結果も発表されています。そして、女性なら気になる子宮筋腫にも影響があるようです。

米国立環境衛生科学研究所・Donna Baird博士の研究結果によると、アメリカワシントンに住む35歳から49歳の女性1,036人を対象に3年間の追跡調査をした結果、血液中のビタミンD濃度が十分な女性と、不足している女性とを比較したところ、ビタミンD濃度が十分な女性は子宮筋腫のリスクが32%低かったとのこと。

今、日本人の血液中のビタミンD濃度が低下しているのも問題視され始めています。ただでさえ女性は、年中ダイエットの話題が持ちきりで、我流でリスクの高いダイエットをしている人が多くビタミンD不足による骨粗しょう症の危険性が高まる中、過度なUV対策でさらにビタミンDの合成が少なくなっているのが現状です。

 

■ビタミンDを「口から摂取する」って意外と大変!

一昔前までは干しシイタケや切り干し大根など“天日干しされた食品”にはビタミンDが多く含まれると言われていましたが、今はこういった食品までもが室内の乾燥機で乾燥されているためビタミンDの摂取源として期待も出来ません。

また“魚食クライシス”という言葉が出来るほど、日本人の魚離れが進んでいます。

それなら「手軽なサプリメントを摂ればいいじゃん!」と忙しい人はそう思うかもしれませんが、ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、水に溶けにくくサプリメントによる過剰摂取をすると尿で排出されにくくカラダに害を及ぼす恐れがあります。

 

紫外線は日焼けの原因となりますがビタミンDを作るためにも、1日に15分程度は日光に当たる(季節、地域によって異なります)、ビタミンDが多く含まれる魚を週に3~4回は食べるなど、ちょっとしたことではありますが、美白と健康を両立させてみてはいかがでしょうか。

【参考】

※ Vitamin D May Reduce Risk of Uterine Fibroids, According to NIH Study – National Institutes of Health

【著者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

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