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1カ月お酒をやめると、どんなメリットがある?

  • 2021.8.1
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ZOOMパーティーでリフレッシュするはずが結局イライラして終わる。そんな人は1カ月、禁酒してみるといいかもしれない。2018年のドライジャヌアリー(毎年1月に行われる禁酒運動)には、310万人以上が参加した。お酒との付き合い方はパンデミックの中で二極化している。ウィメンズヘルスの読者アンケートでは、回答者の33%がロックダウン中のストレス発散にアルコールを使っていた。その一方で、ロックダウンの初期にはアルコールの摂取量が増えたものの、いまは控えられていると答えた人も多かった。他の調査でも似たような結果が出ている。英キングス・カレッジ・ロンドンと市場調査会社『Ipsos MORI』が2020年5月に行った調査では、回答者の29%が普段以上に飲んでいた。そう答えた人の割合は同年4月から19%上昇している。今回はイギリス版ウィメンズヘルスより、1カ月間禁酒をしたら体にどのような変化が起きるかについてご紹介。

慈善団体『Alcohol Change』が同月に行った調査では、ロックダウンをきっかけにイギリス人の5人に1人が飲酒量を増やしたのに対し、3人に1人が飲酒量を“減らしている”ことが分かった。あなたも連日の報道によるストレスをアルコールで発散しようとしているのなら、禁酒によって頭をスッキリさせてみない?でも、1カ月お酒を断つことによるメリットは? その1カ月をどう過ごせば、ちゃんと結果が出るの?禁酒が体に与える週ごとの影響を総合診療医のリチャード・スペンスとパーソナルトレーナーのマット・ケンドリックが教えてくれた。

禁酒月間:1週目のメリット

1.睡眠の質が変わるかも

お酒で寝つきが良くなることもあるけれど、実際は睡眠時間が短くなり、睡眠の質が低下して、活力が減退するケースがほとんど。これは寝酒をすると、深夜に体が“マイクロ覚醒”してしまうから。それに本人が気付くことはないけれど、マイクロ覚醒は熟睡を妨げる。問題は、体が質の低い睡眠に慣れていること。だから、まずはシラフで寝ることに慣れる必要がある。ほぼ毎日飲んでいたという人は、1週目で睡眠パターンが少し変わったり、眠れなくなったりして疲れるかもしれないけれど、禁酒によって睡眠の質は必ず向上する。

2.運動が楽になる

アルコールには利尿作用があるので、摂取すると腎臓で作られる尿の量が増加する。これが体を脱水状態にする。確かに飲んだ翌日は、肌に潤いや生気がないと思わない?体内にアルコールがない状態で、運動中に水をたくさん飲んでいると、水分が保持されやすくなる。その結果、血行が良くなって、栄養と酸素が筋肉に届きやすくなる。

Women's Health

禁酒月間:2週目~3週目のメリット

禁酒によるメリットを実感し始める頃。お酒を2週間も断てたことで自分の意志の強さを感じ、モチベーションが高くなる。この頃には、体重が少しずつ減り始める人もいる。

3.ぐっすり眠れるようになる

イギリスの慈善団体『Drink Aware』によると、寝酒によって寝つきが良くなることは確かにある。「それが理由で寝酒を飲む人もいますが、寝ついてからは深い眠りの時間が減って、急速眼球運動(レム睡眠)の時間が長くなります」アルコールによって悪化するいびきなどの睡眠障害も、禁酒によって改善するため、睡眠の質が高くなる。その結果、活力が増し、アクティブな生活が送れるように。

4.もっと体を動かしたくなる

週末は特に飲んでいた人も、そうでなかった人も、活力が増したことで土日をダラダラ過ごすことが減る。長時間のウォーキングやジムもおっくうではなくなるはず。

5.気分が良くなる

慈善団体『AlcoholChange』によると、「アルコールは英国人が最も好むコーピングメカニズムで、ストレス、不安、うつといったメンタルヘルスの問題に対処する目的で摂取する人が多い」そう。カクテルを2~3杯飲めば、一瞬でリラックスできるかもしれないけれど、翌朝は不安に襲われるのがオチ。「通常の頭痛や吐き気に気分の落ち込みや不安が伴い、二日酔いが非常に苦しくなることもあります。アルコールの過剰摂取は、数々のメンタルヘルス疾患の症状を悪化させ、気分の落ち込みや不安をもたらします」と『AlcoholChange』は続ける。つまり、お酒を断てば、ちょっとのことで動揺することが減り、気分が安定するということ。

6.肌が元気になる

お酒を飲むと、肌が疲れてむくんで見える。肌の乾燥も、よく見られる副作用。禁酒と運動を2~3週間続けていると、肌の赤みやざらつきが減ってきて、肌に透明感とツヤが出るので健康的な印象に。

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禁酒による長期的なメリット

禁酒開始から1カ月。この頃には心が落ち着き、体が引き締まり、肝臓の脂肪が減って、コレステロール値と血糖値が下がり、肌がキレイになっているはず。

7.肝臓が元気になる

肝臓には素晴らしい自己再生力があるけれど、その力にも限界はある。だから禁酒をすれば、肝臓が一息つけて喜ぶのは間違いない。スペンス医師は「その人がアルコールを断ったかどうか、ひと目でわかる」そう。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究では、禁酒をすると肝臓脂肪が平均15%、人によっては約20%も減ることが分かった。肝障害から身を守るための有効な策。

8.集中力が高くなる

睡眠パターンが正常に戻ったことで、グリコーゲンをためる体の能力が向上する。グリコーゲンは持久力と集中力の向上に必要な燃料源。

9.目標達成が楽になる

飲酒が遠い昔の記憶になると、トレーニングの質が向上し、自分が立てたフィットネスの目標を達成するのが楽になる。また、持久力がつき、糖質をエネルギーに変える体の能力が高くなるので、代謝が良くなり、筋肉の回復も早くなる。

10.肌ツヤが良くなる

アルコールを断って1カ月もすれば、体のビタミンA吸収能力が高くなり、細胞のターンオーバーが促進される。その結果、肌が驚くほど若々しく健康的に。目にも輝きが戻ってくる。

禁酒月間を成功させる3つのコツ

1.ヘルシーになりたいのなら、炭酸飲料を諦めて

ワインがメニューから消えたいま、夜に何を飲めばいいのか分からない? 一見ヘルシーなオプションにだまされないで。 「炭酸飲料やフルーツジュースは、お酒より“ヘルシー”なオプションに見えるかもしれませんが、糖質が驚くほど高いものばかりです」と栄養士のヴィッキー・ペニントンは注意を促す。代わりに何を?「糖質が高い飲み物を避けたいときは、スパークリングウォーター(炭酸水)にライムを絞ったり、ミントやイチゴを入れたりするのがいいでしょう。フルーツジュースを選ぶなら、1日150mlまでにしてください」

2.自分を取り残された気分にさせない

あなたと一緒に禁酒をする友達や家族がいないと、ちょっと取り残されたような気分になるかも。周りがお酒を飲んでいるとき、自分は代わりに何を飲めばいい?バーチャルの交流会には、お手製のおいしいノンアルコール飲料を持参しよう。氷を入れたトニックウォーターにグレープフルーツを付け合わせたり、コンブチャをキンキンに冷やしたり。お酒の味が恋しいときは、市販のノンアルコール飲料を。ジンからビールまで、おいしいオプションは山ほどあるから。

3.翌月に暴走しない

1カ月の禁酒達成を冷えたワインで祝いたい気持ちは分かる。でも、近所の居酒屋に向かうのは、ちょっと待って。「禁酒月間のような運動の問題は、ゼロか100か、みたいな気分になることです。自分から好きな物を1カ月奪ったせいで、翌月は飲みすぎてしまうこともあります。それで体調を崩したりすると、せっかくの禁酒月間が時間の無駄に思えてきます」とペニントン。代わりに何を?「お酒が好きなら、控えめに楽しみましょう。(翌月に暴走するくらいなら)禁酒をせずに分別をわきまえて、週に数回飲んだほうがいいですよ」

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周囲の人の反応が気になるときは?

ZOOM飲み会は、パンデミック中の大事な社会交流の場。でも、みんながお酒を楽しむ姿を見るのはイヤ。どうすればスマートに撤退できる?お酒を飲まずに1カ月過ごしてみたいと思ったら、このアドバイスを参考にして。健康面・経済面・感情面の向上を目的とした30日間の禁酒を勧めるアニー・グレイス著の『The Alcohol Experiment』は、禁酒という自分自身の決断を友達に説明する方法を紹介している。直接会えることを前提にしたアドバイスもあるけれど、どの戦術も引き出しに入れておくだけ価値はある。

1.説き伏せようとしない

「あなたが調べたアルコールの危険性を聞きたい人なんていません。みんな大体分かっているので、それを指摘されるとイヤな気分になるわけですね。私も昔は禁酒を勧めていましたが、周囲の人は『奥さんに付き合わなければならないなんて大変ですね』と夫に同情していましたよ。禁酒月間の感想を聞かれたら、端的に答えてください。あなたがみんなを批判していると勘違いされるより、おとなしくしていたほうがいいでしょう。その人たちが禁酒をしたいと思うかは、本人次第ですからね」

2.良い手本になる

「お酒がなくても同じだけ楽しめることを友達に見せましょう。彼女たちの目で、あなたが本当に飲みたいと思っていないことを確かめてもらってください。ここでもやはり友達は、自分が批判されているように感じるかもしれません。実際はそうでなくても、そう思われることはあります。だから彼女たちを遠ざけず、いままで通り仲良くしましょう。あなたが禁酒をしているのは自分のためで、その考えを人に押し付ける気はないことを伝えてください」

3.クリエイティブに

「30日の禁酒のことを人に言う必要はありません。友達の反応が気になるのなら、口にしなければいいのです。禁酒は個人の決断ですから、当面は内緒にしておきましょう。その間、飲んでいない理由を説明する方法はたくさんあります」

【おすすめの理由】

・昨日の夜飲みすぎたから、今日は休肝日。・飲む量を減らしたいから。・ノンアルコールチャレンジをしている。・今夜は飲む気分じゃない。・明日は大事な会議があるから、二日酔いになりたくない。

「30日の禁酒を60日、90日、無期限に続ける場合は、友達に言う必要が出てくるでしょう。理解されない確率は高いです。でも、それで友達が友達でなくなるわけではありません。時間はかかるかもしれませんが、最後は大半の友達があなたの決断を受け入れてくれるでしょう。みんなではなく、あなた個人の問題にしておくことが大切です。これは、あなたが自分のためにした決断であり、あなたの新しい信念を人に押し付けるつもりはないことをハッキリ伝えてくださいね」

【便利なフレーズ】

・飲んでいないときのほうがハッピーなことに気付いた。・健康のために生活習慣の改善中で、その一環として禁酒している。・お酒が自分の役に立たなくなった。・最近は飲まないほうが気分が良い。・お酒を飲むのが楽しくなくなった。

「また、あなたの態度によって、あなたに対する周囲の態度が変わります。自分が独りよがりになっていたり、友人の飲酒を非難したりしているときは要注意。お酒を飲まない人に対する過去の自分の接し方を思い出してくださいね。それと同じ扱いを受けるのが怖いなら、友人からの実際の反応を見てください。心配する必要なんて全然なかった、というオチになるかもしれません。あなたの禁酒の決断が全く問題視されない可能性もありますからね。禁酒を決断する際のポイントは、自分を注意深く観察すること。お酒がなくても同じだけ(もしくはいままで以上に)楽しく友達と付き合えるか?でも、私の言葉をうのみにせず、自分で試してみてください」とアドバイスをくれた。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Translation: Ai Igamoto

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