1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【天神・開催中】三菱地所アルティアムの32年、これで最後の展覧会

【天神・開催中】三菱地所アルティアムの32年、これで最後の展覧会

  • 2021.7.31

こんにちは!リビングふくおか・北九州Web特派員のLuna♪chanです。

「三菱地所アルティアム」皆さんはご存知ですか??

出典:リビングふくおか・北九州Web

斯く言う私は、学生時代ちょっぴり背伸びして訪れた天神イムズでたまたま、写真展を見たことがアルティアムを知ったきっかけ。

現代アートってどんなもの??とはてなマークだらけだった私が、吸い寄せられるようにたびたび訪れたアルティアム。様々なテーマや日常とは異なる世界が広がる空間に魅力を感じ、何度も訪れては深く心を揺さぶられたのです。

そんな三菱地所アルティアム、イムズ閉館に伴い、タイトルで触れている通り、現在開催中(7/14~)の展覧会を最後に、2021年8月31日閉館となります。

思い出深い三菱地所アルティアム。最後の展覧会へ、行ってきました!!

絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

最果タヒ「絶望」の一部[/caption]

印象的なタイトルは、詩人・作家の最果タヒさんが今回の展覧会のために書き下ろした詩の一文。

「閉館後もアルティアムを思い出してもらえるような特別なものにしたい、詠んだ方や見た方個々人が意味を見出してもらえるようなタイトルにしたい」という想いで、最果タヒさんに依頼されたそうです。

それぞれの作家の展覧会へ訪れたかのような贅沢空間

今回は、過去アルティアムで作品を展示した作家7名によるグループ展。 一つの大きな空間で作品をすべて見渡せるように展示されているのかな?と勝手に想像していた私。美術館やギャラリーってそんな印象ありませんか??

でも、ここは何度も心が揺さぶられてきたアルティアム。

今回も最後まで、一つ一つ丁寧に作品と向き合う時間と空間を作ってくれているのでした。

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

鹿児島睦「鳥」 鳥Ⅱ[/caption]

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

塩田千春「大陸を越えて」©Chiharu Shiota and JASPAR, Tokyo, 2021[/caption]

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

津田直「やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる」他[/caption]

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

潘逸舟「where are you now」[/caption]

作家ごとに区切られた空間へ一歩踏み込むと息をのむような存在感の作品たち。

そこにはもう、それぞれの世界観とその空気があるのです。

モノに意味を持たせて、見てもらう事が僕にできる事

そんな風に話して下さった画家の淺井裕介さん。 最後だからできる事、この場所でできる事を、来て、作る。これまでたくさんの作品を設置してきたアルティアムの「壁」や「床」、イムズの「外壁タイル」までもを作品にされたその空間で、直接お話を伺うことができました。

[caption align="alignnone" width="600"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

「Following the last breath」壁と床と外壁タイルの作品と淺井裕介さん[/caption]

『イムズ閉館という事で、最後イムズやアルティアムに来てもらえるような作品作りを意識して、皆さんの心に何か思い出に残してほしいなと思いながら壁のビス穴の埋め戻し跡の数だけ花を描きました。』と、淺井さん。

出典:リビングふくおか・北九州Web

数えきれないほどの花が印象的

何年も前に私が見た何かの展示。その何かがこの花に繋がっているのだと思うと、あんな作品があったな…こんな気持ちになったな…とたくさんの作品を思い出し、これまでのアルティアムと、終わりゆくアルティアムの空間・時間を感じさせられました。

じっと見ていると「終わり」の悲しさで思わず目元がうるうるきてしまうほど。 見応えがありました。

実は淺井さんの作品はアルティアム内だけでなく、展覧会期間中のイムズ館内外でも見ることができます! 展示されている場所は会場でぜひ確認してみてくださいね♪

「呼吸」に注目した映像作品から感じた、この先こと

高校生でアートと出会い、その後設営などでもアルティアムと関わって来られ、現在は美術家としてご活躍されている福岡出身・在住の山内光枝さん。

山内さんからもお話を伺うことができました!!

山内さん『潮の満ち引きのように海に向かい呼吸している海士・今回潮の満ち引きのように海に向かい呼吸している海士・海女さん達を、この場(アルティアム)では鏡面(二面スクリーン)映像として展示しました。漢字で呼吸と書くとき、吐く・吸うではなく、呼ぶ・吸うと書きますよね。呼ぶ(息を放つ)ことで何かがまた還ってきて吸収される・・・という過程の表現がこの場だからこそ再認識できました海女さん達を、この場(アルティアム)では鏡面(二面スクリーン)映像として展示しました。漢字で呼吸と書くとき、吐く・吸うではなく、呼ぶ・吸うと書きますよね。呼ぶ(息を放つ)ことで何かがまた還ってきて吸収される・・・という過程の表現がこの場だからこそ再認識できました』

今回展覧会で最後に足が止まったのがこちらの作品。

[caption align="alignnone" width="565"]

出典:リビングふくおか・北九州Web

山内光枝「潮汐 2012 - 2021」 映像作品が流れ、海と呼吸の音を感じる空間[/caption]

展覧会終盤、終わりゆくアルティアムを感じながら悲しい気分の私に、山内さんがポツリと

『呼んだから、放ったものはきっとまた還って来るんですよね』

と仰った言葉がとても胸に刺さりました。

アルティアムは8月31日で終わり(閉館)。でも作品たちはまた時代に合わせた新しいカタチになって還って来るよ!と励まされたように感じたのです。

絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。

改めて、この展覧会のタイトルを自分なりに詠んでみることにしました。 私はとても前向きな印象をこのタイトルから感じることができました。 もちろん、他にも思うことはたくさんあるけれど。

三菱地所アルティアムは今まさに呼吸を続けているところ。 最後の展覧会、皆さんの心にはどのように映り、感じるでしょうか??

それぞれ感じ方が違うのもアートの良いところ!!これまで何度もアルティアムへ行ったことがある方も、これが最初で最後の方も、絶対絶対見に行ってみて下さいね!!

これまでにない感動がそこにはあるかも、しれませんよ☆

三菱地所アルティアム 所在地 810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-7-11 イムズ8F 開館時間 10:00 – 20:00 休館日 不定(イムズ休館日に準ずる) お問い合わせ 092-733-2050 http://artium.jp/

元記事で読む
の記事をもっとみる