1. トップ
  2. G’s MUSIC REVIEW 安部勇磨が立ち上げた新レーベルから発表する初のソロ作品『Fantasia』etc.

G’s MUSIC REVIEW 安部勇磨が立ち上げた新レーベルから発表する初のソロ作品『Fantasia』etc.

  • 2021.7.31

7月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新譜をご紹介。

『ブルー・ウィークエンド』
ウルフ・アリス


イギリスの権威ある音楽賞マーキュリー・プライズを受賞した前作を経て、ただでさえ考えすぎて難しくなる3作目の高い壁を「今出したい音」にフォーカスし新境地に到達したフロントマン、エリー・ロウゼル率いる4人組。ロック・バンドに期待されるサウンドから離れて、これまでなら「これってポップすぎ?」「ドラムレスってあり?」とブレーキを踏んでいた方向にも軽やかに進む。繊細さとスケール感を兼ね備えシアトリカルな表現力も増した風通し良好な一作。

(Dirty Hit)

『ホーム・ビデオ』
ルーシー・ダッカス


ヴァージニア州リッチモンドで敬虔なクリスチャンとして育った青春時代を振り返り、自分がどんな人間で今は人生のどんな位置にいるのか?を探った3rdアルバム。宗教とクィアな恋愛、親友のひどい父親、若い頃の人間関係など向き合うのに体力がいる“あの頃”の蓋を開ける。ボーイジーニアスとして共に歩む同志フィービー・ブリジャーズとジュリアン・ベイカーも参加。手を取り合い自分を解放していくセラピーのようで泣けてくる。

(Beat Records / Matador Records)

『Fantasia』
安部勇磨


never young beachのヴォーカル&ギターとして海外アーティストとの共演や、アジア圏でのライヴなど活動の場を広げてきた安部勇磨が新レーベルを立ち上げ、そこから発表する初のソロ作品。親交のあるデヴェンドラ・バンハートや友人のミュージシャンたちと制作された本作は、ギターや機材に囲まれたプライベート・スタジオにお邪魔して、近況を聞きながら音楽が生まれていくのを体験するような親密な味わい。彼が敬愛する細野晴臣もミックスで参加。

(Thaian Records)

GINZA2021年7月号掲載

元記事で読む
の記事をもっとみる