とある会社にて…
社長:「君! ぜひこの仕事を引き受けてくれないかね?」
部下:「いえいえ社長! 私などにはとてもとても…。全くもって“役不足”でございます」
さてみなさん! 一見すると、部下の発言は礼儀正しいように見えますが、実はと〜っても失礼であることが理解できたでしょうか?
その原因は、部下が「役不足」の意味を勘違いして使ってしまっていることにあります。
さぁ、みなさんは「役不足」の正しい意味を答えられますか…?
「役不足」の正しい意味とは?
「何が失礼なの?」と不思議に思った方は、「役不足」の意味を勘違いして使っている可能性があります。
もしかして、「仕事をこなす能力がない」なんて意味で捉えていませんか…?
ざんねん! それはよくある勘違いなんです。
ここまで来たら、「役不足」の正しい意味が分かりましたよね?
正解は、下記の通りです!
割り当てられた役目が軽過ぎる(軽過ぎて、それに満足出来ない)と思う様子だ。
出典:山田忠雄、倉持保男ら編『新明解国語辞典 第八版 青版』(2020年11月、三省堂)、p1573
解説
そう! 「役不足」とは、与えられた役目に対し謙遜する意味ではなく、逆に不満などを表す意味で使われるんです。
もし「役目を果たす能力がない」ことを伝えたい場合は、「役不足」ではなく「力不足」を使う必要があります。
そのため、冒頭の部下の発言も、「役不足」ではなく「力不足」が適切となります。
…いや? もしかすると、部下の言葉は本心だったのかもしれませんね。だとしたら、彼にはかなりナルシストなところがありそうです…!
まとめ
いかがでしょう、みなさんは「役不足」の意味を正しく理解できていましたか?
こちらのように、私たちは言葉の意味を勘違いして使っていることがしばしばあります。プライベートなら笑い話で済みますが、もしビジネスシーンで同じ間違いをやってしまったら…!?
そのような事態を防ぐために、言葉の意味は正しく覚えるようにしましょう!