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52歳の勝間和代さんは「3つの長生きリスク」にどう挑むのか。

  • 2021.7.26
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人生100年時代。長生きしたいけど、身体もお金もどうなるか?

漠然とした不安を抱えたまま老後を迎えるのは危険! じつは、長生きには3つのリスク――「身体的リスク」「金銭的リスク」「社会的リスク」――が潜んでいるという。

経済評論家・勝間和代さんの著書『勝間式ロジカル不老長寿 健康もマネーも人生100年シフト!』(宝島社)は、「長生きリスク」と真正面から向き合い、これをどうマネジメントするかを考える1冊。

「どのように老化というリスクを管理しながら、社会的に孤立せずに周囲とのネットワークを保ち、金銭的なリスクもマネジメントしつつ、100歳まで幸福度を下げないでいられるか。いえ、むしろ、幸福度を100歳まで上げ続けることができるのか。これが、ここ数年の私の大テーマとなっています」

3つの幸せの条件

「100歳を超えても動けるカラダ」「安心の資産&将来マネー設計」「友人や家族と最期まで過ごす」......。健康、お金、人間関係。本書は、3つの「長生きリスク」を解決して100年幸福であり続ける稼ぎ方、働き方、考え方を解説している。

■目次
プロローグ 長生きリスクという事実に向き合う
第1章 長生きのリスク・リターンを見極める
第2章 長生きに伴う身体的なリスクをどう抑えるか
第3章 金銭的リスクは早めの対策がカギ
第4章 老化と社会的リスク
第5章 これからの年代別のリスクを想定していく
エピローグ 幸せな死を迎えるために

人間の心理には「双曲割引(そうきょくわりびき)」という特質があるそうだ。これは目の前のリスクには非常に敏感になるが、遠いリスクの存在は忘れてしまうというもの。

そのため、50代、40代以下の人がいますぐリアルに「長生きリスク」を感じることは難しい。結果、気づけば70代、80代になり、「リスクの渦中にある頃にはすでに時遅し」なのだとか......。

そこで押さえておきたいのが、勝間さんが掲げる3つの「人生100年時代の幸せの条件」。

■人生100年時代の幸せの条件

・身体的リスクを最小限に抑え、はっきりとした頭と健康な身体で過ごす自由を持つこと
・金銭的リスクを抑え、一生の間、フロー収入の範囲で暮らせる自由を持つこと
・社会的リスクを抑え、家族や友達、そして社会と円満な関係を保ち、孤独にならないこと

「身体的衰えのリスク」「金銭的収入減のリスク」「社会的つながり減のリスク」。この3つは相互に絡み合い、互いのリスクを加速させる性質を持っているという。

見逃されやすいが深刻なリスク

ここでは、長生きの3大リスクのうち、「いちばん見逃されやすいけれども深刻なリスク」の「社会的リスク」にふれておこう。

私たちが年老いていくにしたがってしなければならないのは、「老化のマイナス面を補って余りある魅力を身につけること」に他ならないという。

人生100年時代を迎えるにあたり、とにかく大事なのは「身体だけではなく、精神状態を老化させないこと」「若い世代との社会的なつながりをしっかりと保つこと」。

そこで豊かな社会的つながりを保つ最良の方法として、「一生働ける仕事を選ぶ」ことをすすめている。

「『自分は、もう40代だから』『もう50代だから』と言って躊躇する必要はまったくありません。(中略)私たちは100歳近くまで働くことを目標にしたときに、40歳や50歳はまだまだ折り返し地点にさしかかった程度にすぎないのです」

本書について「私の長生きに関する考え方を含む、エッセイのようなもの」と書いている。最後に、勝間さんが「本当に達成したい人生のゴール」とは......

「やはり、死ぬ間際まで、自分が自分らしく生きているということ、それが自分にとって価値があると感じられるように最後まで生きられるということだと思います。これからの50年、あるいはそれ以上に長い未来のリスクを、いかにマネジメントし、幸福を手に入れることができるか、ぜひ、本書を通じて私と一緒に考えていきましょう」

勝間さんを経済の専門家だと思って読むと、老化のメカニズムや老化を防ぐ食生活の話も出てきて、守備範囲の広さに驚く。時に辛口な勝間式・長生き論も、ご本人が実践しているという「長生きリスク」対策も、1つの「老いなき時代の人生戦略」として参考になる。

■勝間和代さんプロフィール

経済評論家、株式会社監査と分析取締役、中央大学ビジネススクール客員教授。1968年生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。主宰する「勝間塾」にて、なりたい自分になるための教育プログラムを展開するかたわら、麻雀のプロ資格取得、YouTuberなど、活躍の場をさらに拡大中。テレビや雑誌では、専門知識をフル稼働させた節約法、自身の体験と研究をもとにした家事、家電選びもアドバイス。『2週間で人生を取り戻す! 勝間式 汚部屋脱出プログラム』(文藝春秋)、『勝間式 超ロジカル家事」(アチーブメント出版)、『勝間式 食事ハック』(宝島社)など、著書多数。公式YouTubeチャンネル「勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube」を配信中。

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