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アメリカ代表選手がオリンピックで得る収入は、一体どのくらい?

  • 2021.7.26
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開催中の東京2020オリンピック。世界中を沸かせている出場選手たちを見ていると、「彼らはどれほどの富を得ているのだろう?」と考えてしまう人もいるかもしれない。彼らはメダルや名誉――そして結果的に大金も――を求めて競い合っているのだ。

ほとんどの選手たちは固定給をもらっておらず、その代わりさまざまな収入源から収入を得ている。つまり、彼らの富は副業に大きく依存しているということ。

そのため彼らの収入は十人十色ではあるが、ほとんどの選手が以下で紹介するさまざまな収入源のうち、少なくとも数種類を利用しているもよう。

アメリカ代表選手は、メダル獲得で大金を得ている

ご想像のとおり、選手たちはオリンピックで優勝するとかなりの額の賞金を手にすることができる。数年前、アメリカオリンピック委員会(USOPC)は、選手の賞金額を大幅に引き上げている。

今年、アメリカ代表選手は金メダル1個につき3万7500ドル(約410万円)、銀メダル1個につき2万2500ドル(約240万円)、銅メダル1個につき1万5000ドル(約160万円)を獲得すると言われている。

いっぽう、アメリカのパラリンピック選手には金メダルで7500ドル(約80万円)、銀メダルで5250ドル(約50万円)、銅メダルを3750ドル(約40万円)が授与されるとのこと。

米テレビ局CNBCによると、この賞金額は、2016年の夏季大会でアメリカの選手たちが獲得した金額から50%も増加しているそう。また選手にとっては、総所得が100万ドル以下であれば賞金も非課税になる。

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USOPC(アメリカオリンピック・パラリンピック委員会)から、実績に応じた給付金を得ることもできる

CNBCによると、アメリカの一部選手は、家賃や生活費をまかなうための給付金を受け取っているそう。また、各スポーツの規定によっては、医療費に充てられることもあるが、これらの給付額は、選手の成績や出場するスポーツによって大きく異なるという。

たとえば、スピードスケート男子選手のミッチェル・ウィットモアは、2017年の競技で4位になった後、トレーニング費と生活費として9カ月分の給付金を受け取ったと述べた。しかし3位になれば、より多くの金額が保証されただろうと語っている。

“メダルボーナス”を出す国もある

国によっては、選手が獲得したメダルの色に応じて、数十万ドルの追加収入を得ることがある。

お金にまつわる情報を発信しているサイト『Money Under 30』によると、シンガポールでは金メダリストに100万ドル(約1億1000万)、インドネシアでは75万ドル(約8200万円)の報酬が支払われるという。

シンガポールの銅メダリストは、アメリカの金メダリストの4倍以上の収入を得ることになり、それは大会後に得られる収入のほんの一部に過ぎない。

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エンドースメント契約(スポンサー契約)で収入を得る選手もいる

当然ながら、選手がオリンピックでメダルを獲得できるのは4年に一度だけれど、大会の合間には多くの選手が企業と提携し、エンドースメント契約を結んでいる。

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例えば、スポーツ情報を発信しているメディア『AS』によると、引退したジャマイカ人陸上選手のウサイン・ボルトは、エンドースメント契約だけで年間3000万ドル(約33億円)以上を稼いでいる。

また、“体操界の女王”と呼ばれるアメリカ女子選手のシモーネ・バイルズも、ウーバーイーツやナイキ、ビザカードなどとの契約により、莫大な額を稼いでいることは間違いない。ただし、契約内容は選手によって異なる。

さらに、彼らのSNSには常に広告ポストが

古き良きスポンサードコンテンツも、選手にとって大きな収入源となっている。選手のSNSにフォロワーが数百万人いれば、広告主の関心を引くのに十分。たとえばバイルズ選手はこの数週間で、オレオやユナイテッド航空のスポンサードコンテンツを投稿している。

注目が集まるオリンピック期間中は、スポンサーがいる選手たちのインスタグラムやツイッターに、たくさんの広告が投稿されることが予想される。

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アルペンスキー女子選手のステイシー・クックは『CNBC』に対し、「『TVに出ているからスポンサーになってください』というようなものではありません。『昨年のイベントで私があなた方にもたらした金額はこのくらいですが、これが来年の計画なので、スポンサーになってください』といった感じなんです」と明かしている。

しかし多くの選手は、生活のために他の仕事をしなければならない

多くのアスリートは、シモーネ・バイルズやアルペンスキー女子選手のリンゼイ・ボン、スケートボード男子のナイジャ・ヒューストン選手のように有名ではないため、収入を確保するのも至難の業となる。

『フォーブス』によると、東京オリンピックに出場しているアメリカの代表選手の約6割は、年収2万5000ドル(約270万円)未満なのだそう。

前出のウィットモア選手は、オリンピック選手にとって、経済的な問題は大きなプレッシャーになっていると語っている。彼は『CNBC』のインタビューで、「競技だけに集中したいと思っていても、失敗したり、ちょっとしたことでスランプに陥ったりすると、数カ月間は食べていくのが大変なんです」と説明。

Women's Health

競技を続けていくために必要な資金や支援を集めるべく、クラウドファンディングサイトを利用する選手もいる。

オリンピック選手の収入に関しては、残念ながら、まだまだ多くの選手が十分な金額を手にしていないというのが現状のよう。

Photos: Getty Images, Courtesy of Team USA, Usain St.Leo Bolt, Simone Biles via Instagram Translation: Masayo Fukaya From Women's Health

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