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東京のデキる一流ビジネスマンに「ウオーキング好き」が多い納得理由

  • 2021.7.18
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東京で「何者かになりたい」「今の自分は仮の姿でいつか本当の自分になれるはず」ともがいている人は少なくないでしょう。でも何から始めればよいか分からず立ちすくんでしまうケースも多々。そんなときに大切な考え方について、フリーライターの夏野久万さんが解説します。

東京で「何者かになりたい」と、もがく人へ

大都会・東京には、さまざまな人がいます。なかには「何者かになりたい」「今の自分は仮の姿でいつか本当の自分になれるはず」と、もがく人もいるでしょう。

そんな状態のときは、どうすればいいのでしょうか。そのヒントは「スモールステップ」と『東京さんぽ図鑑』(朝日新聞出版)にありました。

小さな行動を起こす人ほど仕事で評価される

「人に認められたい」という気持ちは、誰しもが持っているものではないでしょうか。

しかし誰もが人に評価されるポジティブな状況になれるとは限りません。仕事をするうえで、いい状況になれる人、ネガティブな状況になってしまう人とでは、何が違うのでしょうか。

仕事の成功と密接に関係している「スモールステップ」とは? なぜ散歩は有効なのか?(画像:写真AC)

リクルートワークス研究所(中央区銀座)の調査『Works Review「働く」の論点2020』によると、これまでの小さな行動、いわゆる「スモールステップ」が、その後の将来に影響を与える可能性があるそうです。

ここでいうスモールステップとは、たとえば初対面の人と積極的に会うようにしたり、やりたいことを発信してみたり、分からないことがあればネットで分かるまで調べてみたりすること。

とても小さくて、身近なアクションのことです。スモールステップを行うことで、その後の状況が変わってくる傾向にあるというのです。

同研究所の調べによると、若手社会人の特徴は四つのグループに分けられます。

グループ1は「行動量、情報量ともに多い」、グループ2は「行動量が少なく、情報量が多い」、グループ3は「行動量、情報量ともに少ない」、グループ4は「行動量が多く、情報量は少ない」。

この中でグループ1がもっとも良いキャリア状況にあり、行動量・情報量ともに少ないグループ3は、もっともネガティブな状況だったそうです。

年を取ると減っていく行動力・情報収集意欲

さらに年齢を重ねると行動量・情報量ともに低下する傾向に見られます。

就職直後は、行動量・情報量ともに多いグループ1の割合は22.4%でしたが、年数が経過するにつれてそのパーセンテージは減少し、20.3%になっています。

逆に、行動量・情報量ともに少ないグループ3は、入社直後よりも3.9%増加しています。

年を重ねるにつれて、行動力や情報収集意欲は低下していく傾向にある(画像:写真AC)

要するに、年齢を重ねると意欲的にキャリアアップに関する行動や、情報収集をしなくなる傾向にあるというわけです。

それを食い止めるためには、早いうちからのスモールステップが大切なのです。

これは会社に勤めていない人にも言えること。最初は頑張るけれど、だんだんとポジティブな行動や情報収集の量が減ってしまうことは、どんな状況にいても起こり得ることです。

「この歳で新しいことを始める気力がない」「とくに勉強をしなくても、仕事に支障はない」

そんな風に考えがちな人は、今から改めておかないと、年齢を重ねるにつれてその傾向が強くなってしまう場合も。それでは「なりたい自分」から遠ざかってしまいます。

今からスモールステップを心掛けていくことで、何らかの気づきや発見が生まれ、ポジティブな状況になれる可能性が高まるのではないでしょうか。

ほんの小さな行動から自分を変えていくコツ

スモールステップは今日からでも始められるため、とても身近な自分を変える方法といえます。なかにはその行動をルーティン化させて、良い習慣として定着させたいと思う人もいるでしょう。

『声に出して読みたい日本語』(草思社)の著者で知られる、明治大学文学部教授の齋藤孝さんは、自著『心スッキリ、アイデアひらめく齋藤孝の30分散歩術』(実業之日本社)で、散歩をすることでストレスが減り、頭の稼働率がアップして仕事に前向きになれると記しています。

京都の「哲学の道」で知られる西田幾多郎も、発明王のエジソンも、散歩をしながら考える習慣があったそうです。

皇居の周りをランニングする女性たち(画像:写真AC)

彼らのように、散歩をしたからといって突然「何者かになれる」とは言えませんが、散歩やウオーキングは、定着させると良い習慣のひとつといえるでしょう。

とはいえ「散歩を習慣にしよう!」と思っても、なかなかうまくいかないもの。そんなときこそ、スモールステップ。

「散歩(やってみたいこと)をしようかなと、人に話してみる」でもいいですし、ハードルが高いと感じるなら「やりたいことの情報を収集してみる」から始めてもいいかもしれません。

さらに、ちょっと背中を押してくれそうな書籍があります。冒頭で触れた『東京さんぽ図鑑』です。

賢者の視点をなぞりつつ東京を散歩してみる

著者であるスタジオワークは、建築・都市計画・デザインなどの専門家が集まった集団。そのため同書では、町や建物をマニアックな視点から解説しています。

『東京さんぽ図鑑』(画像:朝日新聞出版)

歴史ある建物の装飾の解説をはじめ、「東京駅はどうして長いのか」「窪地の水の出口を探る」など、普通に散歩をしていては見つけられない情報が記載されています。

散歩を習慣にする勇気が出ない場合は、知識の散歩から始めるのもよさそうです。

そうやって少しずつ好奇心の幅を広げていくことで、「何者かになりたい自分」と「今の自分をいいと思える自分」が、近づいてくるのではないでしょうか。

その結果、会社やグループなどでポジティブな印象を持たれる人になれるのかもしれません。

夏野久万(フリーライター)

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