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BTSの『Butter』がアメリカで“スマッシュヒット”の理由とは?「成果が数えきれない」の声も

  • 2021.7.12

BTS(防弾少年団)の勢いが止まることを知らない。強力なARMY(BTSファンの総称)たちの力によって、アメリカの音楽市場におけるBTSの存在感がさらに強固になっている。

7月7日(日本時間)の米ビルボードによると、去る5月21日にリリースされたBTSのデジタルシングル『Butter』が、7月10日付の「ホット100」でも1位を獲得したという。BTSは『Butter』で、これまで発表した曲の中で最長記録である6週連続1位という大記録を達成することとなった。

また11度目の「ホット100」1位という記録も達成。前述した『Butter』(6回)をはじめ、『Dynamite』(3回)、フィーチャリングに参加した『Savage Love(Laxed-Siren Beat)[BTS Remix]』(1回)、アルバム『BE』のリード曲『Life Goes On』(1回)の4曲の合計だ。

歴史的な記録を連発

発売1週目に「ホット100」を達成した曲は、長いビルボードの歴史でも“わずか54曲”のみとされている。そのうち6週連続首位を守った曲は『Butter』を含めて、10曲にも満たないのだ。

(写真=BIGHIT MUSIC)BTS

グループの楽曲としては、1995年に16週連続で1位になったマライア・キャリーとボーイズⅡメンの『One Sweet Day』に次いで2番目に長い。連日記録を更新し続けているBTSだが、現在は同チャートで8週連続1位を記録したオリビア・ロドリゴの『drivers license』を抜けるかに関心が集まっている。

「ホット100」はストリーミングの実績と音源の販売量、ラジオでの放送回数などを総合し、毎週アメリカで最も人気のある曲の順位を集計するチャートだ。

アルバムチャートの「ビルボード200」とともにビルボードの“2大メインチャート”と言われており、「ビルボード200」がファンの規模などを判断できる基準になるとすれば、「ホット100」は米音楽市場における人気の流れを示す重要な指標に挙げられている。

BTSは『Butter』の4週連続首位という記録で、アジア人アーティスト単独新記録を樹立。グループとしては21世紀初という偉業を成し遂げた。

「ホット100」で首位維持のワケ

『Butter』がリリースから6週目にもかかわらず「ホット100」のトップを維持できたのは、ずば抜けた音源販売量のおかげだという。7月1日までの週間集計で、アメリカ内でのストリーミング再生回数1100万件、ダウンロード数15万3600件を記録している。

音源ストリーミング回数については11%減の1100万回だったが、7月4日までのラジオ聴取者数は2%増の2830万人に達した。地元のラジオ放送局が強い米現地で、BTSの人気がどれほど堅固かを示す数値だと言える。

(写真提供=ビルボード)

このように『Butter』の長期興行について音楽業界は、一時的な関心ではなく、アメリカ国内におけるBTSというグループの人気が浸透してきたことを裏付けるものとしている。

さらに、所属事務所であるHYBEの戦略も功を奏した。『Butter』は原曲リリース後、様々なリミックスバージョンの追加公開でシナジー効果を発生させ、ファンからの支持をさらに強固なものへと作りあげた。

現在まで、『Butter』をエレクトロダンスミュージックとして再解釈した「Hotter Remix」、R&B調の「Sweeter Remix」、初夏らしい爽やかな魅力が加わった「Cooler Remix」の、3バージョンを追加リリース。

そして6月末には、BTSウェブストアで「Cream ver.」「peaches ver.」の2種で構成されたCDでパワーアップし、配信だけでなくCDやカセットテープの販売量が集計に反映されたことも功を奏した。リリースから6週間が経過したCDとダウンロードの販売数は計15万3600件で、前週よりも20%急増したそうだ。

「英米圏でも独立した1つのジャンル」

こうしたBTSの新記樹立について、とある音楽関係者は「韓国のアイドルグループBTSが、ポップスの本場で実に驚くべき記録を打ち立てている」とし、「数回にわたってビルボードメインチャートに名を連ね、K-POPが北米でも成功できるという事例を見せてくれた」と話した。

(写真=BIGHIT MUSIC)

また別の関係者は「これまでBTSが成し遂げた成果と業績は数えきれないほど多いが、今やアジアを超えてアメリカやヨーロッパなど英米圏でも独立した1つのジャンルであり、産業に対する視線を変えたという点が、彼らが成し遂げた大きな成果の一つ」と評価している。

その『Butter』が収録された実CDが7月9日に発売されただけに、ビルボードの長期覇権は当分続く見通しだ。また同CDに収録されている新曲『Permission to Dance』は、2019年の楽曲『Make It Right』を共同制作したEd Sheeran(エド・シーラン)が再び参加していることでも話題を集めている。

『Butter』のビルボード長期興行が続いているなか、後続の『Permission to Dance』が「ホット100」「ビルボード200」を再占領し、この勢いがどこまで続くのかという関心が全世界から集まっている。

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