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名作『マイ・ディア・ミスター』で放送時に批判が殺到したシーンとは?

  • 2021.7.2
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『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』は、BS朝日で平日の月曜日から金曜日まで放送されているので、この機会に見始めた人も多いことだろう。

韓国で放送されたのは3年前だが、今でも「間違いなく傑作だ」という評判が高まっていて、人気がむしろ上がってきている。そういう意味では、見た人の心に長く記憶されるドラマになるはずだ。

主役はイ・ソンギュンとIU(アイユー)。特に、ドラマの序盤から凄い存在感を見せているのがIUだ。彼女は孤独すぎる派遣社員のジアンを演じている。

そんなジアンを徹底的にいじめるのが、金貸しのグァンイル(チャン・ギヨンが扮している)である。

ジアンは、亡き父親の借金にとことん苦しめられるが、その借金取りがグァンイルで、彼がドラマの序盤でジアンに暴力をふるう場面が強烈だった。

本当にジアンがいたたまれなくなるほどグァンイルの暴力は執拗だった。

グァンイルの心情

こうした暴力シーンは、韓国で放送時に多くの批判が起きた。制作側が「物語を進めるうえで必要な場面でした」と何度も弁明するほど、暴力シーンは視聴者から問題視されたのである。

確かに、暴力シーンには後半への伏線という要素があったのだが、それでも、「やりすぎ」という批判が起きたのも必然だった。

韓国の放送通信審議委員会でも問題になったシーン(写真=tvN『私のおじさん』放送画面

ただし、グァンイルという役の成り立ちを理解しなければならない。というのは、彼も子供のときに父親から虐待されるという過去があり、ジアンと同じように心に深い傷を負っていたのである。

それと、グァンイルが過剰にジアンに付きまとうのは、借金の取り立てだけが理由ではない。ジアンに愛情を感じており、不器用な表現しかできなかったので彼は過激な行動に出てしまったのだ。そんなグァンイルの心情をチャン・ギヨンは屈折した視線で演じていた。

結局、ジアンもグァンイルも、自分の味方は誰もいないという孤独の中で生きていたが、イ・ソンギュンが演じたドンフンは、2人に真剣に向き合っていった。

そこが、このドラマのとても重要なポイントであり、後半に向けて、ドンフンの優しさが物語を深く描き出していた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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