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たった一つの揺らぎ、透明感。食卓の名脇役・ガラス食器で、美しい涼をとる

  • 2021.7.2

涼やかな印象のガラス食器。いつもの食卓も、透明感ある器が加わるだけでぐっと軽やかになる。陶器にこだわるように、ガラスの器も作家が心を込めて作った美しい1点ものと丁寧に付き合いたい。今回はどんな器とも相性がよく、オールシーズン使える万能なガラス食器を紹介しよう。

①太陽の光を得て、水面のような陰影を映し出す「おおやぶみよ」のガラス

まず紹介するのは、京都出身、現在は沖縄にアトリエを構えるガラス作家・おおやぶみよさんの器。厚みのあるガラスの中に気泡がきらめき、光を取り込めば、水面のような揺らぎが美しい。手に心地よく馴染む柔らかな曲線は、どこかアンティークっぽい懐かしさも伴う。これは、吹きガラス製法と呼ばれる技法によるもの。炉で溶かしたガラスを吹き竿で素早く巻き取り、息を吹き込んで成形するという、完全なる手仕事で生み出されている。
最近では、ピンクやイエローなど色付きのシリーズも展開。形のバリエーションも豊富で、集める楽しみもある。茹でただけの枝豆をお皿にサッと盛りつけたり、厚みがあるので冷蔵庫でコップごと冷やしてキンキンのビールを味わったり。夏の食卓はもちろん、冬にはお鍋の薬味を盛り付けるだけでもサマになる。食器棚にしまう間もなく、年中大活躍してくれるだろう。

②繊細でグラフィカルな形、金縁が食卓を華やかにする「谷口嘉」のガラス

©️Shusuke SatoHarumari Inc.

続いて紹介するのは、神奈川県で活動するガラス作家・谷口嘉さんのガラス。上品でグラフィカルな形、主張しすぎずクールな雰囲気をまとう器だ。
これらは、溶けたガラスをコンクリート型に吹き込んで成形する「型吹き」という技法で作られる。そのためコンクリート表面の粒子の名残が、クリアガラスに揺らいだテクスチャーを刻み、独特の風合いを生んでいる。
人気は、ガラスの縁をマットな金で彩った「金縁」シリーズ。食卓に置くと、途端に主役級の華やかさを放つ。形のバリエーションが多くある中、特に、底面が平らで広く深さもある大皿タイプの使い勝手が抜群。いつもは陶器の器に盛り付けるようなメインディッシュや、具だくさんのサラダなども、きれいにまとめ上げてくれる。手軽な料理が、こなれた一品にランクアップして見える嬉しい器だ。

③まるで透明感のある陶器のよう。気がつけば手にとってしまう「fresco」のガラス

最後に紹介するのは、ガラス作家・辻野剛さんの個人工房から発展した、大阪のガラスブランド『fresco』。「ブランドの持つ“信頼性”と、ハンドメイドという“オリジナル性”を両立すること」をテーマに、職人たちそれぞれの手により、世界にひとつしかないガラス作品を生み出している。代表の辻野さんは、単身アメリカに渡りさまざまな工房で吹きガラス製法を研鑽。確かな技術力を持つからこそ創造できる、普段使いとアート作品の絶妙な両面を持つガラスがこのブランドの魅力だ。
食卓にあげたら最後、手放せなくなるのが「kasumi」シリーズ。独特の濃淡、器越しの世界がぼんやりと霞んで見える色合いは、白ガラスをベースに、グリーン、イエローなどの色のついた粒ガラスを重ねて作られている。吹きガラス特有の厚みとも相まって、陶器の器と透明ガラスの器の中間のようなちょうど良さだ。同色で揃えれば微細な表情の変化を、色違いで揃えれば色合わせの妙も愉しめる。取り皿として取り入れれば、いつものテーブルをさりげなく洗練してくれる。気がつけばつい使っている”いつものお皿”になりそうだ。

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