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天童木工の新作家具と、80年の歴史をまとめた書籍が発売。

  • 2021.7.2

昨年6月に創立80周年を迎えた木工家具メーカー、天童木工は、80周年を記念するプロジェクトとして、昨年より「TENDO JAPANESE MODERN / 80 PROJECT」に取り組んできた。その主要コンテンツとして進めてきたのが、3名の招聘デザイナーによる新作家具づくりだ。本プロジェクトの締めくくりとして、その新作家具のお披露目が7月より天童木工東京ショールーム&ストアおよび代官山 蔦屋書店にて行われる。

1940年、山形県天童市(旧天童町)に結成された天童木工家具建具工業組合に端を発する天童木工は、第二次世界大戦後、成形合板技術をいち早く取り入れ、建築家やデザイナーと仕事を重ねることで、日本の居住空間の発展に大きく寄与してきた。天童木工を黎明期から支えたデザイナー、剣持勇を中心に発展した「ジャパニーズモダン」の思想は、いまなお天童木工のものづくりの大きな指針となるもの。

早くからデザインに価値を見出した天童木工は、先に挙げた剣持勇のほか、丹下健三や柳宗理といった日本を代表する建築家、デザイナーと協働を重ねてきた。80周年記念プロジェクトにおいて「ジャパニーズモダン」を再考するにあたり、あらためて、建築、インテリア、プロダクト、それぞれの視点から天童木工の現在形を物語る新たな家具開発がスタート。新たにデザインを依頼したのは、建築家の中村拓志、デザイナーの二俣公一、熊野亘の3名。彼らを本社工場へ迎え、家具やアーカイブ、それらを実現してきた技術を見学、職人との対話を重ね、それぞれの視点から天童木工のいまを体現するデザインが生まれた。天童木工が培ってきた歴史や技術と3人のクリエイティビティが融合した新作家具、ぜひ実際に目で見てその素晴らしさを感じてほしい。

建築家、中村拓志によるチェア。背は成形合板のしなりと厚みのある張りによって、心地よい座り心地を実現。T字で体を囲うような形状で、肘を張り部分に置くことができる。¥123,200(ソリ脚タイプ)

デザイナー、二俣公一によるチェア。パーツの構成によって背もたれのないバックレスタイプや背もたれのあるタイプ、また横に連結させたベンチタイプなど用途に合わせてフレキシブルに変化するバリエーションを展開。¥97,900(アームチェアタイプ)

デザイナー、熊野亘によるチェア。一見、なんの変哲もないベーシックなチェアに見えるけど、ディテールにこだわりと特徴が詰まっている。成形合板で背から座面を一体で作り、さらにそれを支える構造を、別の成形合板で背・座面・脚部を製作。前脚と後脚の組み方や背の裏側を支える無垢材の笠木が特徴的で、それが背面からの独特の見え方に繋がっている。¥96,800

そして、創立80周年のもうひとつの集大成が、7月下旬に刊行される書籍『天童木工とジャパニーズモダン』。これは、天童木工が協働してきた建築家やデザイナーとの数多くの仕事を、時代順に追いかけたもの。洋家具との出合いに端を発する天童木工の家具づくりは、戦後、日本の気候風土に根ざした建築・デザイン文化を追求した建築家やデザイナーとの協働で大きく発展した。本書では「ジャパニーズモダン」の普遍性を探りながら、実例とともに天童木工が日本の家具や空間に寄与してきた役割を再考。時代とともに変わるライフスタイルへの考察のほか、80周年を記念し開発した新作家具の製作プロセスやデザイナーへのインタビューの収録など、ビジュアルとともに歴史を振り返り、未来につなぐ1冊となっている。

『天童木工とジャパニーズモダン』 南木隆助 企画/プロデュース山田泰臣 編集高橋万実子 アートディレクション荻野沙理・柴田胡桃 デザイン  青幻舎刊¥60,500(予価)

『TENDO JAPANESE MODERN / 80 PROJECT 新作発表会』期間:7/2(金)~30(金)場所:天童木工 東京ショールーム&ストア(東京都港区浜松町1-19-2)『TENDO JAPANESE MODERN / 80 PROJECT BOOK & FURNITURE フェア』期間:7/7(水)~8/6(金)場所:代官山 蔦屋書店2号館(東京都渋谷区猿楽町17-5)

●問い合わせ先:天童木工www.tendo-mokko.co.jp

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