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お金のプロが教える!今こそ知りたい「FIRE」とは?

  • 2021.7.20
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高齢化が年々進んでいる日本では、「長生きリスク」による老後資金の不安から、60歳以降も働くことが珍しくなくなりました。

そのような中で現在、若者を中心に「FIRE」という考え方が注目されています。しかし、「最近よく聞くけどFIREって何のこと?」「早期退職との違いは?」など、よく知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は今こそ知りたい「FIRE」について、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)が解説します!

「FIRE」とは?

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FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」という言葉の頭文字を組み合わせた造語です。

直訳すると「経済的に自立して、早期リタイアする」こと。アメリカの女性作家ヴィッキー・ロビンとジョー・ドミンゲスの共著『お金か人生か』で紹介された、ライフプランとライフスタイルが受け入れられ、広がったと言われています。

従来の「早期退職(アーリーリタイア)」との大きな違いは、質素倹約を基本とするライフスタイルです。FIREでは、「一生遊んで暮らせるお金を用意して引退」するのでなく、「最低限の生活ができる資産を作って、その範囲で質素に生活」します。

「FIRE」実現の方法

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FIREの特徴の1つに「資産を取り崩さずに運用の利益だけで生活する」というものがあります。これはつまり、「不労所得をめざす」ということです。

しかし、そのためには不労所得を生み出す資産を作らなくてはなりません。この目安となるものに「4%ルール」があります。

4%ルールとは、年間支出の25倍の資産があれば、年利4%の利益で生活していけるという考え方です。たとえば、月の生活費が20万円なら、6,000万円(20万円×12カ月×25)の資産を作り年利4%で運用すれば、FIREが実現されます。

しかし、これはあくまで理論上の話です。確実に4%の利益が得られる保証はないため、参考程度にとどめておきましょう。

「サイドFIRE」という選択肢も

FIREをめざす人は、なるべく早期に実現したいと考えるケースが多いです。そのためには、収入の70%を資産運用に回すことが提唱されています。

たとえば、手取り月収30万円の70%というと21万円です。この金額をすべて投資に回し年利4%で運用した場合、約17年で6,000万円の資産が作れる計算になります。

このように、早期にリタイアしたい場合、節約と投資のストイックな生活を続けなければなりません。誰でもチャレンジすることはできますが、「そこまではできない」と思う人も多いのではないでしょうか。

FIREには憧れるけれど完全に実行できない場合、「サイドFIRE」という方法もあります。サイドFIREとは、メインの仕事は退職しアルバイトやパートタイムの仕事で不労所得の不足分を補う方法です。

仕事や生きがいについて見直すきっかけに

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FIREの提唱する経済的自立に共感しても、多くの人は早期退職に疑問を持つのではないでしょうか。「仕事をやめたらすることがない」「何をして生きていくのか」などと考える人も少なくありません。

経済的自立は確かに素晴らしいことです。しかし、今できる多くのことを犠牲にして成し遂げるべきか、という考え方もあるでしょう。

しかし、FIREのムーブメントは仕事やお金などについて深く考える、良いきっかけになり得ます。この機会に自分が何を大切にしているのか、今後どうしたいのかを見つめ直してみてはいかがでしょうか?

※画像はイメージです



ライター:松田聡子
日本FP協会認定CFPⓇ、DCアドバイザーなど多数の資格を保有。元証券システムのエンジニアで、現在は独立系FPとしてマネープランのアドバイスをしております。お金のことって難しいと思っていませんか?人生100年時代を自分らしく生きるための「お金の知恵」をお伝えします。


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