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G’s MUSIC REVIEW タイム誌「次世代の100人」にも選ばれたオリヴィア・ロドリゴの『サワー』etc.

  • 2021.6.28

6月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新譜をご紹介。

『TOKYO HAKAI』
Aya Gloomy


アヤ・グルーミーは15歳でギターを手にした東京出身のアーティスト。東京オリンピックの開催が決定した際の音声から始まる本作は、泡沫の2020年の憂鬱を彼女の才気あふれるワードセンスで破壊。大量生産・大量消費の日本で未来に何を残せるかなど、東京の真ん中で聴き手に尋ねる。オリエンタルなエレクトロ・サウンドも魅惑的。彼女の愛するスマイリーに埋もれたジャケットは写真家の都築響一が撮影。次のステージはカルチャーとともにやってくる。

(PCI MUSIC)

『サワー』
オリヴィア・ロドリゴ


2003年ロサンゼルスに生まれたフィリピン系アメリカ人のオリヴィア。『ハイスクール・ミュージカル』のリバイバル版で主演をつとめ、俳優として活躍しながら今年歌手デビュー。自身の失恋体験を綴ったのでは?と考察合戦が起きた楽曲がグローバルチャートで9週連続1位と新記録を達成。タイム誌「次世代の100人」にも選ばれた彼女が放つ、繊細なサウンド・クリエイション、胸を打つ素直な歌声、その才能を世界に轟かせる一作。

(ユニバーサル・ミュージック)

『ダディーズ・ホーム』
セイント・ヴィンセント


金髪ボブに70sスタイルで、4年ぶりの新作を携えカムバックしたセイント・ヴィンセント。今作のインスピレーション源は、なんと10年服役した父の出所。そんな家族の一大事を『Daddy’s Home(父が帰ってきた)』というなんともファニーなタイトルで、ならず者の父への想いや人生のままならなさを物語性豊かに歌う。一目置かれるギターテクだけでなく、自らプロデュースするヴィジュアル・イメージなど先鋭的な美意識にいつもハッとさせられる。

(Virgin Music Label)

GINZA2021年6月号掲載

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