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東洋モードが新しい!台湾×日本な最旬カフェ「LIWEI COFFEE STAND」

  • 2021.6.25
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台湾と日本。お互いの国を愛するバリスタ夫妻が、それぞれの文化を融合させて生み出す独創的な世界観に今、多くの人が夢中になっている。台湾と日本のカルチャーをつなぎ発信する「LIWEI COFFEE STAND(リウェイ コーヒースタンド)」は、欧米スタイルが主流だったコーヒースタンド業界に新たな風を吹き込んでいる。

長らくカフェ砂漠だった高田馬場で今、注目を集めるコーヒースタンドがある。台湾出身の李維(リウェイ)さんと日本人のハルコさん夫妻が手がける「LIWEI COFFEE STAND」だ。

店内に足を踏み入れると、グリーンの壁が印象的でどこかオリエンタルな空間が広がっている。入るとすぐ正面に飛び込んでくる、異彩を放つ中国語の看板や、ところどころにぶら下げられた妖艶な赤提灯がその雰囲気を盛り上げているのだろう。

ずらりと並んださまざまな色柄の陶器も目を引く。一見すると台湾のもののようにも思えるが、多くは日本の伝統工芸である有田焼だ。台湾と日本の文化が融合した異国情緒漂う中に、今風のロゴやイラストにメンズライクな要素をプラスし、独創的な世界観を生み出している。

夫のリウェイさんは台湾でバリスタとして経験を積んだのち、4年前に日本にやってきたという。数々のラテアート世界大会への出場経験を持つ実力派。LIWEI COFFEE STANDでは豆の焙煎も手がけ、味づくりはもちろん「アートを施したときのミルクとエスプレッソのコントラストを決めるのも焙煎士の腕次第」と、自分の理想とするコーヒーに仕上げる。

一方で、「原動力は台湾」と公言するほど台湾を愛してやまないハルコさんも、長らくカフェの業界に携わり、「STREAMER COFFEE COMPANY」でバリスタとして腕を磨いてきた。この店では、スイーツ開発、インテリア、グッズ制作、撮影などを一手に担い、ロゴやパッケージ、Tシャツなどのイラストもすべて彼女がデザイン。それを聞くと、台湾をテーマとしながらもどこかストリートカルチャーを感じる店内の雰囲気にも納得だ。
ふたりがここで店を始めたのは2020年12月。オープン当初は、まずは店を始めることが最優先だったというが、「コーヒースタンドという場で自分たちが表現できるさまざまなものを通して、日本と台湾のカルチャーを発信したい」と、少しずつその活動を加速化させている。

台湾×日本。自分たちにとっては自然なことが、新しい

今、LIWEI COFFEE STANDにやって来るのはコーヒー好きだけではない。ふたりが生み出す「台湾と日本のカルチャーをかけ合わせたコーヒースタンド」という新しい世界観に魅了された多くの若者たちが訪れる。

「よく、コーヒースタンドなのに異国感があっていいと喜んでもらえるんですけど、ただ自分たちが好きなものを取り入れていっただけなんです」と、リウェイさん。台湾や香港から気に入ったカップを買い付けたり、好きな台湾のアーティストの楽曲を流したり。有田焼ももともとハルコさんが好きだったものだそう。それぞれが自国やお互いの国の文化を認め合うふたりにとっては、自分たちが好きなもので埋めることで、自然と台湾と日本のカルチャーをミックスさせることにつながってきたのだ。

普段、わたしたちが生活の中で触れるコーヒーショップといえば、北欧や西海岸の店にインスパイアされたものがほとんどだ。だからこそ、東洋独特のデザインや華やかな赤絵の有田焼を取り入れたLIWEI COFFEE STANDのスタイルは新鮮でファッショナブルに映る。多くの人がこの店に特別な魅力を感じ、惹かれるのは自然な流れといえるだろう。

隔たりはいらない。好きなものといいものを作る、ただそれだけ

そうして自然とできあがっていったという空間とは裏腹に、フードやドリンクには“意識的”に台湾のものを取り入れている。台湾式クレープ「蛋餅(ダンピン)」や、「台湾阿里山茶」「台湾烏龍茶」などをラインナップ。中でも「台湾烏龍milk tea」は、「僕が台湾でいちばん好きなドリンク」と、リウェイさんのイチオシ。

日本人にとっては喫茶店でおなじみのプリンにも、台湾の要素をプラスするのがLIWEI COFFEE STAND流だ。台湾の黒烏龍茶の葉を煮詰めて作ったシロップと、飴細工をトッピングしたなめらかなプリンは、鼻に抜ける烏龍茶の爽やかな香りが台湾の風を感じさせる。昔ながらの固めプリンとは一線を画す味わいだが、それを受け止めるのが有田焼という異色の取り合わせはまさにこの店ならでは。台湾人作家が手がけた神秘的な柄のカップと美しいラテアートを合わせれば、グッと雰囲気のある世界観が生まれるのだから、なんとも粋なものだ。

今後は、台湾や日本を軸にしながらも、タイ伝統のお茶なども取り入れていきたいとリウェイさんは話す。「もちろん、僕たちは台湾と日本で生まれたふたりで店をやっているけれど、日本のもの、台湾のもの、別の国のものと分ける必要はないと思うんです。自分たちが好きなものやいいものを取り入れて、ミックスしたり作り変えたりして発信していきたい」

台湾と日本、それぞれのカルチャーをミックスさせ唯一無二のスタイルを貫く「LIWEI COFFEE STAND」。旅に出られない今、最旬のコーヒースタンドはいいカフェ時間と共に、異国の文化に触れ自国の文化を見直すきっかけもくれるだろう。

取材・文:RIN

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