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『馬医』歴史解説!朝鮮王朝時代の重大な罪・綱常罪の意味

  • 2021.6.22
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テレビ東京の韓流プレミアで月曜日から金曜日の朝8時15分から放送されている時代劇『馬医』。

主演のチョン・イルが演じる主人公のペク・クァンヒョンと、イ・ヨウォンが演じるカン・ジニョンは、とある理由で綱常罪(カンサンジェ)という罪に問われてしまう。

この綱常罪は、朝鮮王朝時代の国教である儒教が大きく関係しているが、その儒教が国教になった理由を説明しよう。

朝鮮王朝が建国される前の高麗時代。この時代に重んじられていたのは仏教で、時代劇『太祖王建』や『麗~花萌ゆる8人の王子たち』で登場した高麗の初代王・王建(ワン・ゴン)が、「仏教を重んじよ」と命じている。

『馬医』で綱常罪はどう描かれているのか(写真提供=韓国MBC『馬医』ポスター)
奥が深い朝鮮王朝の歴史

しかし、それによって寺院が大きな力を持ってしまい政治に関わってきたのだが、それが1つの高麗王朝衰退の原因となってしまった。

そして、1392年に高麗王朝が滅ぼされて朝鮮王朝が建国されると、儒教を国教にする大転換が行なわれたのである。

この儒教には「三綱五倫(サムガンオリュン)」という徳目がある。

「三綱五倫」の「三綱」とは、君臣、親子、夫婦の3つの人間関係において守るべき秩序を表している。

一方の「五倫」は、親子間の愛、君臣間の忠義、夫婦間の分別、年功による序列、友人間の信義を意味している。

ちなみに「三綱五輪」と同じ意味で、日本では「三綱五常」という四字熟語があり、「五常」は「仁、義、礼、智、信」を表している。

これは儒教のおきてを破ることは大罪とされており、この「三綱五輪」に反する罪を「綱常罪」と言う。

普段の日常では聞くことのない言葉なので、朝鮮王朝時代の歴史は本当に奥が深い。そういう意味では、韓国時代劇は歴史の勉強に役立つ最高の教材と言える。

文=大地 康

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