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「家事、手伝うよ」「やっぱりママが一番だね」――それ、「駄言」です!

  • 2021.6.16

「ママが早く帰ってあげなくて、お子さん大丈夫?」「男はいつまでたっても子どもだから」などの古い価値観によって発せられる言葉は、発言者に悪気がなくても相手を傷つけてしまうことがある。言われてモヤモヤしたことや、逆に、無意識にそのような言葉を発していないだろうか。

2021年6月10日、『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(日経BP)が発売された。

本書では、「女はビジネスに向かない」のような思い込みによる発言、相手の能力や個性を考えないステレオタイプな発言を「駄言(だげん)」と名付けている。特に性別に基づくものが多く、人の心を傷つける言葉だ。実際に募集したところ、職場・家庭・仲間内など様々なシーンでの駄言が集まったという。

では、本書の内容を一部紹介していこう。

■第1章 実際にあった「駄言」リスト
実際に集まった1200を超える駄言の中から、特に多かったものを中心に、カテゴリ別に分類。聞いた・言われた人によるコメントと、その発言が生まれてしまった背景についてイラストを交えて解説している。

実際にあった「駄言」の例を紹介していこう。

●女性らしさ
「へェ...それ彼氏の影響?」「就活は女性らしくスカートで」「女を捨ててる」「リケジョ」「女の子だからそんなに勉強頑張らなくてもいいよ」
●キャリア・仕事能力
「女の子いたら先方も喜ぶから」「君は女の子なのに仕事ができるね」「女性から管理職出さないとなッ」「いざとなったら結婚すればいいもんね」
●生活能力・家事
「家事、手伝うよ。」「専業主婦させてくれる旦那さんでよかったね」「誰のおかげで食えると思ってるんだ」「いいお嫁さんになるね」
●子育て
「そんなに働いて子どもがかわいそう」「ママなのに育休取らないの?」「やっぱりママが一番だね」「母親なら手抜きするな」
●恋愛・結婚
「えっクリスマス一人って大丈夫?」「女性は子どもを産んで一人前」「愛してたら改姓できるんじゃない?」
●男性らしさ
「え?男なのに育休取るの?」「男なんだし残業くらいしろー」「女の子には頼みにくいからお前頼むよ」「主夫?働いてないの?」

自分が言われたらと考えると、嫌な気持ちになるセリフばかりだ。一方で、自分も無意識に近い発言や発想をしていないかとドキリとさせられる。

■第2章 なぜ「駄言」が生まれるか
様々な分野・世代のキーパーソン「駄言」はなぜ生まれるのかをインタビュー。

日本とイギリスにルーツを持つスプニツ子!さんは小学生のころ、周りの子どもたちから「ガイジン」と言われていじめられていたと明かす。しかしスプニツ子!さんを傷つけたのは、「ガイジン」と呼ばれたことよりも、担任の先生の一言だった。「尾崎さん(スプニツ子!さんの本名)を『ガイジン』と言っていじめるのはやめなさい。尾崎さんは『日本人』なんですから」。日本人であると同時にイギリス人でもあるスプニツ子!さん。「私が外国人でも『ガイジン』といじめるな、と言ってほしかった......」

ほかにも、下記の人々が登場し、駄言エピソードを語っている。

・出口治明さん(立命館アジア太平洋大学学長)
・及川美紀さん(ポーラ社長)
・杉山文野さん(NPO法人東京レインボープライド共同代表理事)
・野田聖子さん(自由民主党幹事長代行)
・青野慶久さん(サイボウズ社長)

■第3章 「駄言」にどう立ち向かえばいいのか
これまでの内容を俯瞰して、私たちはこれからこうした「駄言」にどう立ち向かえばよいのかを考察。

悪意がないからこそ、人を傷つけてしまうことも。自分が発言者とならないためにも、常識や価値観をアップデートしておきたい。

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