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「毒友」を見分けるための8つのサインとは?

  • 2021.6.3

比較的新しいものだろうが、何十年も前からの関係だろうが、友情の中には、必ずしも有益で思いやりがあるとは言えないものもある。心理学者と精神分析医に、有害な「毒友」を見分けるためのサインを教えてもらった。

毒友の兆候を表すサインとは。photo: Getty Images

辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせたり、思いやりのない発言をする友人、常に釈明しなければならない相手、こちらが必要とする時はいないことが多いのに、相手には多くを求めてくる友人、それが「毒友」だ。

友人として義務を果たせなかったり、ミスを犯したり、相手を傷つけたりすることは誰にでもある。けれど、特定の行動が繰り返されるようなら、考えてみたほうがいいかもしれない。友人関係のアンバランスは、毒友のサインでもある。

毒友というと恐ろしい響きがあるが、つまりは自分を満足させてくれない、さらには苦しめてしまう相手との繋がりのこと。毒友は、不快感や不安感、支配関係を一方だけに引き起こす。明白な、時には狡猾なサインの中に、状況をより明確に把握したり、自分の気持ちを決める手助けになってくれるものがある。

1. 関係がアンバランス

相手に多くを与えているのに、見返りが少ない、あるいは何も得られない状態は、相手との関係が健全ではないことの証。このアンバランスな関係が友情を終わりへと導く。

臨床心理士で『毒友との関係はやめた』(1)の著者であるマリオン・ブリックは次のように説明する。「友情には互恵性、相互性が不可欠です。相手を尊重し、サポートするのと同じくらい、あなたもまた尊敬され、サポートされていると感じなければなりません。バランスが崩れすぎた友情は、すぐに負担に感じられるもの」

2. 行動が変化した

まねや経験から、また単に他人から影響されることで、自分の態度や対応の仕方が変わるというのはよくあること。これらの変化がポジティブなものであれば、それに越したことはない。しかし、自分の価値観に反する言葉や行動には注意が必要だ。

「人によっては、相手を危険な道に押しやることがあります。今まで知っていたことから距離を置き、慣れ親しんだものから離れるような気分になって、相手に追随することもありますが、どんな犠牲を払っても自分らしさは変えてしまわないように注意する必要があります」とパリ大学の名誉教授で精神分析医のダニエル・ブラン(2)はコメントする。

3. 友人関係に過剰に入れ込む

友だちを擁護したり、友だちのために立ち上がったりするのは良いことだ。しかし、周囲から建設的な批判が寄せられても庇いだてしたり、その友人を崇拝したりするようになったら要注意だ。「友好的な関係においては、常に互いに影響を受け、時には情熱さえ感じることもあります。ですから、一歩下がって距離を取ることや、相手を無条件に理想化していることに気付くのは非常に難しい」と精神分析医のダニエル・ブランは述べる。

「重要なのは、友人のありのままの姿を、いいところも欠点も同様に見極めること。そして、相手のせいで傷つくことがあったら、それを否定したり過小評価したりしないことも大事。毒友タイプの人は、相手の望むことを耳に吹き込むことに長けているので、相手を支配してしまうのです」とマリオン・ブリックは言う。

4. ネガティブすぎる

毒友とは言わないまでも、自分が精神的に良好でないため、ネガティブな雰囲気を醸し出し、相手を落ち込ませてしまう人もいる。「友人だからといって、他人の否定的な話に全て耳を傾ける必要はありません。常に避雷針のような役割を果たすことは非常に負担が大きく、不快感からうつ病を引き起こす可能性もあります」と心理学者のブリックは述べる。

特にこのタイプの人は、周りがアドバイスしようとしても耳を貸さない傾向がある。「真の友情であれば、お互いに現実を共有します。毒友は、お互いに共有できない現実に相手を引き込みます。そこでは、毒友本人が決意しない限り、相手は行動することができません」とブリックは続ける。

5. 常に批判してくる

「それはすべきじゃない」、「そう言えばよかったのに」、「どうしてこうしないの?」...そんな発言の多くは親切なアドバイスのように見えて、実際には自信を失わせ、相手を貶める的外れな批判だ。

心理学者のブリックいわく、「一見そうでないように見えても不快なことが多いこうした指摘は、出しゃばり過ぎで決めつけ過ぎであり、有害です。こういった発言が続くと、その友人といても自由や幸せを感じられなくなり、自分の中に閉じこもる結果になってしまいます」

6. 判断されることが怖い

理由が何であれ、秘密を守ってくれないのではないかと不安で打ち明けにくかったり、相手にばかにされるのが怖かったり、弱音を吐くのが不安だったりするのは、毒友のサイン。相手から自分が尊重され、存在を認められ、理解されていると感じることが重要だ。

「友情には、確固とした真の信頼関係があります。これが壊れた瞬間、健全な関係ではなくなります。相手とのやりとりも同様で、話をするたびに相手から攻撃されたり、弱みを握られたりすると感じるなら、その友情は有益なものではありません」とブリックは言う。

7. 不快感

友人といても居心地が悪かったり、会った後にイライラしたり落ち込んだりするのは、その関係がもはや機能しておらず、有害であることを証明している。

「友情とは、本来、自由を感じさせてくれるもの。気分をアップさせ、いい気分になる助けとなるはずです。そうでなければ、どこかが間違っているということ。必ずしも精神的に察知するわけではありませんが、身体のどこかが、この関係が自分のためにならないことを教えてくれます。それに耳を傾けなければなりません」と心理学者のブリックは強調する。

8. 罪悪感

友情には、行動や精神の自由が不可欠。「相手に会わなければならないという義務感や、会わないことに罪悪感を感じる時は、注意が必要です。それは束縛の始まりです」とブリックは警告する。

健全な友情を築くためには、人は同じ速度で同じように成長するわけではないこと、時を経るに従って、噛み合わなくなる友情もあるということを受け入れていくことも大切だ。

(1)Marion Blique 『J’arrête les relations toxiques』,『J’arrête les croyances limitantes』 Eyrolles出版刊(2)ダニエル・ブランは、医学精神分析学会の会長でもある。

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