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夜中23時なのにアコギで大熱唱! 隣人の「生配信」ついにブチ切れた30代女性が取った行動とは

  • 2021.6.1
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コロナ禍で在宅時間が増えた中、問題となっているのが隣人同士の騒音トラブルです。東京郊外に引っ越した会社員のA子さんも、半年以上にわたって悩まされたひとり。その経緯と解決方法を聞きました。

コロナ禍で増加する隣人トラブル

新型コロナウイルス禍で加速度的に普及したテレワーク(在宅勤務)。政府は民間企業に対し「出勤者7割削減」を呼び掛けていて、東京都の調査では都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は56.6%(2021年4月時点)になりました。

実施率が最も高かった同年2月後半の64.8%よりは減少しているものの、同年に入って以降50%以上を維持しており、一定程度の定着を見せているといえそうです。

一方、在宅ワークが日常となると起こりやすいのが隣人同士の騒音トラブル。NHKの報道によると、初めての緊急事態宣言が発令された2020年4月、都内では過去5年間で最も多い1万7000件超(前年同月比38%増)もの通報が警視庁に寄せられたといいます。

テレワークで郊外へ引っ越したら

コロナ禍で東京郊外のマンションへ引っ越した30代会社員のA子さんも、隣室の騒音に半年以上悩まされたひとり。「私の場合は警察ではなく管理会社に苦情を入れましたが、一時期はほとんどノイローゼ状態になっていました」と、苦悶(くもん)の日々を振り返ります。

昼夜を問わず聞こえてくる隣人の歌声。A子さんに仕事に支障が……(画像:写真AC)

40代の夫とふたり暮らしのA子さん。お互いデスクワークが中心で、それぞれの勤務先が完全在宅ワークを導入したことから2020年9月に郊外のマンションへ引っ越しました。

それまで住んでいた2Kのアパートは、新宿駅まで急行で15分という利便性が気に入っていたものの、ふたり暮らしにはやや手狭。引っ越し先のマンションは70平方メートル近い間取りと以前より3万円以上も安い家賃、何より6階建てながら富士山まで眺望できる最上階という好条件に恵まれ、即入居を決めました。

隣人女性が甲高い声で生配信を

右隣の部屋からアコースティックギターの演奏音や女性の歌声が聞こえてくることに気づいたのは、引っ越して2週間もたたない頃でした。

「最初は音楽プレーヤーを再生しているのかな、と思っていたのですが、曲と曲の合間に『こんにちはー!』とか『××さん来てくれたのー!』という声も聞こえてきて、ああ、動画の生配信をしているのだなと気がつきました」(A子さん)

隣人は、A子さんが仕事用に使っている洋室と壁を挟んだ背中合わせの部屋で配信を行っている様子。朝・昼・夜と間断なくスケジュールが組まれているようで、聞くまいと思ってもどうしても耳に付き、仕事に集中できません。

「甲高い声というか金切り声というか。演奏も歌も正直、決して上手とはいえない感じでした。“投げ銭”をもらっているのか、『××さんありがとー!』『キャーうれしい、愛してるー!』というMCも……ちょっとキャバクラみたいなテンションでしたね」

コロナ禍で急増した騒音トラブル。東京郊外に引っ越したA子さんもそのひとりで……(画像:写真AC)

中森明菜、松田聖子、JUDY AND MARYに、PUFFY。やや時代を感じさせるレパートリーから、「シングルマザーしながら歌ってます!」というプライベートまで、知る気もない情報を次々に知ってしまう始末。

取引先との大事なウェブ会議に隣人の声が入ってしまわないかとハラハラする気持ちは、やがてイライラへと変化していきました。

「夫に相談したら『そんなに音が気になるなら、自分もBGMを掛けて気を紛らわしたらどうかな?』とアドバイスをくれたのですが、クラシックや環境音楽では隣の音はかき消せませんでした。かといってロックなどを流したら余計に集中できなくなってしまう。せっかく良い物件に入れたのにと、どんどんイライラがたまっていきました」

そしてついに、A子さんの怒りが爆発してしまう出来事が起こったのでした。

ついに怒りが爆発した夜23時過ぎ

春先の週末。その日も在宅での仕事を終え、夕食を済ませたA子さんと夫はそれぞれの部屋でのんびり過ごしていた夜でした。

相変わらず漏れ聞こえてくる配信の音。もうこの際、この女性のファンにでもなれば1日じゅう聞こえてくる歌声も喜ばしく思えるようになるのかもしれない……などと半ば本気で考えていた矢先のこと。

A子さんのスマートフォンが鳴り、仕事用チャットの受信を知らせました。勤務先の上司からです。A子さんのチームで作成し、すでに取引先に納品した資料に重大な誤りが発覚したため、すぐに修正版を作り直して共有クラウドに再アップするように。丁重な謝罪メールも併せて送ること、との指示でした。

一瞬頭が真っ白になりました。チームで何度もチェックして、ミスがないことを確認したはずの資料。相手は重要な大手取引先です。誰がいつどこでミスをし、なぜ見落としてしまったのか……。今すべきは“犯人捜し”ではないと分かっていても、混乱し、良からぬことを考えてしまいます。

夜23時過ぎ、何とか日付が変わる前に再納品しなくてはとノートパソコンを立ち上げたとき。

「ゲラップ・ゲラップ・ゲラップ・バーニンハーート!」「いえーい! ありがとーー!!」

壁の向こうから、ひときわ高い声が響き渡りました。往年のヒット曲、中森明菜さんの『DESIRE-情熱-』(1986年)のようでした。こっちは仕事で切羽詰まっているのに、なんでこんな真夜中に大声で歌ってるわけ――!? そのときA子さんは、自分でもまともな判断できないまま、自室の壁を思いきり殴り付けてしまったといいます。

ついに「壁パンチ」をしてしまったA子さん。「まずい」と思った次の瞬間……(画像:写真AC)

大人になってから行使した覚えのない強い腕力で、壁を数回、

バン! バン! バン! バン! バン!

あっどうしよう、やっちゃった……と思った次の瞬間、驚いた夫がA子さんの部屋に飛び込んできました。

夫に諭され、われに返った

「言い訳になってしまうんですが、あのときは本当にノイローゼ状態だったと思います。半年以上、毎日毎日、隣人の歌を聞かされていたので……。夫に『今すごい音がしたけど、どうしたの!? 大丈夫!?』と尋ねられて、自分のしたことを正直に話したら『住民の人に当たっては駄目だよ。こういうときのために管理会社があるのだから、週明けすぐに電話しよう』と諭されました」

隣人同士の騒音トラブルは、当事者になってみないと分からない辛さがある。そうA子さんは語ります。

「知人から以前、隣の家のテレビの大音量に悩まされて家を売却して引っ越した、という話を聞いたことがありました。そのときは『長く住んだ家を売ってまで?』と思ったのですが、自分自身の身に起きてみて初めて分かりました。自分の中ではあの時期、今にも殴り合いのケンカに発展するのではないかという切迫度合いでしたから」

騒音トラブルは、当事者になってみないと分からない辛さがある、とA子さんは語った(画像:写真AC)

結局、月曜日を待ってA子さん自身が管理会社に連絡を入れ、「楽器演奏や歌唱をするのは構わないが、せめて防音シートを張ってほしい。こちらは在宅ワークをしていて、仕事に支障をきたしている」旨を伝えました。

その後はときどき歌は聞こえるものの、かなり音量は小さくなり、仕事で困ることもほぼ無くなったといいます。あの夜ミスが発覚した資料は、週末に同僚と手分けをして修正し、取引先にも受け入れてもらえたといいます。

トラブル防止に欠かせないこと

それ以降、隣人とのトラブルはなく過ごせているのかと尋ねると、A子さんは「実は……」と切り出しました。

「ここ何日か、ベランダをつたって隣の家の猫がうちのベランダまで入ってくるんです。まだ小さい、生後3か月くらいの茶トラなんですが」

ただA子さんは、大の猫好き。ふん尿などの被害も今のところなく、むしろ「今日も来るかな?」とついベランダを確認しに行ってしまうのだとか。

隣の家の子猫が、A子さん宅のベランダに入ってくるというが……(画像:写真AC)

「もし、最初の“トラブル”が猫だったら、猫好き同士お隣さんと仲良くなれたかな、なんて思うんです。でも『壁パンチ』までしちゃった今となっては、顔を合わせるのも気まずくて。もっと早くにあいさつをして、お互いきちんと知り合っておけば、こんなことにならなかったかもしれないと少し後悔しています」

※ ※ ※

壁を挟んですぐ隣にいるのに、ほとんど素性を知らない者同士が暮らす東京の集合住宅。

大きなトラブルを避けるために重要なのは、引っ越したらすぐ隣室にあいさつに行き、お互いある程度は打ち解け合っておくことなのかもしれません。

※記事の内容は、関係者のプライバシーに配慮し一部編集、加工しています。

山嵐冬子(ライター)

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