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80年代好きライターの純喫茶巡りVol.7 平井「ワンモア」の絶品レモン・フレンチトースト

  • 2021.5.30
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昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を80s好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.7はコーヒーにぴったりのフード&スイーツが並ぶ喫茶店の鑑「ワンモア」へ。

前回訪れたのは大森「ルアン」

平井「ワンモア」

平井の「ワンモア」は喫茶店好きにはいまや聖地と化しているが、それもそのはず、コーヒーにぴったりのフード&スイーツがどれも清く正しく美しく盛り付けられ、文字通りスイートスポットのド真ん中にヒット。実に美味いのだ。フォトジェニックなんて言葉が一般化する前からずっとそのまま。喫茶店の理想像とも言えるメニューが並ぶ。

塩を少しだけ振りかけるとおいしさ倍増のミックスサンドと生絞りのオレンジジュース。

フレンチトーストはフカフカのパンにレモン汁が足されているので、絞るまでもなく一口食べるだけで頬が落ちる。

マスターは戦後渋谷で人気を博した喫茶店「マウンテン」で修行したのちに「ワンモア」を開いた。「渋谷から代々木にかけては当時ワシントンハイツと呼ばれた米軍ハウスがあり、近くの町ではコンビーフやパイナップル缶、マヨネーズなどハイカラな食材が手に入ったんです。それを使って『マウンテン』では他店で味わえない喫茶店フードを出していました。それが『ワンモア』にも引き継がれていて、1971年の開店からメニューはそのまま。でもフレンチトーストにレモンを乗せるのはウチのオリジナル。柑橘の酸味と卵は不思議と合いますから。最初はレモンを乗せただけだったんですが、そのうちお客さんがナイフとフォークを使ってレモンを絞るのを見て、テーブルにお出しする前にも多めにレモン汁をかけるようになった。それが美味しさの秘密かもしれません」


コーヒーは自家焙煎の深煎り。ズシンと迫力のある味は昔からブレていない。

「他のお店はスパゲティを出したりしているけど、ウチはサンドイッチとパンケーキ、フレンチトースト。コーヒーに本当に合うメニューしか出しません。それも私のこだわりなんです」

クリームソーダは「ワンモア」のアイコニックなメニュー。SNSでも人気だ。

2~5月限定のイチゴの生フルーツジュース。次はまた来年の春に。

もちろんコーヒー以外のドリンクもオンメニュー。ブルーハワイにヒントを得たという青いクリームソーダの限りなく透明に近いブルーは、訪れるたびについつい撮りたくなる。イチゴなど季節のフルーツをたっぷり使った生ジュースも贅沢な味わい。

レジの上にはOne moreと書かれたランプシェードが。

入り口脇のレトロかわいいテーブルとグリーンのシート。

アットホームな店内は、下町ならではのにぎやかさが耳心地いい。

店名の書体も当時のドラマのタイトルバックのよう。

丸くて愛らしい赤い看板は、人気撮影ポイントの一つ。

内装も王道の喫茶店ワールド。初めてなのに思い出のような店内。ガラス越しに光がたっぷりと入り、お店のスタッフの会話が実家のような心地良さを醸し出す。ゆっくりした時の流れと下町の楽しさの両方を感じることができるはず。

この店の帰り道に聴きたい80年代の名曲

『私を忘れる頃』
松任谷由実

今回の80年代ソングは、松任谷由実の『私を忘れる頃』。『VOYEGER』というアルバムの中の作品だが、水をイメージしたブルー系のジャケット写真で、特にこの曲は水中を漂うような心地良さがある。水色のクリームソーダを飲みながら、すぐ次の『時をかける少女』まで聴けば、生音とシンセの組み合わせが瑞々しい80年代へタイムトラベル。

水原空気のひとこと

銅板で焼かれたモチモチしっとりのホットケーキは、懐かしい味に涙がホロリと落ちそうに。

友達とシェアしてフレンチトーストと共に味わうもよし。何度も通って食べつくしてほしい。


いつもは一人で喫茶店に行く水原ですが、友達とシェアすればホットケーキ&フレンチトーストといった一粒で2度おいしいカスタムもできますよ(取り分けはご自身で)。両方の食べ比べもまた良し。ワシントンハイツは1964年の東京五輪の際に選手村として正式に日本に返還された場所。そのハイカラな雰囲気は今も代々木公園から奥渋谷エリアに受け継がれています。平井で渋谷の歴史に想いを馳せるのも一興。

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