夏を心地よく迎えるリビング&テーブルフラワー~気高く香る最旬のユリと、夏のダリアとクルクマ〜

夏至も過ぎて、早いもので一年も折り返し。
梅雨はまだしばらく続くでしょうけれど、時折見せる眩しい陽射しに夏の足音を感じます。

花屋さんでは、ヒマワリがもりもり、トロピカルムードの花やグリーン、夏の高原を思わせる爽やかな花も増えてどんどん"夏化"していますが、この季節に最も存在感ある美しき花は「ユリ」。狂おしさと安らぎをあわせもつ特別な花。
暑く湿った空気に溶ける誘うような香りは夏を予感させ、濃い緑の葉にも野生の艶が宿り、これから7月にかけて最旬を迎えます。

今日ご紹介する2種のユリは、どちらも「オリエンタル・ハイブリッド系」というユリの系統の中でも一際華やかな品種たち。なかでも最初にご紹介する純白・大輪の「カサブランカ」はまさに「ユリの女王」。その花姿には威厳さえ感じる故少々敷居が高いような......贈答のお花のイメージでなかなか自分のために手に取ることはないかもしれませんね。80年代後半から90年代初めにかけて(バブル期ですね......)一世を風靡した「カサブランカ」は、ゴージャスな花の代名詞としてとても知名度が高い花です。

そんな「カサブランカ」ですが、実は日本の山野に自生するヤマユリやカノコユリなど原種数種を交配した品種であるということはあまり知られていません。現在流通するユリは100品種以上あるそうですが、19世紀に植物学者のシーボルト博士が日本の原種をヨーロッパに持ち帰って以来、園芸品種の改良が進んだとのこと、日本古来のユリが近代のユリの世界を作ったといっても過言ではないでしょう。

カサブランカには甘く強い芳香があることから、食事の席やお見舞いなどには敬遠されています。たしかにあまり至近距離や閉鎖された狭い空間には不向きかもしれませんが、広めのリビングや玄関など風通しが良い場所でしたら不快に感じるようなことはありません。カサブランカの濃密な香りを解き放つ、リラックスした花あしらいをご紹介しましょう。

冒頭の左画像のように、リビングのコーヒーテーブルや部屋のコーナーに、夏の木漏れ日を感じる「ドウダンツツジ」を一枝と、うつむき咲くカサブランカをガラスの花器にざっくりと活けてみれば、爽やかな夏を招き入れる空間に変身! 純白の花と濃い緑の葉のコントラストも魅力、ユリならではの立ち姿の美しさをぜひ楽しんでいただきたいと思います。

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【Summer Lily Arrangement】

<材料>
ドウダンツツジの枝 1本
ユリ・カサブランカ 2本

大きめの花器1点(画像のガラス花器は高さ40cm、直径14cm)
切花栄養剤(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1. ガラスの花器の8分目まで水を入れ、切花栄養剤を分量どおり入れます。

2. カサブランカの下葉は取り除き、咲いている花が隠れてしまう部分の葉も取り除きます。茎はできるだけ斜めにカットします。

3. ドウダンツツジの枝の足元も斜めに切り、切り口の中央にもハサミを縦に入れて水が揚がりやすいようにします。

4. まず、ドウダンツツジの枝を立て、次にカサブランカを1本ずつ活けます。花器の縁を利用して立てかけるようにします。咲いている花が、真正面ではなくやや左右どちらかに触れていた方がナチュラルな印象になります。

◆ケアの仕方◆
水は2日に一回ぐらいは替えることをおすすめします。花は乾燥が苦手ですので、なるべくエアコンの風が直接当たらない場所の方がベターですし、ときどき霧吹きなどしてあげるのもよいでしょう。そうすることでドウダンツツジは1ヶ月近く楽しめます。ユリは、下の方の蕾から咲いていきますので、花が終わっていくに従い、茎を短く切り戻し、余分な葉も取って、切花栄養剤の栄養分が蕾までいくようにケアしてあげると、最後の蕾まで咲いてくれます。花粉が気になる場合は、蕾の咲き始めの時にすぐ、赤い雄しべの部分を手かピンセットで取り除きましょう。

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ユリといえば花粉問題ですが......
ユリの花粉が洋服などにつくと大変! ということはよくご存じですよね!? 濡れ布巾などでこすって拭き取ろうとすると、かえって黄色いシミになってしまいます。もし洋服などについてしまった場合は、ガムテープやセロハンテープなどで、ちょんちょんと軽くおさえて花粉を取り除くのが良い方法です。白い花びらに花粉が赤くついてしまった場合も同じように取り除きましょう。

カサブランカでも、赤い花粉がついた状態の方が、より野性的なユリ本来の魅力があって素敵だなあと思ってしまいます......ヨーロッパのフローリストたちはユリの雄しべを取り除くことをほとんどしません。汚れる前に取ってしまおうというのは、日本人ならではの神経質さゆえかもしれないですね。実際花粉が服に付こうものならギャーとなりますので、私も日本人です(笑)。

ユリもバックストーリーが多い花で、ご紹介したいお話がたくさんあるのですが......もう1品種だけご紹介します。カサブランカと同じオリエンタル・ハイブリット系には、20年来人気がある「ルレーブ」「マルコポーロ」「ソルボンヌ」といったピンク系の名花がたくさんあります。そんな中、2010年ごろから話題の品種が上の画像の「ニンフ」というユリ。

「ニンフ」とは、ギリシャ神話に登場する美しい女性の姿をした精霊の名前、まさに"香りの妖精"、というネーミング。クリーム色にブラシでさっと紅色をのせたような花色も珍しく、何よりもパウダリーな爽やかな芳香が人気です。

海外のインテリア雑誌などで、長いユリを一本さらっと活けてある雰囲気が素敵だなーと思っていつも眺めていたのですが、そんなイメージでニンフを一本テーブルの上に。食卓にもOKなマイルドな香りなので、もし花屋さんで出会えたらぜひ試してみてくださいね♪ 旬の今はお買い得! ユリを飾るチャンスです。


さて次は、夏に美味しいエスニック料理に似合いそうなテーブルフラワーをご紹介しましょう。

湿度の高い亜熱帯の空気に似合うのは、アジアンリゾートの風をはらんだ南国の花やグリーン。
今回は東南アジア原産の「クルクマ」をチョイスしました。ほっそりした茎にユニークな苞、初めて見る方は「これは何の花?」ときっと思いますよね。葉を見るとなるほどと思いますが、クルクマは生姜やウコンの仲間なのです!

ピンク、白、グリーン、大輪のもの、アレンジに使用しているような小輪のものと種類もいろいろ出回り、暑さにも強い花で日持ちがよく、夏の間私たちを楽しませてくれる花です。もともと熱帯アジアに自生している植物ですが、日本では福岡県糸島など温暖な地域で生産されています。夏の花贈りにも喜ばれますが、ぜひご自宅でも楽しんでいただきたい花♪ 7月に入れば花屋さんに豊富に並びますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

クルクマは、かわいらしさの中にどこかスタイリッシュな表情もあって、まさにアジアンビューティー。
あわせる「ダリア」の旬は秋になりますが、ちょうど今ごろから咲き始めます。色鮮やかな夏のダリアとともにクルクマをあしらってみましょう。季節のフルーツなど一緒に飾れば、アジアンリゾートのウェルカムフラワーの雰囲気に。気分はもうバカンスですね~!

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【クルクマとダリアのアジアンなテーブルアレンジ】

<材料>
クルクマ(小輪系)3本
ダリア・ミッチャン(ポンポン咲き) 1本
シンゴニウム・チョコレート(葉) 2枚 ※アンスリウムの葉でもOK
利休草1本

アジアンテイストな籠1点 (画像の籠は幅20cm、高さ12cm)
中に水を入れるグラスなど1点
切花栄養剤(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

1. グラスに水を入れ、切花栄養剤を適量入れます。籠の中の左側にグラスをセットします。

2. シンゴニウムの葉を2枚、葉の先端が右側にくるように、前後にやや重ねて挿します。

3. ダリアの花を正面に、やや後ろ側に入れます。花が重たくてぐらぐらする場合は、あとから入れるクルクマで支えます。

4. クルクマ3本を活けます。1輪1輪の表情を見て、花が最も美しく見える角度で入れましょう。上から見ると三角形になるように配置するとバランスが良くなります。

5. 最後に利休草の蔓を飛ばして、出来上がり! 写真はブドウをあわせていますが、ライムやマンゴー、プラムなどでも素敵だと思います。

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クルクマやダリアには、南国の「ラン」もとてもよく似合います。これからランも美しいシーズンですし、何より花持ちが抜群ですので、これからの季節に家で楽しむにはぴったりのお花! あわせてご参考くださいね♪

(画像左:ダリアとラン「エンシクリア」/画像右:グリーンのクルクマとラン「バンダ」)


●Lily et cetera〜ユリのお話の続き

キリスト教の世界では、ユリは聖母マリアの花であり、母性と純潔の象徴。そのいわれまでも美しい花です。

「受胎告知」がテーマの絵画では、大天使ガブリエルが聖母マリアに捧げるユリ「マドンナ・リリー」が必ず描かれています。かのレオナルド・ダ・ヴィンチが20歳の時に描いたデビュー作とも言われる『受胎告知』にも、マドンナ・リリーが!

古代から中世は、ヨーロッパにおける白ユリといえば「マドンナ・リリー」でしたが、19世紀に日本から「テッポウユリ」(下の画像)が渡来すると、すっかり取って変わってしまうほど、キリスト教の宗教儀式で人気を博したそうです。

テッポウユリは真夜中になると、瑞々しくフルーティな柑橘系の爽やかな香りが強まります。これは他のユリにはないとても珍しい香りだそうです。夜になると香りが濃密になるなんて......なんだかいろいろ想像しちゃいます(笑)。清楚と魔性が共存するテッポウユリ、これから再び人気が出そうな予感がします。

ユリの最新トレンドという意味では、八重咲きの品種が増えてきていることでしょうか。花の大きさはスカシユリぐらいのサイズで、八重咲きのため花姿に立体感があるため、従来の咲くと平らになってしまうユリよりも他の花とコーディネートしやすい、という点が人気の理由のようです。

というわけで......ユリのお話は尽きませんが、もっとユリについて知りたい! という方におすすめのサイトがあります。ユリの大生産地、埼玉県深谷や新潟県魚沼の生産者さんの動画など、楽しいコンテンツがたくさん! ぜひご覧になってくださいね!

ユリの話題満載のサイト
「リリー・プロモーション・ジャパン」
http://www.lily-promotion.jp/

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提供元: madame FIGARO.jpの記事一覧はこちら

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