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6月の誕生石、パール。時代を超えて愛されるその魅力を映画で紐解きます。(Airi Nakano)

  • 2015.6.26
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6月の誕生石、パール。その無垢なホワイトの輝きは、時代を超えて世界中の女性たちに愛されてきました。今日はそんなパールの魅力を、異なる時代を舞台にした名作とともに紐解いてみたいと思います。

『アンナ・カレーニナ』1870年代のロシアを舞台に描かれる美しい悲恋の物語。

第85回アカデミー賞で、衣裳デザイン賞を含む4部門にノミネートされたキーラ・ナイトレイ主演の『アンナ・カレーニナ』ロシアの文豪、トルストイの小説の映画化ということで、結末が分かっていながらもどんどん引き込まれ、その後も長く私の記憶に残っている映画の一つです。まるで舞台のようなドラマチックな演出、印象的なカメラワーク、瀟洒なセット、そして華麗な衣裳の数々で織りなされる映像美は圧巻。取り分け既婚でありながらも年下の男性をも虜にする美貌のアンナ・カレーニナのドレス姿は必見です。アーロン・テイラー=ジョンソン扮する若き将校、ヴロンスキーとの近まる距離を感じさせるこのシーンでは、色香が漂うボルドーのサテンドレスを、幾重にも巻かれたパールのネックレスでエレガントに昇華した装いを披露。内に秘めた“女性”としての本能の目覚めと、淑女としての高貴な自尊心を同時に感じさせます。そんな彼女の装いを見ながら、艶やかさと気品を兼ね備えたパールの2面性が女性たちを惹き付けているのかもしれない、と感じました。

映画初主演で話題のカーラ・デルビーニュの女優デビュー作でもある本作品。是非一度ご覧になってみてください。

『シャネル&ストラヴィンスキー』 1920年代 、激しく熱い恋に落ちたココ・シャネルをモードに描く。

宝石の中でも、最もパールを愛したと言われるココ・シャネル。彼女をモデルにした映画には必ずと言っていいほど登場するのですが、歴史に名を残す名作曲家、ストラヴィンスキーとの恋に焦点を当てた映画『シャネル&ストラヴィンスキー』でも例に漏れず、モードなパールづかいが光ります。モノトーンのドレスにゆったりとウエストラインほどまであるネックレスを垂らす。ただそれだけなのに、ドレスに豊かな表情を添えることの出来る存在感もまたパールの魅力の一つ。同じ白のドレスにも決して同化せず、かといって主張しすぎることもなく、静謐な強さを放つその姿をシャネルが愛したというのも、思えば自然なことのような気がします。因みにこの映画はファッションはもちろん、インテリアもこの上なくお洒落で参考になります。(インテリアについてはこちらをご覧ください!)

『ティファニーで朝食を』 1960年代を代表する、かの有名なシーンは、後ろ姿までも美しい。

有名すぎるほど有名なこのシーン。もう幾度となく目にしたことがおありかと思いますが、やはりパールといえばこの作品を思い出さずにはいられません。名曲ムーンリバーをBGMに、オードリーがクロワッサンをほおばりながらティファニーの前を歩くこのオープニングだけで、その世界観に引き込まれてしまう映画『ティファニーで朝食を』もちろん正面から映した姿が魅惑的なことは言わずもがなですが、今回注目したいのはその後ろ姿。流麗なパールのラインと、それに呼応するかのように美しくカッティングされたGIVENCHYのブラックドレス。そして、オードリーの無駄の無い背中のライン。こんなにも魅力的で、完成された後ろ姿を目にする機会はそうそうないかと思います。粒ぞろいのパールは、前から見ても後ろから見ても変わらず、美しい。そんなパールの魅力に改めて気付かされました。

『ダークナイト・ライジング』 21世紀版、セクシーなキャットウーマンに目を奪われます。

アン・ハサウェイがクールでセクシーなキャットウーマンを演じて話題になった『ダークナイト ライジング』クリスチャン・ベイル扮するブルース・ウェイン(バットマン)の母親の形見であるパールのネックレスをキャットウーマンが盗んだことにより、物語は動き始めます。盗んだ後に逃走したキャットウーマンとブルースの再会のシーンが、こちらの仮面舞踏会。ブラックのタイトドレスに真っ赤な爪。そしてレースの仮面に猫耳、極めつけは陶器のような白い胸もとに映える盗んだパールのネックレス。“色気”を絵に描いたような彼女の姿に虜にならない人はいないはず。今も昔も、ブラック×ホワイトパールは女性の魅力を引き出す、シンプルでありながらもエレガントな究極の組み合わせだ再確認しました。

参照元:VOGUE JAPAN

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