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女性の貧困はどうやって抜け出す?【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2021.5.22
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コロナ禍の影響で仕事を失った人もいるかと思います。仕事はあるにはあるけど、でもシフトを大幅に減らされて、どう生活すればいいのかわからない人もいると思います。

今回は、女性の貧困について、一緒に見ていきたいと思います。

大きな声で語られることのない「失業者」

公的機関が発表する「失業者」の定義はわりと非現実的なんだそうです。

たとえば、派遣社員で、毎日出勤していた人が、出勤回数を大幅に減らされて月に2回の出勤になってしまった、収入もそれに比例して激減した、というようなケースは、公にはほとんど語られていません。「完全」なる失業者ではないから。

加えて、そういう「仕事がないわけではない人」は、公的な助成金の対象になりづらいという現実もあるそうです。

むろん、このことは、女性のみなならず、男性にも当てはまります。

男性で派遣社員の人だって大勢いますが、男性も女性同様、「みなし失業者」としてつらい思いをしている人が大勢います。

また、直接的に「解雇」や「シフト減らし」にあわなくとも、たとえば、コロナ禍の影響で学校が休校になり、子の面倒を見るために仕事に行けなくなった人たちも、「実質的には」失業状態にあるのではないかと思います。

専門知識のある人にネットで相談すること

そのような人たちに対して、よく言われるのは、NPO法人など、ボランティア的に女性の貧困と向き合っている組織に相談する、ということです。

というのも、女性の貧困に対して、国はなんらかの対策をとっていますが、制度が複雑であり、かつ、その制度そのものの存在をアナウンスしきれていないので、知らない人が多いのだそうです。

たしかに、国って、お金を払うこと(税金を支払うとか、年金を支払うとか)に関しては、「ものすごくよく」周知しますが、それに比べてもらうほう(助成金をもらうとか、生活保護をもらうとか)、そういったもらうことについては、すごく不親切だから!

このことは、自分で会社をやるとよくわかります。

法人を対象とした公的な助成金や借入金の種類は複数ありますが、それらは会計士など専門の「先生」じゃないと、把握しきれません。そのうえ、実際に借りるとなると、「先生」に書類の作成をお願いしないと、ホントむずかしいのです。

もっとも大切なこと

それから、自分のせいで貧困に陥ったと、自分を責めないこと――このことがもっとも大切です。

というのも、派遣社員という働き方を激増させたのは、政府のせいであり、あなたのせいではないからです。

社員の採用において、新卒至上主義にして、実力ある中途採用者をあまり雇わないのも、あなたが決めたことではありませんね。どこかで、誰かおじさんたちがきっと決めたのです。

つまり、あなたの勝手知らないところで、赤の他人が決めた制度によって、あなたは貧困に陥っているのであって、あなたの実力が、とか、あなたの学歴が、とか、そういうのは一切関係ないのです。

だから、貧困に陥ったとき、自分を責めるのは、まちがったことだし、しなくていいことなのです。

コロナ禍においてわたしたちが学ぶべきこと

コロナ禍においてわたしたちが学ぶべきことは、希望の生み出し方です。

具体的には、まず、どこに相談したら助成金を得やすくなるのか、という「具体的な相談相手」の居場所を知ること。

次に、それなりに生活費を得られて、生活を立て直すことができたなら、自分の場合は、なにがあれば希望を胸に生きて生きやすいのかを知ることです。

インスタ映えのする月50万円ないと暮らせないような暮らしじゃないと希望を持てないのか、月15万円のつつましい生活、かつ、時間にあまり拘束されない生活のほうが、幸せを感じやすいのか?

自分の場合はどうなのか、よく考えてみてください。

そしたら、「べつに派遣社員じゃなくてもいいし」と思えるかもしれません。近所の仲のいい人たちとお弁当屋をしたほうが楽しいし、それくらいの収入のほうが生きがいを感じる――たとえばこんなふうに「自分の」幸せに関して答え(のようなもの)を得ることができれば、コロナ禍を善く生きていると言えるのではないでしょうか。

(ひとみしょう/作家・日本自殺予防学会会員)

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