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その魅力に秘密あり。ディズニー・コスチュームのこだわりを解き明かす

  • 2021.5.16

「魅力的なキャラクターは、シルエットで見てもそのキャラだとわかるデザインをしている」とはよくいうが、世界中の老若男女をとりこにするディズニー作品の登場人物たちも、その条件を満たしている。「アラジン」「美女と野獣」「シンデレラ」……彼らの魅力を損なうことなく、多くのアニメーション作品を違和感なく実写化に成功しているのも素晴らしい。アイコニックなキャラクターたちをいかにして現実に近づけるのか、その秘密を解き明かす書籍「ディズニー・コスチューム大全」がついに日本でも発売。細部にまでいたるこだわりを知れば、いっそうイマジネーションが刺激されそうだ。

意外なことに、実写ディズニー映画の衣装デザインについてはこれまでほとんど取り上げられたことがない。衣装デザイナーたちが一着一着に注ぎこんだ想像力や情熱、細部への気遣いは、そう簡単には解説できるものではなかった、ともいえるだろう。本作「ディズニー・コスチューム大全」は、キャラクターを印象づける重要な要素である衣装を体系的に解説した待望の1冊。1985年の「オズ」から2019年の「アラジン」まで、56キャラクターの衣装を紹介している。女の子なら誰もが憧れたプリンセス、妖しくも魅力的なヴィランたち……撮影で実際に使われた衣装のディテール写真やデザイン画など、多数の図版は眺めているだけでもうっとり。さらに、デザイナーへのインタビューを通じて明らかにされるそのクリエイティビティには感嘆。「生きた人物」としてキャラクターを表現するための、徹底したこだわりが伺える。

実写映画作品だけでなく、アニメーションやテレビ番組、パークのキャスト衣装にもスポットをあて、ディズニーの衣装の歴史をひもといているのも興味深い。1940年公開のアニメーション作品である「ピノキオ」では、生身のモデルの演技を参考に作画されているのだが、その際に着用した衣装の写真は映画史から見ても非常に貴重な資料だ。

「衣装」を通して、現代まで連綿と受け継がれるディズニーのクリエイティビティを感じられる一冊。ディズニーファンのみならず、映画ファンやファッション愛好家も必読の内容だ。

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