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Mattさん「続けていたらある時、僕を見る目が変わった。僕の強みはマイナスをプラスにできること」

  • 2021.5.12
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「家族」を超えた関係性

――まず、お母様の本が出ると決まったとき、どう思いましたか?

Mattさん(以下、Matt): 今までは父と僕の話を発信してきたので、母との話を発信できることがすごくうれしかったです。子どものころから今に至るまで、母とは本当によく話をしてきたので、この本で語られているエピソードの中で、僕が知らないことはあまりなかったけど、「このとき、母はこういう風に思っていたんだな」と懐かしい気持ちになりました。初心に戻れた感覚です。

――お母様との強い結びつきを感じました。実際はどのような関係ですか?

Matt: 親友、姉弟、ルームメイト……ソウルメイト(笑)。いわゆる“母親”という感じではなく、状況によって変わるのかな。今はマネージャーとして一緒に仕事をしているし、事務所の社長でもあるので、ほかの家庭にはない関係なのかもしれません。悩みや「こうしたい」ということはちゃんと伝えて話し合っています。話していないことの方が少ないかも。

――反抗期はなかったそうですね。

Matt: 今が最大の反抗期だと思います(笑)。……ってふざけられるくらい、反抗期はなかったです。周りからはマザコンと言われていましたが、僕と周りの“普通”は合わないと小さい頃から思っていたので。僕にとっては、母も父も兄も、みんな自慢できる存在です。

朝日新聞telling,(テリング)

――お兄様やお父様とは、いかがですか?

Matt: 兄は、親友みたいな感じです。彼の車で一緒に大学に行ったり、お昼を一緒に食べたりもしました。ビジュアルが似ていないので、周りからは兄弟じゃなく、友達に間違われていましたね。やっていることも趣味も全然違うし……。僕は美白をしているけれど、兄はスポーツをバリバリやって日焼けしていますしね(笑)。本当に真逆。兄ではあるけれど、またちょっと違う存在というか。

父は、表に出る存在として、同志、同僚、先輩、みたいな感じかな。個人事務所の“2人の所属タレント”として、いっしょに事務所を盛り上げているというか……。威厳ある親父的存在ではなくて、周りから見ても「本当に親子なの?」と感じるかもしれません。本当に尊敬しているので、言葉では言い表せない関係ですね。

――桑田家は、「家族」というひと言ではくくれないですね。

Matt: 僕を見ている人は、多分「どうやったら、こういう人間つまりMattが育つの?」って感じますよね(笑)。でも僕、意外と普通に育ってきているんです。中学までは公立でしたし、部活動もしていたし、当時は美容も興味なかったし。昔から今みたいにファンタジーだったわけではなく、普通に学生生活を送った上で、今のMattができているんです。高校はすごく厳しくて、怒鳴られたこともありました。それまで怒られるという経験をあまりしていなかったので、体がびっくりしちゃって(笑)。高校に入ったことで「ちゃんとしなきゃ」って思うようになりましたし、常識を学びました。父が「常識を疑え」(編集部注:『桑田真澄の常識を疑え!』2015年 主婦の友社)と発信していたから、常識を知った上で疑い始めて……その結果、疑い過ぎてこうなっちゃいました(笑)。

朝日新聞telling,(テリング)

誹謗中傷する人に幸せになってほしい

――Mattさんが芸能界デビューした当初(2017年)は、かなり誹謗中傷がありましたよね。それまで普通に育ってきたMattさんがつらい時期を乗り越えられたのは、なぜでしょうか?

Matt: デビュー前から否定的な言葉はたくさん受けてきているんです。“女の子っぽい”男の子が差別的な言葉で傷付くことはよくあると思うのですが、僕の場合は「桑田真澄の息子なのに」という言葉もついてくる。ダブルでぶつけられると、メンタルをやられてしまいますよね。でも僕は、両親がありのままの僕を受け入れてくれていたので、外ではずっとそこに立ち向かってこれたし、人に優しくしてきたので……そういう経験をしてきたからこそ、不特定多数の人に誹謗中傷されても引きずらないんです。逆に僕は、その人たちに幸せになってほしいと思ってます。みんなが幸せになれば他人への誹謗中傷は少なくなると思っているし、気持ちを覆すにはどうしたらいいかを考えることにワクワクしています。

――デビュー当初から一変、最近はMattさんを支持する方も増えていますよね。

Matt: 流れが変わった時期をすごく覚えていて。きっかけは “加工”なんです。父もよく「継続することで変わる」と言うのですが、僕もそう思います。何年も続けるのは、簡単そうに見えてすごく大変。個性が潰されることもある中で、僕はひとつも変えたくなかった。発信を続けたら、デビュー3年目に差し掛かるくらいで流れが変わってきて。現場でごいっしょする方々からの見られ方も、「この子、ちょっとイタいな」という扱いだったのが、徐々に「いっしょに写真撮って、加工してほしい」に変わってきて。以前は、写真加工はマイナスなものだったから、本当は加工していても隠していましたよね。でも僕の場合はオープンになっていて、むしろ加工の仕方を教えたり(笑)。マイナスをプラスにできたことは、僕の強みだなと思います。ネットニュースの書かれ方も、「桑田真澄の次男・Mattが」だったのが、段々と「Mattが」に代わってきて、ずっとやりたかった音楽にも挑戦できました。

――芸能界に入ることは、昔から意識していたのでしょうか?

Matt: まったく意識していませんでした。デビュー前からブライダルモデルをやっていたので人前には出ていましたが、桑田真澄の息子ということも言っていなかったし、ランウェイを歩いていても反応がありませんでした。でも続けていたら少しずつ、声援の声量が上がっていくのを実感して。ランウェイを歩くことで1年間の結果を確認できて、「ここまで来たんだ!」と思えるようになりました。まだまだ否定的なことも言われるけれど、応援してくれる人がいるので、そこに応えていきたいです。

何をやってもブレないのは、音楽という目標があるから

――Mattさんとお話していると、外見だけでなく内側の美しさを感じます。Mattさんにとって「美しさ」とは?

Matt: 見た目で大切にしてるのは“清潔感”、内面は“品の良さ”です。母や祖母も「品よく、上品に生きなさい」と言います。僕も他人の悪口とか下品なことは好きではないし、誰かが傷付くのがすごく嫌なんです。だから、“上品に生きる”ことを大切にしています。

――Mattさんからは、何にでも打ち勝てるような自信が伝わってきます。自信を失ってしまうことはありませんか?

Matt: 常に目標や夢があるので、自信を失うことはあまりないですね。やりたいことがあり過ぎて、「どこから攻めよう」と迷うことはありますが(笑)。やりたいことを書き出して「ここから進めよう」と順番を変えてみたこともあります。例えば、音楽をやりたかったけれど、美容で注目していただいたから、まずそこに特化してみよう、とか。でもその先には音楽という目標があるから、僕はブレないんです。

朝日新聞telling,(テリング)

――Mattさんの5年後(31歳)までの目標を教えてください。

Matt: 音楽と美容は絶対に続けていきたいものだから、そこはブレません。その上で、結婚して子どもがいたらいいな。コロナ感染拡大が落ち着いたら、音楽活動の拠点を海外に移したい。今、特に惹かれるのはフランスです。自然や美しいものに囲まれたおうちに住んでみたいですね。僕を知らない人たちのところで「どう生きられるか」を試したいとも思っていて。人間力や生きる術をもっと身につけたいと思っています。

――20代後半から30代前半はライフイベントの変化も多く、モヤモヤした気持ちを抱えがちです。Mattさんから読者へアドバイスはありますか?

Matt: 常に自分の心に「やりたいこと」を聞いてあげてください。夢や目標を持っていたほうが断然楽しくなります。 そして、それを叶えていくことが大切だと思うので、夢見る気持ちを殺して生きることはしないで、ちゃんと言葉に出して、ひとつひとつ叶えてほしいですね。あと、もっと自分に自信を持つべきです。自信があれば前に進めるし、人前に出ていくこともできます。自分に自信を持って、生きてください。自信を持てない時は、僕のことを思い出してくれたらうれしいです。

朝日新聞telling,(テリング)

■Matt(マット)さんのプロフィール
1994年7月18日生まれ。東京都出身。大学でピアノ、サックス、作曲を学ぶ傍ら、ブライダルモデルとしても活躍。唯一無二の美意識を武器に、“Matt化”という新たな価値観を生み出す。現在は歌手・作詞作曲・タレント・モデル・レタッチャーメイクアップ・ブライダルタキシード&和装デザイナーなど、様々な分野でアーティストとして活動している。

■堀越愛のプロフィール
フリーランス。メインの仕事は、ライター&広告ディレクション。ひとり旅とラジオとお笑いが好き。元・観光広告代理店の営業。宮城県出身、東京都在住。

■齋藤大輔のプロフィール
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。

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