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営業の鬼鉄則!5秒で動け、行動しないことには成功も幸福もない

  • 2021.5.8
営業マンとして成功するには…?
営業マンとして成功するには…?

この記事を読んでいる皆さま、営業活動をしたことがありますか。営業は面白い仕事ですが、断られることが多く、「断られてからが営業の仕事」という言葉もあるくらいです。最近では、大学生の就職活動において、「営業は人気がない」というデータもあります。しかし、満たされていないものや足りないものに対して不満を持つのではなく、自分が前進していくエネルギーに変えなければなりません。

今回は、東証1部に上場する株式会社サニーサイドアップ創業者で、一般社団法人おせっかい協会会長の高橋恵(たかはし・めぐみ)さんに「営業活動のヒント」について伺います。近著に「営業の神さまが笑うとき」(秀和システム)があります。

ぐずぐずしているうちにチャンスは遠のく

あなたは今、5秒で動いていますか? 「え! 訳も分からず動くなんて非効率でしょ?」「失敗しないように戦略を練ってからでなくちゃ」「今はZoomもあるし、いちいち会いに行かなくても大丈夫」。このように考える人がいます。それは間違っていると断言しておきます。

「とあるイベントで、1人の若い女性が私のそばにやってきました。新卒で入ったメーカーでルートセールスの仕事をしていて、もうすぐ30歳になるけれど、いまだに仕事がつまらない。生活は安定しているものの、私でなくてはできないという仕事ではない。自分にしかできないような営業がやってみたい…だから、恵さんの話が聞きたいというのです」(高橋さん)

「『いつにしますか? 平日は仕事なので、来週の土日なら大丈夫なんですが、恵さんのご都合は?』。そんな彼女に私はこう言いました。『来週? 出勤前の時間があるでしょ? 明日の朝7時、うちにいらっしゃい』『明日の7時? そんなにすぐ。しかも、そんな早朝にうかがって大丈夫なんですか?』『来週までの1週間がムダじゃない(笑)すぐいらっしゃいよ』」

彼女は「これが“すぐ動いてみる”ということか!」と実感できたそうです。この女性はベンツのディーラーに転職し、入社1年目で全国4位のトップ営業になります。

「私が魔法のようなテクニックを教えたわけではありません。彼女だって、ごく普通のお嬢さんでした。『営業はあれこれ考え込むより“言ってみる、行ってみる、やってみる”がすべて』という私の言葉を、ただ素直に実践しただけです。社会人でも学生さんでも、動いている人が減っています。頭で考えてばかりでは何も変わらないし、もちろん、モノだって売れません」

人の心を溶かすために必要なこと

ここに2人の営業さんがいます。1人目は「商品のいいところを熱心に説明してくれる営業」。2人目は「これ、どうぞとアメをくれる営業」。どちらのタイプの営業に好印象を抱くでしょうか?

「私の経験からいえば、お客さまに『この人から買いたい』と思わせることができるのは、間違いなく後者のタイプです。家や会社に営業さんがやってきたら、あなたはどう感じますか? 何か物を売りつけられると身構えるのではないでしょうか。そんな相手にいくら商品をアピールしても、門前払いを食うだけです。まずは相手の心を温め、溶かさなくてはなりません」

「ある1部上場企業の社長にアポイントが取れ、会議室で応対してもらったときのことです。『付き合いのある広告代理店もあるし、実績のないあなたとは付き合えない』と断られてしまいました。ところが帰り際、カッターで作業をしていた社長が誤って、指を切ってしまったのです。そのまま会社を出たものの、どうしてもけがが気になった私は薬局で止血剤や包帯を買って会社に戻り、お届けしました」

「社長はかなり戸惑ったお顔をされていましたが、一応『ありがとう』と言ってくださいました。それから半年後、その社長から連絡があり、『あのときのお礼だ』とCMの仕事の依頼があったのです。もし、あのとき、『大きな会社だから、きっと救急箱もあるだろう。私がおせっかいを焼く必要はないかな』と薬を届けなかったら、この仕事が舞い込んでくることはなかったわけです」

アクシデントでなくても、お客さまの様子を見て感じることはいくらでもあると高橋さんは言います。感じたことがあれば、5秒ですぐ行動に移す。それが相手の警戒心を解き、心を溶かすコツです。

社内の「クオリティーばか」を一蹴せよ

私は20代の頃、当時はまだ、なじみのなかったコンサルティング会社に転職しました。最も注力したのがスピード感です。1カ月のプロジェクトであれば、3日で報告書のドラフトを作成しました。日経新聞のデータベース(個人負担をしたので月額10万円くらいかかりましたが)で調べれば、依頼があったプロジェクトの概要はつかめます。概要がつかめれば見込み、予測なども容易でした。

「仕事が速い」という表現を使うことがあります。「あいつはクオリティーはいまいちだが仕事は速い!」と言われるようになりました。これは「仕事ができる」という意味だと解釈しました。クオリティーは人によって感じ方が異なります。素晴らしいと思っていても、そう感じない人もいます。スピードは万人が感じることです。1カ月の仕事を3日で報告を入れて「速い!」と思わない人はいません。

その会社は世界50カ国に展開するグローバル企業でした。私は売り上げ世界1位になったことがあります。日本が世界の50%以上のシェアだったので、日本1位=世界1位だったのですが(笑)当時よく使った営業トークがあります。多くの人が間違えているのですが、例えば、プレゼンや報告会で、プロジェクトの成果や詳細について一生懸命に説明しても関心は持たれません。

私の場合は「このプロジェクトを導入したA社の部長は高い評価をされて、半年後に役員に昇進しました」「業界で初めてのケースですから注目されるはずです」など、お客さまが自分に投影しやすい話をするように努めました。相手と握れるようになれば、さらに多くの情報がもたらされるようになります。

営業はハードな仕事ですが、モノやサービスを通じて人と人とをつなぐ、面白い仕事だと高橋さんは言います。迅速に行動し、情熱と愛でお客さまと向き合い、そして、あなたなりのおせっかいを焼いてみてください。必ず、「営業の神様」が見てくれていると思います。頑張りましょう!

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

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