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アプリ婚の可能性。多様化社会だからこそ、マッチした相手を探しやすい[結婚の先輩に聞け!Vol.06]

  • 2021.4.27
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時代やライフスタイルが刻々と変化するなか、結婚のカタチもそれに合わせて多様化している。そのなかには、正式な結婚制度として今は認められていないものの、オリジナルの新しい結婚スタイルを確立している人もいる。話を訊くと、どんな制度であれ互いへの想いやその存在意義は、家族そのものだ。
今回紹介するのは、令和の新しい結婚のスタイルとして近頃、話題にのぼる「アプリ婚」。コロナ禍の追い風もあり、その市場は日本だけでなく世界規模で拡大中。アプリユーザーの数は、2021年までになんと3億7000万人に到達すると予測されているとか。(Digital Market Outlook調べ)。そのツールを約10年前から駆使し、ブームに先駆けてアプリ婚を実らせたのが新里碧さんだ。いまや新しい結婚のスタイルとして定着しつつある、アプリ婚のメリットや結婚の価値観について話を訊いた。

マッチングサービスのファーストユーザーだった

新里さんがアプリを使って婚活を始めたのは2013年と、かなり早いタイミング。それこそ、日本のマッチングサービスのパイオニアである「Omiai」や「ペアーズ」、そして海外の「Tinder」が立ち上げられたのもこの時期で、新里さんはそれらのファーストユーザーだった。当時はLINEが普及されたタイミングで、そもそもマッチングアプリという概念はほとんど浸透してなかったのも事実。一体、なぜマッチングアプリを始めることになったのか。

「会社の同僚からすすめられたのがきっかけでした。とはいえ、当時はいまみたいな印象ではなく、昔でいう“出会い系”のようなイメージもあったので、若干抵抗がありました」

気乗りしないまま始めたアプリだったが、やるからにはきちんと自分と向き合ってみようという気持ちが徐々に湧いてきた新里さん。本格的に始めることになり、最初のプロフィール作成で自分が“書くことが思い付かない”という現実に直面する。

「プロフィール作成」は、自分と向き合う作業

アプリに登録して最初に行うのは、自分のプロフィール作成だ。通常だと身長や体重、居住エリア、趣味や業種などを事細かに記載していくのだが、新里さん曰く、このパートが全然うまく書けないことに愕然としたという。

それもそのはず。プロフィールとは、自分をきちんと理解していなければ書くのが難しいものなのだから。

そもそも、マッチングアプリにおいて第一印象をどう受け取られるかはプロフィール次第だ。就職活動の履歴書のように、プロフィールでふるい落とされてしまう。そこに何を書くかによって出会える人が決まることもある。出会いたい人を引き寄せるためには、どんな人になら興味を持たれそうかを分析・逆算する必要がある。

「マッチングアプリはプロフィールを見て、それに興味を持ってくれた人が“いいね”を押してくれるので、自分がどういう人を探しているのかということにも繋がるんです。たとえば、私がプロフィールに『モンハンをやっています』と書くと、モンハンが好きな人がマッチしやすくなります。でも、モンハンを人とやりたくなかったら書かないなどのこともできるんですね」

確かに、恋愛にかかわらず、普段からどういう人と出会いたいかなど改めて考える機会はあまりないだろう。しかし、プロフィールを考えることを通して、自分がどういう人と一緒にいたいかなど、具体的な出会いの条件が見えてくるという。

さらに新里さん曰く、プロフィール記入の際の注意点がひとつあるという。それは、服装や言葉遣いをはじめ、普段の自分を偽って作り込んだプロフィールを書かないことだ。

「マッチするために普段着ない服を着たり、少しカッコつけてしまったりする人が多いんです。でもそれをやりすぎてしまうと自分の軸がだんだんズレて、偽った自分と合う人しかマッチしなくなるんです。結果、全然合わない人しか寄ってこないんですよ」

アプリによる出会いや、それに繋がる結婚が盛り上がっているいまは、ある程度のテクニックやルールは、ネットで検索すればたくさん出てくる。しかし、新里さんがいうように、それはあくまで一例であって、プロフィールでは自分を偽ると後で必ずミスマッチが起こる。出会いたい人を引き寄せるために背伸びしないのも大切な心がけなのだ。

情報が先か、会ってから情報を得るかの違い

とはいえ、年収や顔写真など“条件”で選ぶことを肯定できない人もいるだろう。しかし、合コンなど対面できる環境で出会っていたとしても、どこかの瞬間でジャッジすることには変わりない。最初からプロフィールとして情報が視覚化されているか、相手とのコミュニケーションのなかから情報を引き出していくのかの違い。その順番の違いにしか過ぎず、どちらが自分に合っているかだけのように感じる。

「自分が設定する結婚の条件と合うかどうかをコミュニケーションで引き出すには、会う回数を重ねたりと時間もかかりますが、同じ趣味を持っているかなど自分との共通点を探すことができるのは、忙しい現代人には合理的な気がします。特にいまような状況下で、なかなか新しい人に会う機会が減っているなかでも、アプリ内なら活発にコミュニケーションが取れます。最初のコミュニケーションの方法が、対面とチャットのどちらが合っているかは人それぞれ。だからこそマッチングアプリを否定するのではなくとりあえずやってみて、合わなければやめればいいと思います」

新里さんがいうように、少しでも気になったらとりあえず登録してみることが大事だ。リアルで会うとなると少々腰が引けてしまうことも、オンラインならハードルは低い。新里さんは、コロナ禍を経てオンライン上でのコミュニケーションが定着したことも、マッチングアプリが好調な要因だと推測する。

「もちろん、マッチングアプリの利用者が増えている背景には、物理的に人と会えない状況が続き寂しさが強まるなど心理的な変化もあると思います。その一方で、コロナ禍でオンライン上のコミュニケーションが活発化していており、オンラインでコミュニケーションを取ることに抵抗がなくなっているのも感じます」

これからの結婚観、そしてマッチングアプリの可能性

新里 碧(にっさとみどり) / 取材漫画家、イラストレーター。婚活アプリで出会った男性と結婚。その実体験を赤裸々に描いた書籍『アプリ婚』が小学館より好評発売中。Suits Womanにて、アプリ婚の後日談「アプリ婚 妊娠・出産編」が次回最終回。新連載開始予定。最近はファミリーキャンプにまつわる漫画記事もBE-PALにて連載中。Harumari Inc.

ところで、可視化されたプロフィールから自分との共通点を探せるという、マッチングアプリならではの特徴は、うまく使えば同じ趣味を持つ気の合う友人探しにも活かせそうだ。マッチングアプリで出会っても、恋愛関係ではなく友人として発展するケースはないのだろうか。

「残念ながら自分の周りではそのような話はまだ聞いたことがないんです。でもそういう使い方ができたらいいなと思っています。事実、マッチングアプリ自体、ようやく定着してきたばかりなので、いろんな可能性を秘めていると思います。また、恋愛対象を探すもの以外にも、いろいろなマッチングサービスが出てきているので、可能性を感じています。フードロスを減らす為のものだったり、フリーランスの仕事と会社を結ぶものだったり。メルカリもモノと人のマッチングサービスですよね」

さらに新里さんは、そこで婚活をする人々の結婚観が過渡期であることも指摘している。

「そもそも私も、結婚したいという願望より、親友的になんでも話せて支えてもらえるパートナー的存在が欲しかったんですよ。それが、たまたまいまの夫だったんです。周りの友人と話していると私が結婚した2018年より、現在は結婚の価値観が多様化していることを感じています。結婚とは意味は異なりますが、シェアハウスに一緒に住ん協力しながら生活をしている友達もいますし。子供をシングルで産んでも、みんなで育てればいいじゃん!みたいにカジュアルな話をすることも増えました。そういう話をしているうちに、これからの時代は結婚相手が絶対異性だとこだわらなくてもいいのかなと思っています」

新里さんのいう通り、価値観の多様化によって「恋愛を通過してから結婚」というルートだけが必ずしも正解とはいえない時代になった。逆に価値観や選択肢が多様化しているからこそ、まったく同じ考えを持つ人と日常の中で出会うのが難しくなっている。そんなとき、アプリ内の検索やAIによるマッチングでレコメンドしてもらえたらすごく便利で合理的だ。生活様式が変わり、価値観が変わり始めたいまこそ、マッチングアプリを出会いの合理的な便利ツールとして使いこなすということを当たり前にしたい。

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