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「新札貯金」は本当に、貯金できない人に有効?そもそも「新札」って?

  • 2021.4.26
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新札貯金がおすすめの理由は?
新札貯金がおすすめの理由は?

世の中では、貯金が苦手な人におすすめとされている貯金方法が幾つも紹介されていますが、その一つが「新札貯金」です。金融機関でお金を下ろした中や買い物のお釣りでもらった中に新札があれば、それを貯金していくという方法ですが、確実に新札を得られる保証はないため、不確実性の高い貯金方法のようにも思えます。

新札貯金は本当に、貯金が苦手な人におすすめなのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの長尾真一さんに聞きました。

偶然性を楽しみながら

Q.新札貯金は具体的に、どのようなプロセスで貯金をしていくのですか。

長尾さん「新札貯金とは、銀行やATM(現金自動預払機)でお金を引き出したり、買い物をしてお釣りをもらったりしたとき、新札(きれいなお札)を受け取ったら、そのお札を使わずにためていくという貯金方法です。新札が手に入ったときだけためていくので、毎月決まった額がためられるわけではありませんが、その偶然性を楽しみながらゲーム感覚で続けられることが特徴です」

Q.新札貯金は貯金が苦手な人におすすめとされていますが、本当でしょうか。

長尾さん「本当です。大切なことは、ルールを決めて習慣化することです。また、そのときに心理的な負担を感じないようにすることも、長続きさせるためのポイントになります。新札貯金では、新札だけをためていきますが、新札というのはそれほど頻繁に遭遇するものではないので、大きな負担にはなりません。

また、人はきれいなお札を手にすると何となく、『使うのがもったいない』という心理が働くため、そのお札を使わずにためておくことに心理的な抵抗を感じにくいというメリットがあります」

Q.新札貯金の「新札」の定義が分かりにくいです。どのような札を新札とすればよいのでしょうか。

長尾さん「厳密な意味での新札は未使用のお札ということになりますが、それではめったに手に入りません。よって、新札貯金における新札とは『折り目やしわ、汚れなどがないきれいなお札』ということでよいと思います。一般的に『ピン札』と呼ばれるものです。具体的な定義があるわけではないので、全体がきれいでも端に一カ所でも折り目があれば新札と見なさないのか、それとも、それも新札とするのかといったことは個人の自由です。

ただし、ここが新札貯金の注意点にもなります。自分の都合で解釈を変えてしまうことにもなりかねないからです。例えば、何かお金を使いたいことがあるときに、きれいなお札が手に入っても『このお札には小さなしわがあるから、新札ではないことにしよう』と考えるかもしれません。多少であればよいのですが、これが続くと本来の目的である貯金がなかなか進みません。

自分なりのルールは明確にしておいた方がよいでしょう。なお、ためるのは1000円札だけとするのか、それとも、5000円札や1万円札も対象にするのかというのも個人の自由です。大切なのは『続けられるルール』を決めることなので、無理のないように決めればよいと思います」

Q.お金を下ろしたり、買い物をしたりしても確実に新札を得られる保証はないため、貯金できるかどうかは運任せのところがあります。不確実性があっても、貯金方法として適切なのでしょうか。

長尾さん「まさに運任せのところがあるので『毎月いくらためる』『いつまでにいくらためる』といった計画的な貯金はできません。ただ、貯金が苦手な人にとってはまず、『決めたルールで貯金を継続する』ということが貯金の習慣をつくる第一歩になるので、不確実であっても自分が決めたルールを守って、貯金を続けられるようになれば、それは悪いことではありません。

そこで、貯金への苦手意識がなくなったり、楽しさを感じるようになったりすれば、その次のステップとして、積立定期預金などで計画的な貯蓄に取り組めばよいと思います」

Q.「500円玉貯金」など、貯金が苦手な人におすすめの貯金方法は幾つか存在します。新札貯金が他の貯金方法と異なり、優れているのはどのような点でしょうか。

長尾さん「新札は500円玉と比べても遭遇する確率は低いと思うので、いわば、『レアキャラ』です。そのため、新札に遭遇したときはうれしく、ゲーム感覚で楽しめるというのは新札貯金のよい点といえるかもしれませんし、硬貨と違い、1回にためられる金額が大きいので、よりお金がたまっていく実感が湧いてくるのもよい点でしょう。

また、ご祝儀やお年玉などの急な出費で新札が必要になることがありますが、新札貯金でためておけば、そのような急な出費にも対応できます。わざわざ、銀行に両替に行かなくてもいいという利点もあります。ただし、現金のままためておくと利息は付きませんし、最近はキャッシュレス決済が普及して、現金を使う機会自体が減った人も多くなっています。そうなると、当然、新札貯金ではなかなかお金はたまりません。

新札貯金は万人向けの貯金方法ではないですし、その他の貯金方法もどれが一番優れているというわけではないので、自分のライフスタイルや消費行動に合った貯金方法を選ぶか、あるいは自分でルールを決めて、新しい貯金法を考えてみるのも楽しいかもしれません」

オトナンサー編集部

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