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女性蔑視問題:じつは彼女に嫉妬している彼氏たち【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2021.4.20

彼氏とよくケンカになるとか、彼氏の態度が最近なんか冷たい、とかという時、じつは彼氏は、女子であるあなたに嫉妬しているのです、ということについて、今回はお話します。

男子が女子に嫉妬するって、それなに?みたいに思う人もいると思いますが、マジで嫉妬しているんです、彼。

女ってやっぱいいよなあ

たとえば、わかりやすい例を挙げるなら、カップルでふたりとも職を失って、再就職先を探しているケース。

で、彼女のほうが先に就職先が見つかって、それがまあまあいい銘柄の会社である場合、彼は嫉妬します。本命の、ちゃんと付き合っている彼女が、がんばって、やっと仕事を見つけたのだから、諸手を挙げて「おめでとう!」と言うのが彼氏の役目だろ、と思いますよね?

でも彼は嫉妬します。

こいつだけ先に仕事決めやがって。しかもいい会社やし、と、彼はホンネでは思っているのです。

で、何ヶ月かして、彼もどうにか仕事を見つけてきます。が、それは彼女の会社より名が通っていないし、給料も彼女より安い……。

となれば、さらに彼は彼女に嫉妬します。

女ってやっぱいいよなあ。男より要領いいし、生きていくスキルもあるし、もしもおれと別れても、すぐに新しい彼氏ができて、セックスの相手にも不自由しないし――という具合に。

女子が自分のことをどう思っていようと

彼は彼女のことが好きだし、彼女のことを「彼女」と思っているんです。

しかし、男と女、としてではなく、おなじ人間として、彼女のことを見るときがあります。

女子が、彼氏のことを「男」として見るだけでなく、おなじ人間として見ることがあるように、彼も、彼女のことを「女」としてではなしに、おなじ人間として見るときがあるのです。

そしたら、どうしても、女子のほうが精神年齢が高いし、ゆえに、女子本人が「わたし器用に生きれないわ」と思っていても、彼から見ると「こいつ、うまく世間を渡りやがって」と見てしまうことだってあるのです。

女子が「わたし、恋愛に不器用だから、今の彼氏と別れたらもう彼氏ができないかもしれない」と不安に思っていても、彼氏にしてみたら「こいつ、おれと別れても絶対に新しい彼氏に不自由しないだろう。したがって、エッチにも不自由しないだろう」と思ってしまうんです。

「もともと女子のほうが生きる力が強い」という「そもそも論」

このような話のベースになにがあるのかといえば、「もともと女子のほうが生きる力が強い」という「そもそも論」があります。

女子は社会で、(とくに権力を持っている男から)差別されている、と言われますが、それはなぜかといえば、女子のほうが「本当は」持っている能力が高いからです。

男が夜ごと、無駄に高い飯を食いながら、飲みたくない酒を飲みながら、利権の調整とか人事とかをずっと密室で話す、というのは、すなわち「俺たちはみんなで束にならないと、ホントは弱っちいどうしようもない生き物なんだよね」と言っているのに等しいのです。

丸裸の状態だと女子に勝てない。だから「せめて」権力と金を手にすることで、女子に勝ちたい。女子に勝って、女子に権力と金を見せびらかしてモテたい――こういった考え方を男はふつうにするから、だから女性「蔑視」なのです。

ぼくのように、生まれつき権力とお金に縁のない男は、なにがなんでも権力と金を手に入れたい男を、わりと冷ややかな目で見ています。熱くなったところで、なんの後ろ盾もない自分など、「仲間」に入れてもらえないのが目に見えてわかっているからです。仲間に入れてくれたところで、「王様ってやっぱ裸じゃん」とかと言ってしれっとしている男など、なんの役にも立たないどころか、仲間の足を引っ張って終わりでしょうしね。

そういう男から、「その他の男」を眺めたとき、以上のようなことが言えるのではないかと思います。

(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)

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