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スタイリスト・田中美和子のマイパートナーは“FOOTWORKSのインソール”|長く一緒に過ごすもの vol.6

  • 2021.4.19
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センスのいい6人に長年愛用しているアイテムについて尋ねると、それぞれの思いがこもった話が返ってきた。料理、創作活動、お出かけ…。日常に欠かせない大切な相棒について聞きました。今回はスタイリストの田中美和子さんのストーリーを紹介。

FOOTWORKSのインソール

田中美和子(スタイリスト)

ファッション、インテリアから食まわりまでシンプルで気持ちのいいスタイリングで人気の田中美和子さん。日々の魅力的なものを見つけるプロが、自分のために選び周りの人にもすすめていると話すのは、一体どんなもの? 数カ月かけてつくる、オーダーメイドの逸品について。

「これ、なんだと思います?」

と田中さんが取り出したのは、青山のオーダーメイドインソール店「FOOTWORKS」のアイテム。薄い部分と厚い部分が複雑に入り組んだ、立体的な中敷きだ。普段の靴に入れて使うことで歩き方のクセを直し、体のゆがみを正してトラブルも改善するというもので、フルオーダーゆえ個人差があるが、完成まで3〜4カ月。

「お店ではまず、足型をとり、サイズを測り、歩き方を見て、重心の偏りや圧のかかり方をチェックしてくれる。毎日の足のマッサージや私の歩き方のクセを直すためのアドバイスを受けたら、つくってもらったインソール(写真右)を自分の靴に入れ、毎日教わったことを意識しながら歩くんです」

それをしばらく続けた後に再度訪問。歩き方の改善具合を見てもらい、インソールも調整する。この過程を繰り返した後に完成品(写真左)ができあがる。

「お店のことは知人の紹介で知ったのですが、来ているのは肩こりや脚のむくみ、偏頭痛など、悩みを抱えている方がほとんど。ただ、私自身はわりと健康でスタイリストにつきものの腰痛もない。でもふと思ったんです。がんばらなくても人は歩く。普通に生活している間に体調が整い正しくなるなんて、いいことしかないって」

試しにカウンセリングを受けてみたら、左の歩幅が狭いことを指摘された。

「おかしいなあと思いながら、左足を大きく踏み出すように意識したものの、何度歩いてもOKが出ない。ふざけてるんじゃないかというくらい左足をぐいっと前に出してようやく、〝まあまあいいですよ〟って。実はびっくりするくらい体がゆがんでいたんです。この先、何年も立って歩いて走るための筋肉の貯金を、きちんとしたカタチでつくったほうがいいなとすぐに考え直しました。歩き方が整うだけでなく、スキーもうまくなれるそうですし」

現在はよくはく靴の中にインソールを敷き、歩き方にも注意をしているという田中さん。

「これまでは1年中サンダルだったのですが、先生に〝ダメですね、15点〟と言われて、足全体を覆う靴をはくようになりました」

歩き方だけでなく、靴選びにまつわるちょっとした変化もあった。

「この機会にきちんと選ぼうと思い、お店であれこれはき比べてみたところ、足へのフィット感や歩きやすさが気になって仕方ない。今までは、多少歩きづらくてもヴィジュアルがよければ迷わず買っていたのですが、この日、〝デザインは大好きだけど、足に合ってないから買わない〟という初めてのジャッジをしました。その選択がすごく心地よかったですね」

GINZA2021年1月号掲載

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