至福の古民家カフェめぐり　in糸島

海・山の新鮮な食材に恵まれ、レジャースポットとして人気の糸島エリア。 新スポットが続々と誕生する中、築100年超の古民家は、風土の歴史を今に伝える貴重な財産。 時代を経てなお趣を増す、３軒のレストラン・カフェを紹介します。

洗練されたノスタルジックな癒やし 伊都安蔵里 Café Lily（カフェリリー）

「伊都安蔵里（いとあぐり）」は、旧福寿醤油をリノベーションした古民家カフェ。 食の提供をはじめ、天然だし・酢・加工品といったオリジナルブランドを通して、丁寧な暮らしを提案しています。 「Café Lily」がある本館は11年前、 醤油蔵の風情を残しながら匠の技術で再構築。刀傷の柱が残る築160年の幕末の間や醤油蔵の表玄関など、あまり手を加えずに受け継がれている部分もあります。 高い天井に太い梁（はり）、柱、土間…新しい息吹が吹き込まれたレトロモダンなカフェで、地産食材のランチやスイーツを味わってみては。

現役で活躍している〝おくどさん〟

糸島野菜たっぷりの「キッシュランチ」1100円

完売必至の季節のケーキ「スリー」605円

風情あるアプローチ

伊都安蔵里 Café Lily 営業時間＝11:00〜16:00OS 定休日＝月〜金曜（祝日の場合営業）、盆、年末年始 ※GW頃から平日も営業予定 糸島市川付882 ℡092-322-2222 https://www.itoaguri.jp（伊都安蔵里）

明治の商家で味わう糸島ごはん 古材の森

宿場町として栄えた旧唐津街道に面して建つ「古材の森」。 1901年に豪商西原家の家屋として建てられました。 16年前、解体依頼を受けた「油機エンジニアリング」がその歴史的価値の高さに驚き、歴史と景観を守る目的で修復。 現在は、建物を愛でながら糸島食材のランチ・カフェを楽しめる場所として運営しています。漆塗りの吹き抜け回廊や堂々とした大黒柱など、当時の繁栄ぶりを物語る建築様式が見事。120年前の建設中の風景や街並みの写真も展示されています。

週替わりの「町屋御膳」（サラダ・コーヒー・ケーキ付き）2000円

焼き菓子はテイクアウト可能

古材の森 営業時間＝ランチ11:30〜14:00OS、カフェ14:00〜16:30OS 定休日＝水・木曜、GW、盆、年末年始 糸島市前原中央3-18-15 ℡092-321-4717 kozainomori.net

自家製野菜を味わう、あめ色の空間 カフェ 西洋館

近くの県道からも、その立派な樹形が目に入る一本桜。 「カフェ 西洋館」は推定160年の「松国大山桜」で知られる、築180年の一軒家。 現在の主が10年前にカフェをオープン。カフェ部分の日本家屋は入ってビックリ。２間続きの和室にはピアノにシャンデリア、印象的な唐紙のふすまが。 欄間や建具といった和の要素に、ヨーロッパ家具やカーテンを融合させた上質な空間が広がります。 カフェで味わう食材のほとんどは、3500坪もの敷地内で主が自ら栽培した元気野菜たち。根菜やタケノコ、シイタケまで自家製です。テラス席はペット同伴OK。

「桜御膳」（1600円）は予約がオススメ

「椎茸カレーセット」1100円※真夏は夏野菜カレー

山の斜面を借景に、日本庭園と四季折々の花々

営業時間＝10:00〜日没（第２日曜16:00） 定休日＝月〜木曜（祝日を除く） 糸島市二丈松国102 ℡092-325-2345 cafe-seiyokan.com

「リビングふくおか」2021年4月10日号、「リビング北九州」2021年4月17日号掲載