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ちょうどいい結婚のカタチ〜幸せはすぐそこにある・・・♡山﨑ケイが語る、ムリをしない結婚のススメ〜

  • 2021.4.12
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お笑いコンビ・相席スタートとして活躍する傍ら、『ちょうどいいブスのススメ』(主婦の友社)を始めとした恋愛にまつわるエッセイを多数執筆。「自分のことを〝ちょうどいい〟ブスと仮定してみる」という、衝撃の恋愛メソッドで話題となった、山﨑ケイが昨年ついに結婚を発表!これまで多くの恋愛テクについて語ってきたケイが、本連載では、そこからさらに踏み込んだ〝いい婚活とは?〟という疑問、そしてその先にある〝ちょうどいい結婚のカタチって?〟などの、女性の悩みに挑みます!!

ロン毛に腰パンの尖った後輩、「好きじゃないわ〜」が最初の印象

私、山﨑ケイは、2020年10月14日に落語家の立川談洲さんと結婚しました。夫は落語家ですが、元々は吉本の芸人で私の2年後輩でした。連載1回目の今回は、約10年前の夫との出会いや第一印象をお話ししたいと思います。

小学生の頃の私は、『リボン派』か『なかよし派』で言ったら完全にリボン派!魔法で願いを叶えちゃう系より、憧れの先輩とキラキラした恋愛をしたり、幼馴染みと突然恋に発展しちゃうかも?!系に憧れてきたタイプ。

のちに「え・・・?思想犯?」なんて周りから言われことになるとは知らず、内田有紀さんに憧れてショートカットにし、ドキドキの中学&高校生活♡に備えていました。

私の中学時代、人生で1番暗かった(笑)頃の写真がこちら!

andGIRL憧れのショートカットで、まさか《思想犯》と呼ばれるとは・・・

ところが、中高生になり、気づいたら「あの子彼氏いるんだって」とか「あの子初体験したらしいよ」なんて噂が回ってきて、あれ?私ってキラキラした輪の中にいないな、って疑い始めた。私は主人公にはなれないんだ・・・と気づいてしまったわけです。

恋愛のスタートダッシュに失敗し、結果的に恋愛に真面目に生きることになった私の好きな男性のタイプは、当然に真面目そうな人。まるで中学生男子の頭髪チェックのごとく・・・。

Check
  • 髪の毛は短ければ短い方がいい
  • 前髪が眉毛にかかっていない
  • 耳が出ている

などチェック項目があり、服装も〝気にならないファッション〟つまり当たり障りのない、普通の服を着ている人がタイプでした。

ところが初めて会ったときの夫の服装は、ダボダボのジーパンを腰履きし、派手な刺繍を施したスカジャン姿、髪型はロン毛というおまけ付き。私のタイプの真逆で、〝気になりすぎるファッション〟の人。

苦手!

これが私の夫の第一印象です。しかも苦手なのは外見だけではなく・・・。多くの若手芸人はお客さんに覚えてもらうためにちゃんとしたステージ用の衣装に着替えたり、先輩と仲良くなるために、出番を終えてもそのまま劇場に長い時間居たりするものなんです。しかし、夫は1番若手であるにも関わらず、荷物を1つも持たずに手ぶらで、しかも自分の出番ギリギリに劇場にやってきて、来るなりそのまま舞台でネタをやりその導線のまま帰るという尖りよう。

そのアウトローな生き様を目にして思ったのは、

可愛くない!

それがいまの夫なのですから、人生何が起こるかわかりません。つまり、これを読んでくださっているみなさんも、もしかしたらもうすでに未来の旦那様と出会っているかもしれないのです。

いま、誰かの顔浮かびませんでしたか?(笑)

さて「苦手&可愛くない」のダブルパンチからどのように今日を迎えるまでになったかと言うと・・・。

「本気で好きです」と言われ続け、まんざらでもなくなっていたけど・・・。

さかのぼること10年ほど前。

私は、女芸人だけで定期的にオールナイトのトークライブをやっていました。〝口外禁止〟というライブの名の通り「一番苦手な先輩は◯◯さん、山﨑ケイです!」と自己紹介するくらい、やりたい放題で・・・。でもお客さんがしっかり口外禁止のルールを守ってくれるため、そこで話したことが漏れることも、逆に面白かったことが漏れることもない、そんなライブでした(笑)。

ある日、ライブを主催している同期の TEAM BANANA の山田が、どうやら夫が私のことを好きらしい、という噂をどこからか聞いてきました。その頃、夫とはほとんど話したこともなかったので、正直、『何で?』と思いました。それを聞いて嬉しい、というよりは〝僕は女を顔で選びません〟というアピールとして私を使ってるの?と思うくらいの苦手感。ともかく、一度ライブに呼び出して詳しく聞こうということになりました。

〝トークライブに出ているほかの女芸人たちのことも、実は好きだという男芸人がいるはずだ〟ということで、山田がいろんな芸人にメールを送りつけては見つけ出し、〝コマ〟としてステージに出演してもらうことになったんです。本番では、その〝コマ〟たちにそれぞれの好きな女芸人の良いところを語ってもらい戦わせる、といういまの時代なら怒られそうな企画でした(笑)。

MC「では好きな女芸人の良いところ語ってください!」

コマ「 うちの〇〇さんって、こんなに太ってるのにめちゃくちゃ動けるんですよ、可愛いでしょ♡」

女芸人「おい、それ褒めてる?」

みたいな笑いが繰り広げられる中、夫だけは本気の姿勢。私の好きなところを真面目に語り、とくにウケるわけでもなく、会場を変な空気にしていました。その結果に夫は凹んで、早朝の阿佐ヶ谷の街を泣きながら歩いていたところを別の芸人に目撃されたらしいですが、そんなことは私に関係のない話で、私としては「なんなんだろう・・・」って感じ。

だって話したこともないのに好きだと言ってくるし、変な空気にするし、目的がさっぱりわからない。〝女を顔で選びません〟というアピールか?という疑いは晴れませんでした。

それでもその後、ライブをきっかけに話しやすくなったのか、「飲みに連れて行ってくださいよ」なんて何度も誘ってくるのでその度に断っていたんですが、あまりにもしつこいので、たまに飲みに連れていくようになりました。

ただ、飲みに行っても私のこと好きだというわりには「これめちゃくちゃ美味しいですね!」とか「めちゃくちゃ楽しいです!」みたいな感じもない。自分から会話を盛り上げるでもなく、正直別に楽しくない。その上、吉本では後輩と飲みに行くときは先輩が全額持つという暗黙のルールがある。当然、お支払いは私です。それでもライブ終わりには私もお酒が飲みたいし、半年に1回ぐらいは誘われたら飲みに連れて行くというのが続いていました。

私はいつまで経っても夫に興味が持てずにいたのですが、ある日!

そういえば最近腰パンじゃないし服が普通だな。 髪も短くて前よりもさわやかだし・・・と夫の変化に気づき始めた。私の好みに合わせて、というわけではなくて夫の趣味が変わっただけなんですけどね。でも、

「本気で好きなんです」

なんて言われ続けたら、誰だってちょっとは嬉しいじゃないですか。尖っているのは 相変わらずだったけど、あるときそれをいじってみたら、なんとなく可愛げが見えてきたりもして。

そんなふうに4〜5年かけて少しずつ精神的な距離が縮まっていったし、最初は 「はいはい」なんてあしらっていたのが、いつの間にか「好きです」と言われると「本当にぃ?どこがそんなに好きなのか聞かせて?♡」なんてまんざらでもなくなっていて。そのうちいよいよ夫に 「付き合ってください」と正式に告白され、そこで初めて、夫との関係をちゃんと考えてみました。その結果、当時私は 33歳で、次に付き合った人とは結婚もあると思っていたし、ただでさえ収入や将来が不安定 な女芸人なのに、吉本の後輩と結婚を前提に付き合うなんてムリだと思った。そこで、

「お付き合いはしません」

とはっきり断って、その後は会わなくなりました。

■次回は 『1ミリも好きじゃない夫をふってから結婚するまで〜ある意味、夫のシンデレラストーリー〜』 をお送りする予定です。

山﨑ケイ やまざき・けい 1982年6月13日生まれ、千葉県出身。吉本興業に所属するお笑い芸人で、山添寛と2013年に〝相席スタート〟を結成。2016年には 『M-1 グランプリ』のファイナリストになる。ネタでもある〝ちょうどいいブス〟目線で書いた著書『ちょうどいいブスのススメ』(主婦の友社)などがある。

イラスト/サヲリブラウン、取材・構成/若山あや

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