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『ネバーエンディング・ストーリー』子役に降りかかった闇「私はロリータじゃない」

  • 2021.4.9
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『ネバーエンディング・ストーリー』で“幼ごころの君”を演じたタミー・ストロナッハが、過去の経験を振り返った。(フロントロウ編集部)

元子役のタミー・ストロナッハ

ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデによる『はてしない物語』を原作とした1985年の映画『ネバーエンディング・ストーリー』は、今なお多くの人に愛されるファンタジー。多くのファンが子供の頃に、異世界ファンタージェンやファルコンなどのキャラクターに胸をときめかせたはず。

本作でスクリーンを駆け巡った子役たちは、それぞれ魅力的だけれど、“幼ごころの君”の強烈な印象を覚えている人は多いのではないだろうか。

画像: 元子役のタミー・ストロナッハ

“幼ごころの君”を演じたタミー・ストロナッハの経験

幼ごころの君を演じたことで一躍有名となったタミー・ストロナッハは、スコットランド人の父とイスラエル人の母の元に生まれ、幼少期をイランで過ごした。しかしイラン革命が勃発したため、アメリカのバークレーに渡る。そこで、ミュージカル劇のクラスを取っていたところ、『ネバーエンディング・ストーリー』にキャスティングされることになった。

その撮影は主に夏休み中に行なわれ、両親もそれをサポート。そして夏休みが終わった後は、普通の日常生活に戻ったそう。

そしてその次の夏に、映画は公開された。インターネットもない時代で、その後も彼女の日常生活は変わらなかったという。それでもなお、彼女の周辺には不穏な出来事が起こった。

当時12歳前後の彼女が住む家の住所を突き止めた成人男性が、彼女を一目見ようと、家の外で生活し始めたという。また、ドイツ人男性から、婚約指輪が送られてきたこともあったそう。さらには、少女にショービズの世界からも闇が襲いかかる。何人かのプロデューサーは彼女に、ヌードの映画のオファーをしてきたという。タミーは米VICEのインタビューで、その出来事をこう振り返る。

「彼らは私たち家族の家に来て、誘ってきた。私は、『ヌードの映画なんかやらない。私はロリータじゃない』と言った」

画像: 2017年に撮影されたタミー・ストロナッハ。
2017年に撮影されたタミー・ストロナッハ。

少女たちを襲う性的な視線

女性を性的なモノとして見ることは、年齢に関係なく問題になっている。しかし、その対象が子供である場合は、さらに深刻。そして、多くの人の前に立つ子役として活躍する子供たちが、大人から性の対象とされることに苦言を呈してきた俳優は多い。

『ネバーエンディング・ストーリー』のテーマ曲が2019年にふたたび注目を集めるきっかけとなったNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』の主演ミリー・ボビー・ブラウンやナタリア・ダイアーは、たびたび、若手俳優が性の対象として見られることにおける問題を指摘している。

また、『レオン』や『ビューティフル・ガールズ』など、作品の中でも成人男性との関わりが描かれた作品に出演していたナタリー・ポートマンは、その結果ひどい経験をすることになり、思春期の頃には自分の中での性的関心も拒絶し、ラブシーンも敬遠するようになったと明かしている

タミーはその後、両親が自分のマネージャーになるようなタイプではなかったこともあり、俳優としてのキャリアを追わないことにした。しかし彼女は、当時の自分が感じていた感情について、こう振り返っている。

「(指輪をもらった時は)ドイツへ旅行しに行く人を見つけて、送り返してもらった。(指輪を送ってきた人の)お金を受け取りたくなかったから。とても罪悪感を覚えた。私はすべてを真面目に、真剣に受け取りすぎる。怖がらずにいられる方法があったのならと思う」

画像: 2020年にイギリスのリヴァプールで開催されたコミコンに参加したタミーと、アトレーユ役のノア・ハザウェイ。
2020年にイギリスのリヴァプールで開催されたコミコンに参加したタミーと、アトレーユ役のノア・ハザウェイ。

そんなタミーは、その後、ダンサーとしてキャリアを築いてきた。現在では自身のダンスカンパニーも持つ彼女は、大学でダンスの教授としても教えている。そしてタミーは、約40年ぶりに、俳優としても復帰しようとしている。

タミーと彼女の夫は、子供向けの舞台作品や映画、教育のコンテンツを制作する企業も立ち上げており、現在ファンタジー映画『Man & Witch(原題)』を制作中。そしてその主演が、タミー。

さらに本作には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のクリストファー・ロイドや、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ストレンジャー・シングス』のショーン・アスティンなど豪華俳優たちも出演する。

彼女がふたたびスクリーンに戻ってくるのは、やっぱり待ちきれない。(フロントロウ編集部)

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