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男にとって元カノとはどんな存在?【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2021.4.5
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今回は、男にとって元カノとはどのような存在なのか、について、一緒に見ていきたいと思います。

たとえば男は、元カノに、酔っぱらって電話します。「ねえ、もう一回付き合ってよ」とか「エッチしようよ」と言います。淋しいから。

という、表層的なことから、まず見ていきましょうか。

「もっかいヤラせてよ」の真意

酔っぱらった元カレから、深夜に電話がきて「もっかい付き合ってよ」とか「エッチしようよ」と言われる、というのは、少々極端な例かもしれませんね。

がしかし、そこに、元カレの、元カノに対する「すべて」の思いが内包されています。

ようするに、元カレは淋しいのです。

淋しいから、深夜まで酒を飲む。適度に飲めばいいものを、元カノに電話をするという行為の「勢いをつける」ほどに泥酔する。で、あろうことか「もっかいヤラせてよ」と言う……。

こんなこと、淋しくない人は、絶対にしません。

女子にしてみれば、「もっかいヤラせてよ」とかって、わたしはあなたの性の道具ではない!と怒りたくなるかもしれませんね。

でも、元カレは「そんなこと」まったく思っていないんです。(だから余計にたちが悪いわけですが)。

元カレは、単純に「彼女と別れて淋しい。死にたいくらい淋しい。なにをしても淋しい。誰と一緒にいても淋しい」と思っているのです。

「もっかいヤラせて」とは何事!と怒る女子と、自分の淋しさにしか気持ちがいかない男子……この溝は埋めがたいものがあります。男が男であることを放棄しない限り、きっと埋まらないでしょう。

元カレが淋しい理由

さて、では、元カレはなぜそんなに淋しいのでしょうか。

答えは、元カノのことを「もうひとりの自分」と認識しているからです。もっと厳密に言うと、「元カノとはもうひとりの自分である、ということを言語化できていないから」です。

物事なんでもそうですが、とくに自分の悩みがそうですが、自分が何について悩んでいるのかが言語化できれば、悩みは半分以上解決したも同然です。言語化できた時点で気持ちが少し軽くなるのは、そういうことなのです。

「もうひとりの自分」とはなにか?

さて、では、もうひとりの自分とはなんでしょうか?

たとえば……エッチが好きで、物事に前向きで、そこそこ要領のいい元カノ、というのは、じつは、かつての彼でした。彼は、「エッチが好きで、物事に前向きで、そこそこ要領のいい」女子の部分を、遠い遠いむかしに、どこかで失くしてしまったのです。

あるいは……頭が良く、努力家で、繊細な精神を持っていて、洋服のセンスもよく、友達思いの彼女、というのは、じつはかつての彼でした。彼は、「頭が良く、努力家で、繊細な精神を持っていて、洋服のセンスもよく、友達思いの」女子の部分を、遠い遠い昔に、どこかで失くしてしまったのです。

簡単に言うと、恋人どうしって、お互いに、自分を映す鏡だということです。

女子は「別れたら角を曲がる」から、彼氏と別れたら、自分の鏡に別の人が映るでしょう。

しかし男は「別れても、振り返れるように、一本道をまっすぐ歩く」から、いつまでも自分の鏡に元カノが映っています。すなわち、「かつての自分/遠い昔に失くしてしまった自分の半身」が映っています。

だから淋しいのです。だから酔っぱらう「しかない」のです。酔っぱらって「ヤラせてよ」と電話するのです。

男にとって元カノとは「もうひとりの自分」

男にとって元カノとは「もうひとりの自分」です。別の言い方をするなら、「自分の半身」です。

自分の半身を「切った」のは、あなたのほうでしょ?と言いたくなる女子も、きっといますね。元カレのほうから別れを切り出したわけであって、という関係だと、そう言いたくなるでしょう。

たしかに、そうなんです。

自分の半身を切ったのは、男本人なのです。より厳密に言えば、現実の「この」自分と、「自分の半身」との「関係」を切ったのは、男本人なんです。

でも、(だからこそ?)、心が疼くのです。いつまでも疼くのです。

それがなぜなのかは、男本人にもわかりません。

がしかし、「関係」というものは、「そこに投げ入れられている」ものであって、「自分から」切るというのは、おそらく生の原理に反するのでしょうね。

これは、自殺が善くない、というのと同じでしょう。わたしたちは、「その」関係の中に、好むと好まざるとにかかわらず、「投げ入れられた」。この「すでに決められてしまっている関係」を断ち切るのは、ルール違反だ、だから自殺は善くない、という論法。

いずれにせよ、男にとって元カノは「自分の半身」なのです。

ところで、あなたの半身は疼いているのですか?

(ひとみしょう/作家・日本自殺予防学会会員)

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