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山田智和が描き出す、18歳の春、主人公が北海道で見つけたものとは?

  • 2021.4.2
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東京では急ぎ足の春がやって来て、もう桜も終わりかけ。4月から新しい進路や仕事への希望を抱いている人がいる一方で、もしかしたら思うように進路が決まらず、将来への不安を抱いている人もいるかもしれない。そんなあなたに、映画監督・映像作家の山田智和が描く、雪景色の北海道を舞台にしたショートフィルム『Somewhere In The Snow』をおすすめしたい。

主人公を演じるダンサーのアオイヤマダ。

ストーリーは、浪人が決定した、東京で両親と暮らす18歳の主人公が、家の中に漂う重苦しい空気に耐えきれず、北海道に暮らす祖母(我妻マリ)のもとへと向かうところから始まる。

ひとり暮らしの祖母の家は、どこか昔と比べて寂しいが、14匹の猫がいて彼女を守っているという。大自然に触れ、祖母と会話をしていくなかで、主人公が見つけたものとは?

日本のファッションモデルの草分け的存在、我妻マリが祖母役を演じる。突然やってきた孫娘の主人公を問い詰めることなく、静かに温かく接してくれる。

この作品は、アオイヤマダのナレーションと主演のふたりから生まれたドキュメンタリズムな会話シーン、監督の山田自身が撮影した北海道の美しい冬景色で構成される。ミュージシャンの小瀬村晶が映像を見て感じたままをピアノで奏でた音楽も心に染みる。

主人公のような境遇にいる人はもちろん、忙しい日々に追われ、情報過多な社会に疲れを感じている人も、ちょっと手を止めて、ぜひ約12分の物語に浸ってみてほしい。

 

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