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もはや絶滅危惧種? 「タバコが吸える」都内の喫茶店、あえて行ってみた

  • 2021.3.27
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喫煙の健康リスクに対する意識は、年々高まっています。健康増進法の改正により多くの飲食店が全面禁煙となった中、今でも「喫煙可能」な東京都内の喫茶店は、長く営業してきたレトロなお店が多いもの。果たしてどのような場所なのでしょうか。純喫茶探訪家の あんちゃん さんが5軒を訪ね歩きました。

昭和を感じさせるレトロ喫茶

2020年4月に改正健康増進法が施行され、飲食店をはじめとする屋内は原則として全面禁煙になりました。喫煙に対する世間の受け止めはより厳しいものになっています。

一方、いくつかの条件を満たすことで喫煙可能な飲食店も存在します。条件とは、

1. 2020年4月1日時点で現存する飲食店2. 資本金5000万円以下3. 客席面積100平方メートル以下

の3点。

喫煙のリスクについて十分に考慮しなくてはならないのは当然のこととして、東京都内に今も残る喫煙可能な飲食店、とりわけ喫茶店は、長く続いて来た店が多いため昭和を感じさせるレトロな趣の味わい深い店が多いもの。

そこで今回はあえて、今や珍しい存在となった都内の喫煙可能な喫茶店を紹介します。喫煙可能という特徴だけでなく、コーヒーや軽食にも定評のあるレトロな「純喫茶」を5店選びました。

1. 目黒「コーヒーの店ドゥー」

まずは、JR目黒駅東口から徒歩2分の場所にある「コーヒーの店ドゥー」(品川区上大崎)。創業1972(昭和47)年、路地裏にひっそり佇む隠れ家のようなお店です。

優しい雰囲気のマスターがサイフォンで1杯ずつ丁寧にいれてくれるコーヒーは、自分の時間を大切にしたいと思わせてくれるような特別な味。ブレンドコーヒーのほか、シングルオリジンコーヒーも各種そろっており、自分の好みの味を見つけることができるはず。

クロックムッシュとドゥーブレンド(画像:あんちゃん)

さらに人気の軽食クロックムッシュは、ジュワっとバターが染みたパンと、トロリと溶けたチーズの相性が抜群。この雰囲気とおいしいコーヒーを求めて、連日多くの利用客が足を運んでいます。

これまた懐かしい存在となった、お店のロゴが印刷されたマッチもレトロな雰囲気。

2. 銀座「310.COFFEE」

続いては、商業施設GINZA SIXからもほど近い場所にある「310.COFFEE」(中央区銀座)。

大きく取られた窓が印象的な、明るく清潔感のある店内は、一見するとおしゃれなカフェのよう。しかし、店内には焙煎(ばいせん)機があり、コーヒーへのこだわりを感じかれるお店です。

さらに店内奥のカウンターには色とりどりのコーヒーカップが並んでおり、どのカップで提供されるかワクワクしながら待つ、といった楽しみも。ランチタイムになると、近くで働く方や常連客で賑わいます。

美しいカップに入れられたカフェオレ(画像:あんちゃん)

客の中には喫煙者も少なくありません。銀座には喫煙できるお店が少ないこともあり、重宝されているのでしょう。

こだわりのコーヒーはもちろん、ピリ辛のチョリソーがアクセントのナポリタンや厚切りトースト、自家製ケーキなどもあり、何度も訪れたくなるお店です。

3. 本郷「名曲・珈琲 麦」

東京メトロ丸の内線の本郷三丁目駅からすぐの場所にある「名曲・珈琲 麦」(文京区本郷)。

地下にあるお店のため店内の様子が分からず、最初は入りにくさを感じてしまうかもしれません。しかし、いざ店内へ足を踏み入れると、どこか懐かしい雰囲気が漂う空間が広がっています。

店内はテーブル席とソファ席の二手に分かれており、その日の気分によって好みの席を選ぶ、なんてことも。「名曲喫茶」の名の通り、店内に流れるクラシック音楽は、日々の雑念を忘れさせ穏やかな気持ちにさせてくれます。

昔懐かしい自家製プリン(画像:あんちゃん)

自家製プリンは、昔懐かしの「す」(表面などに開いた細かい穴)が多く入ったタイプ。脇に添えられた果物とクリームが、どこかぜいたくな気分にさせてくれます。

朝の時間帯は、常連であろうおじさまたちが多く来店し、コーヒー片手にタバコを吸っている姿が印象的。あなたもぜひこの空間に浸りながら、音楽に身を委ねてみてください。

4. 五反田「トゥジュールデビュテ」

続いては、JR五反田駅からすぐの場所にある「トゥジュールデビュテ」(品川区東五反田)。

飲食店街が多く立ち並ぶ通りにありますが、お店は地下にあるため、周りの喧騒(けんそう)から離れてひとりの時間を過ごすのにぴったりな喫茶店です。

ブレンドコーヒーは、7種類もの豆をブレンドしたこだわりの味。コーヒーだけでも十分に楽しめますが、レアチーズやかぼちゃのプリンなどのケーキとの相性も抜群です。

ブレンドコーヒーとかぼちゃのプリン(画像:あんちゃん)

クロックムッシュは具材もたっぷりで、ランチにもおすすめ。カウンターに座ればマスターの仕事ぶりを見ることができ、小さなテーブル席に座れば自分だけの世界に浸ることも。

店内は薄暗く大人な雰囲気のため、愛煙家にとってはハードボイルドな気分を味わえる空間なのかもしれません。

5. 表参道「カフェ レジュ グルニエ」

最後は、表参道にある「カフェ レジュ グルニエ」(港区南青山)です。

若者の街というイメージの強い表参道ですが、そんな街にも大人な時間が流れる素敵な喫茶店があります。店は2階にありながら、地下のような薄暗さもあり、落ち着ける空間になっています。

落ち着いた雰囲気のカウンター席(画像:あんちゃん)

こちらのおすすめは、何と言っても「オレグラッセ」。ワイングラスに注がれたミルクとコーヒーは、いつまででも見ていたくなるような美しい層が魅力。この層は、飲み進めていっても崩れることがないから不思議です。

さらにクロックムッシュやゴマトーストなどの軽食もあるため、小腹を満たすのにもぴったり。場所柄、若いお客さんも多いので、気軽に訪れることができますよ。

表参道でのお買い物に疲れたらぜひこちらのお店を訪れてみてください。

長い歴史を感じさせる名店ばかり

今回紹介した喫茶店は、喫煙可能なだけでなく、落ち着いた雰囲気が魅力のお店ばかり。いずれも長年営業している店のため、紫煙によって独特の風合いになった壁も注目して見たいポイントです。

ひとりで訪れるのも良し、誰かを誘って語らいの時間を過ごすも良し。あなただけの特別な時間を過ごしてみてください。

あんちゃん(純喫茶探訪家)

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