海と山の魅力を深くじっくり愉しむ【静岡・伊豆半島】旅の見どころ

首都圏から気軽に行ける静岡県の伊豆半島。特に熱海周辺は関東寄りの立地ということもあり、昔から人気のあるリゾート地です。今回は、そんな伊豆半島のご当地グルメと、豊かな自然を愉しめるスポットを紹介。海にも山にも魅力が溢れている伊豆半島を、次の旅先にしてみてくださいね。

ご当地グルメは鉄板の“海産物”だけじゃない

伊豆半島のご当地グルメといえば、やはり新鮮な海産物はハズせません。駿河湾と相模灘に挟まれているため、捕れる魚の種類も豊富で、半島だけでも多くの港が存在しています。中でもチェックしたい食材が「金目鯛」。高級魚として知られ、あっさりした味わいが人気の魚です。

伊豆半島南部に位置する下田港は、金目鯛の水揚げ量が日本一ということもあり、定番のご当地グルメとなっています。白身魚ではあるものの、新鮮なものは少しピンクがかった色。金目鯛と一口にいっても３種類に分類され、その全てを使った三色丼なども提供されています。

また、金目鯛は煮付けが美味しい魚としても有名。刺身でも充分美味しいのですが、「キンメといえば煮付けでしょ！」という方も多いかと思います。

お店によりますが、基本的に刺身と煮付け両方のメニューがあるので、好きな方を選んでみてください。

また、最近注目されてきているのが野菜を使ったお寿司になります。

ワサビを始め、野菜も美味しい伊豆半島ならではの寿司ネタは味も見た目もインパクト大。ぜひ試してみてくださいね。

伊豆のハートスポット「竜宮窟」

海側の魅力として紹介したいのが「竜宮窟（りゅうぐうくつ）」です。半島の中でも最南部に位置するスポットで、近年人気が高まってきています。その人気の理由は、上から見るとハートのような形をしているということ。

もともとは波の浸食によってできた洞窟でしたが、天井部がポッカリと空き、そこから覗くとハートのように見えることから、恋愛のパワースポットとしても話題に挙げられるスポットとなりました。

▲ダイビングやシュノーケリングなどのマリンアクティビティも人気の伊豆半島。海水の透明度も高く、竜宮窟にもきれいな水が流れ込んできている様子がよくわかります

階段を降りて下の方まで歩いていけるので、上からハートを見た後は、ぜひ下りてみましょう。外海とつながった穴がとても神秘的ですが、岩肌に囲まれている空間は、大自然の造り上げた美しさを存分に感じられる場所でもあります。

すぐ近くには水質ランクがとても高い田牛（とうじ）海水浴場などもあるので、夏季には多くの人が集まるスポットとなっています。「竜宮窟」をゆっくり愉しみたい場合は、時期をずらしての訪問がおすすめですよ。

誰もが聞いたことのある名曲の聖地「浄蓮の滝」

伊豆半島にはほとんど平地はなく、内陸部は山ばかり。そのため、海側の自然だけでなく、山側の魅力も多数。そんな山側で見逃せないスポットが「浄蓮（じょうれん）の滝」です。

行ったことがなくとも多くの人が知る名前でしょう。それもそのはず、この滝の名前は石川さゆりさんの演歌「天城（あまぎ）越え」に登場しているのです。この曲が発売されたのは1986年と、すでに30年以上が経っていますが、現在でも歌い継がれ、聞いたことがないという方はかなり少ないのではないでしょうか。ちなみに、天城越えの「天城」というのは伊豆半島の真ん中にある「天城峠」のことを指していて、その周辺の観光名所として挙げられるのが、この「浄蓮の滝」となります。

また、文学作品で登場することも多く、『伊豆の踊り子』（著：川端康成）や『天城越え』（著：松本清張）の舞台としても知られています。

滝自体は駐車場のすぐそばにある観爆台からでも見ることができますが、下まで行くと、よりその迫力と力強さを感じられます。また、滝の周辺の壁面は柱状節理といって、柱状の岩が並んでいるような大きな壁となっているのも特徴。幾何学模様のような美しい岩壁も一緒に愉しむなら、下から見る方がオススメです。それほど大変な道のりではなく、５分ほどで歩いて下りられます。

また、伊豆はワサビの名産地ですが、「浄蓮の滝」のすぐそばには、ワサビが育てられているワサビ沢があります。

ワサビを育てるためには、きれいな水が必須ということもあり、こちらも産地ならではの景色を愉しむことができます。売店ではワサビを使った商品やワサビそのものが販売されているので、合わせてチェックしてみましょう。

伊豆というと温泉が有名で、ゆっくり過ごすリゾートといったイメージが強いかもしれませんが、半島には見応えのある自然のスポットがいくつもあり、ドライブにも最適です。

海も山も愉しめるという半島ならではの魅力を、気軽にアクセスできる伊豆半島で堪能してみてはいかがですか？ ＜text＆photo：岡本大樹＞