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50代でもミラクルボディを保てるのはなぜ?

  • 2021.3.17
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ハリウッドスターなど、加齢をものともしないナイスバディな女性が増えている。なんとも羨ましいメリハリボディは衰え知らず。いや、むしろ年を重ねるごとに進化を遂げるボディを作り上げるには、もちろん、本人の努力のたまものだろう。しかし、何か秘密があるようにも思える。ということで、婦人科スポーツドクターの高尾美穂先生が医学的見地から推理!

あるホルモンを足せばミラクルは起こせる⁉

悲しいかな、加齢と共に重力に逆らえなくて肉が垂れ下がっていく体……。しかし、世界には40代や50代になっても、メリハリのあるゴージャスなスタイルで魅せる女性たちもいる。生まれながらのポテンシャルが違うといってしまえばそれまでだし、彼女たちの輝く笑顔の裏には、常人には到底真似できないストイックなエクササイズや食事制限があるのだろう。でも、何か秘密のメソッドがあるのではないか。常人が慰められたい一心で、高尾先生に聞いたところ、ひとつの可能性を教えてくれた。

「海外ではDHEAというホルモンをサプリなどで足している可能性はあると思います。性ホルモンが作られる流れを説明すると、コレステロールから幾つかの段階を経てテストステロン(男性ホルモン)が作られ、最後に女性らしい体つきにするエストロゲン(女性ホルモン)が作られます 。DHEAは、コレステロールとエストロゲンの間に位置しており、つまり、女性ホルモンや男性ホルモンよりも上流にあります。つまり、加齢により減少する DHEAをホルモン剤として足すことで、エストロゲンが極端に減る閉経後でも、自分の体でエストロゲンを作れるようになり、テストステロンも増えるので、筋肉もキープできるんです」

DHEAにはホルモンバランスを崩す危険が

そんな魔法のようなサプリがあったとは。今すぐ、試してみたい!

「ダメダメ! DHEAは日本では未承認ですし、アスリートが使えば、ドーピングでひっかかります。ホルモンバランスは、私たちの体がものすごく繊細な調整をして成り立つもの。エストロゲンが減りました、すぐにDHEAを 足してあげましょうという単純な話ではないのです。過剰なホルモン療法は、パーソナリティを変える可能性すらあります。人の性を決める大元という意味で、DHEAに対し制限されているのではないでしょうか」

Women's Health

ちなみに、アメリカでは承認されているDHEA。個人輸入などで入手し、減退した性欲への対処法として飲んでいる人もいるそうだ。

加齢などによってテストステロンが減ると、性欲がなくなるように感じる人が多いんですが、パートナーには性欲があって、対処に困ると。非常に切実な問題ではありますが、日本では女性のホルモン補充療法はエストロゲンが対象で、テストステロンを足すことはできません。男性の場合は、勃起不全などにはバイアグラ、やる気がなくなったという問題についてはテストステロンを足す治療法があるのですが」

女性の性欲がなくなったらどうしたら?

つまり、性欲が衰えた女性に対する有効な治療法はないということだろうか。

「ピルには、テストステロンの値を極端に落とすものがあり、服用して性欲が下がったと感じる人は実際にいます。その場合は、他の種類のピルに替えるという手段がとれます。また、エストロゲンが減って、腟 が乾燥して性行為がつらい時は、エストロゲンを足すこともできます。ただ、加齢でエストロゲンが減れば、テストステロンも減る。これは自然な体の変化であり、テストステロンが減ったことによる性欲減退に対する保険適用の治療は、現時点ではありません。保険適用外の自費で、テストステロンを足すこともできなくはありませんが、保険治療をしている医者はガイドラインに則り、まずは保険適用内の治療を薦めることがほとんどです」

現在の日本でできるミラクルボディへの近道は、安定した体のバランスを内側(栄養)と外側(運動)から健康的に吸収していくこと。その前に、体の不調を感じたら、メンテナンスをすることから試してみよう。

Text: Sakiko Koizumi

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