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やる気が出ない?「朝散歩」「お風呂」で勉強効率アップのエビデンス!

  • 2021.3.13
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その勉強のやり方、間違っているかも…?
その勉強のやり方、間違っているかも…?

勉強しても「やる気が出ない」「頭に入らない」「忘れてしまう」「集中できない」「すぐ飽きてしまう」。そう思っている人はいませんか。実は勉強のやり方が間違っているのかもしれません。今回は、明治大学法学部教授の堀田秀吾さんに、効果的な勉強方法について伺います。近著に「絶対忘れない勉強法」(アスコム)があります。

脳機能を高めるヒントは散歩

多くの人は、東京大学や世界屈指のハイレベル校といわれるハーバード大学、ケンブリッジ大学の学生たちの勉強法に関心があるのではないでしょうか。

「実は優秀な人ほど四六時中、机にかじりついて、がむしゃらにテキストを読みあさり、知識を頭にたたき込んでいるというわけではないのです。印象的なのは、勉強を始める前や休憩時間などに軽い運動や散歩をしている人が意外に多いということ。私の周りの優秀な研究者や大学教授たちも散歩好きな方が多いです」(堀田さん)

「スティーブ・ジョブズの散歩好きは有名ですが、フェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグも散歩の習慣があるそうです。集中力や記憶力を高め、インスピレーションを豊かにし、インプットもアウトプットも最大化する、そんな効果があるようです」

なぜ、散歩にそんな効果があるのでしょうか。これにはエビデンスがあるようです。堀田さんは次のように答えます。

「ポイントとなるのが脳血流。散歩によって脳の血流がよくなり、十分に血液が行きわたることで脳が活性化するのです。イリノイ大学のサラスらはこんな実験をしています」

【実験内容】

被験者群を2つに分けて、名詞を記憶するテストを実施した。覚える前に一方のグループは10分歩き、もう一方のグループは10分座って風景写真を見た。名詞を覚えた後、もう10分間、それぞれ同じ行動をしてからテストを実施した。

「結果は、歩いたグループの方が座っていたグループよりも5%よい成績になりました。ちなみに、覚えた後の行動を、歩いたグループは風景写真を見るというように逆にしても結果は変わりませんでした」

「脳は酸素と糖分を燃料として動いています。酸素は血液に乗って脳に運ばれます。ですから、勉強をする前に歩いて体の血液を巡らせると、脳にどんどん血液が送られてエンジンがかかり、勉強の効率がアップするわけです」

散歩の効果は多くの人が実践しています。筆者の知人の作家や医師なども散歩や運動を習慣にされている方がいます。頭を使うために散歩を取り入れると効率がアップするかもしれません。

インプットはお風呂が効果的

机に座って単語を覚えるより、お風呂に入って覚える方が頭に入って覚えられるなと感じることはありませんか。お風呂に入ると気分転換になります。これには学術的な裏付けがあるといいます。

「実はこれには脳波の一種、シータ波が影響しているのです。カリフォルニア工科大学のルティスハウザーらによる研究をご紹介しましょう」

【実験内容】

8人の被験者に100枚の写真を1枚1秒間見せ、5~30分後にさらに100枚を見せた。そのうち半分は新しい写真に替わっており、すでに見た写真はどれか、その答えにどれくらい自信があるか尋ねた。

「この質問をしたときの被験者の脳波を計測したところ、シータ波が出ているときに海馬などの部位が最も活性化していることが分かりました。また、東京大学の戸塚らは、海馬にシータ波が伝わるとニューロンへの分化が促進されることを実験で突き止めています」

「神経幹細胞という細胞が、脳を構成する神経細胞ニューロンへ分化することを『ニューロン新生』といいます。1906年にノーベル賞を受賞したラモニ・カハールがニューロンを発見して以降、ニューロン新生は幼い時期にしか起こらないと考えられていましたが、大人になってからもニューロンを増やせることが分かったのです」

お風呂の中だと頭に入ってくると感じるのは、そういう理由だったのです。お風呂の中で勉強することは難しいですが、湯船につかりながら資料や暗記帳を見ることはできそうです。その際は水にぬれても大丈夫な紙を使用しましょう。

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

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