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コロナ禍、イギリス―東京「緊迫」の帰国便 マスクせず叫び出す男性も

  • 2021.3.13
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全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスをめぐっては、「マスク」に対する意識が国ごとで大きく異なることも明らかになりました。仕事で約半年間ロンドンに滞在していたライターの鳴海汐さんが、現地で見聞きし感じたことをリポートします。

日本・東京の驚くべきマスク装着率

東京・首都圏では緊急事態宣言が延長となり、2021年3月9日(火)午前の閣議後会見で加藤勝信官房長官が「(ワクチン)接種完了後も引き続きマスク着用を」と発言したいま、「一体いつまでマスク生活は続くのだろう」と不安に思った人も少なくないでしょう。

なんの気休めにもならないかと思いますが、首都圏のマスク装着率が「この半年」の間にぐっと上がったことは、非常に誇らしいことだと個人的に感じています。

ロンドンから中東経由で東京へ帰国。そのフライトで感じた「マスク」に対する意識の違いとは? ※写真はイメージです(画像:写真AC)

いまは気温が高くないですし、緊急事態宣言中ということがあるかもしれませんが、半年ぶりにイギリスから帰国した筆者が見る限り、近所のコンビニに向かう間にマスクをしていない人、店内でマスクをしていない人、どちらも全然いなくなったのです。

3月上旬に皇居周りを散策したときは、すれ違うランナーの全員がフェイスカバリングをしていたことに感動すら覚えました。

というのも、ロンドンでは半年の間、ただのひとりも口を覆っているランナーを見かけなかったからです。初めて見つけ興奮して近づいたら、中東系の人でひげがモジャモジャしていただけということがありました。

ロンドン「屋外」のマスク状況

2020年の夏にロンドンに到着したとき、屋外でマスクをしている人が意外と多いと驚いたのですが、駅や商店街の近くに限りました。公共交通機関、スーパーマーケットなどの屋内の公共の場では、2mの距離が取れない場合、マスク装着が義務付けられているからです。

コロナの感染状況が厳しくなっても、住宅街でマスクをしている人は増えませんでした。

英国医師会は屋外でもマスクを推奨していたのですが、人が通り過ぎるときの呼気が流れてくるのを気にしていそうな人は見かけませんでした。

マスク無しの人々が公園に次々と

それが顕著に表れたのが、2020年のクリスマス当日の公園。家族以外とのパーティーが禁止された影響か、中心部にあるリージェンツ・パークは連れ立って散歩する人であふれていました。

クリスマス当日のロンドンの公園。奥に大勢の人が集まっているのが見える(画像:鳴海汐)

公園を通り抜けるまでに200人ほどとすれ違いましたが、マスクをしていたのは5~6人といったところ。クリスマスとその翌日は公共機関がストップしていて、ほとんどの店舗が閉店しています。そうすると、マスク装着を義務付けられている場所が無いということに。だから誰もマスクをしないのです。

ロンドンに暮らす人々は、外では電車などを利用した流れでマスクをしているだけで、外では特に飛沫を気にしないということをあらためて実感した日でした。

ロンドン「室内」のマスク状況

現在のロンドンは、2021年3月8日(月)から段階的にロックダウンを解除している状況にあります。

感染状況が一番厳しい1月末頃でも、スーパーやコーヒーショップでマスクをしていない人は必ず見かけましたし(店員がしていないことも)、地下鉄やバスにもいました。

鼻だけ出している人、不織布マスクのワイヤーを活用しない(使い方を知らない)もしくはウレタンマスクをしているので、話しているうちに鼻がひょっこり現れてしまうのを何度も引っぱって直す人も多くいました。

ついマスクを下げてしまう悪い癖

マスクをしていると声が通りづらいのは、皆さんも経験上ご存知でしょう。

そのため、帰国時に乗ったロンドン発の機内では、到着時のざわめきの中、遠くにいるフライトアテンダントにお別れの挨拶をするため、一瞬マスクを下げて大声で呼んだ男性がいました(私のすぐ斜め前にいた乗客です)。

2021年1月、出国者らで混雑するロンドン・ヒースロー空港(画像:鳴海汐)

こういった癖がある人は、女性でも何人か身近にいました。興奮してくると、しっかり相手に声を届けたくなるようで、おそらく無意識なのでしょう、マスクを下ろしてしまうのです。

中東行きの「乗り継ぎ便」は満席

さてそのフライトですが、ロンドンから中東行きの乗り継ぎ便でした。予約当時、航空会社のホームページには、座席は十分な距離を開けると書いてあったので予約したのですが、実際乗ってみると満席でした。

筆者の隣は布マスクをつけた小学校低学年くらいの女の子、その隣がお父さんで、子どもはマスクをし続けられないのではと不安を覚えました。

感染力が高いとされるイギリス型の変異株の存在が確認されたことで日本への帰国日を延期していたて以来筆者は「日本入国まで絶対に感染しないようにしなければ」と普段にも増して心を砕いていたのです。

とくに恐れていたのが食事の時間です。航空会社は「搭乗中はマスクをしてください」とホームページに書いていますが、「食事中にマスクなしでしゃべらないでください」とまでは言いません。当然、あちこちで会話がなされました。

ワイン片手に“ナンパ”する男性も

食事中、私の隣の席の女の子のモニターをいじるのに、お父さんが身を乗り出しました。マスクなしで話し続けるお父さんの顔は、筆者の顔から1m以内にあります。

しばらくして意を決し、「申し訳ないけれど、こういった時期なので、話をするときはマスクをしてくれないでしょうか」とお願いしました。お父さんは分かったと言ってくれましたが。子どもはもちろん、その通りにはできません。

そして、私の斜め前の席の男性(前述のマスクを下げて大声を出した人)は、自身の左隣の若い女性に関心を持ったようで、ワインを片手に気取って話しかけていました。いつまでも食事が終わりません。

こんなところで感染したら日本にウイルスを持ち込んでしまうという恐怖を強く感じたのと、隣の親子の手前もあったので、彼にもマスクをお願いしましたが、「まだ飲んでいるから」と言った男性はそれからも、ワインを揺らしながら話し続けました。 マスクについては感染予防の効果を示す実証結果なども発表されています。

またロンドン市のホームページには「無症状の感染者がマスクをしていない場合に近くの人を感染させるリスクは70%になるが、マスク装着の場合はそのリスクが5%に下がる」とありますが、やはり、欧州でマスクの習慣が浸透するのには、1年どころでは難しいのではないかと思ったのでした。

鳴海汐(ライター)

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