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【SHOCK EYEの神社習慣】心が整う「ソロ拝」ってなんだ?

  • 2021.3.11
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一人で行く方が、神社をより深く味わえる

鹿島神宮のように車で何時間もかかるような神社でも、僕は大体いつも一人で参拝している。一人で寂しくないの? と思う人もいるかもしれないけど、全然そんなことはない。むしろ一人で行くほうが、神社の本当の良さをわかってもらえると思っている。

僕だって毎年の初詣は家族と行っているし、ツアーで地方を訪れた時なんかはスタッフたちと一緒に行くこともある。別に誰かと行くのが嫌いってわけじゃない。でも、みんなで行くのと一人で行くのとでは神社からいただけるもの、持ち帰れるものが全然違うし、それは一人の時の方が多いと思うんだ。

みんなでワイワイ食べるご飯ってすごく楽しいし、美味しいよね。でも、味の細かいディティールまで分かるかっていうとそうじゃない。むしろあまり美味しくないものまで美味しく感じちゃうというか、何を食べてもだいたい「美味しかったねー!」となる。

それと同じで、みんなで行けばどこの神社でもきっと楽しいし、それはそれでいいことだ。一つの場所を介して「よかったね」「すごかったね」って同じ感情や価値観をみんなで共有するのは、めちゃくちゃ素敵な作業だと思うから。

でも最近の、僕の神社との向き合い方は、そういう楽しさとは少し違う。料理でいったらフルコースのようなものかな。鹿島神宮でも、目にするもの一つひとつをゆっくり味わいながら「風が気持ちいいな」「この木についてるのは花の蕾かな」「昔の人たちもこれと同じ景色を見ていたんだろうな」って考えるんだ。

現代人に必要なのは「何も考えない時間」

でもそのうち、そんなことすら考えなくなる。踏み締める玉砂利の音を聞きながら、一歩一歩、足を進めることだけに集中している自分がいる。ただ目の前のことに没頭して、何も考えずに過ごす時間。実はこれこそが、僕が神社へ行くことをすすめる理由だったりする。

現代社会は情報が溢れていて、僕たちはその情報を受け取ることに必死だ。まるでそれを逃したら命の危険に晒されるとでもいうように、必死で追いかけてしまう。しかも今の世の中は、やれ気候変動だ紛争だと、不安になる話ばかりだよね。世の中の問題に無関心でいいと言いたいわけじゃないし、どれもみんなで真剣に考えて解決しなきゃいけないことだというのは分かってる。でも、目の前の悩みに今にも押しつぶされそうって時に、地球の裏側で起きている不安まで抱え込まなくてもいいと思うんだ。

だからこそ、僕たちには情報を遮断して何も考えずに過ごす時間が必要なんだと思う。最近「ソロキャンプ」が流行っているのも、結局そういうこと。社会の喧騒から離れ、自然の中で一人ボーッとする時間を誰もが求めているんじゃないかな。

一人でキャンプするのが「ソロキャンプ」なら、一人で神社に参拝するのは「ソロ拝」でどうだろう。神社は絶対に一人で行かなきゃダメだ、なんてことはもちろん言わない。まだ一人で行ったことがない人には、最初はけっこうハードルが高いだろうしね。だけどもしも今、何かに悩んでいたり、毎日がしんどいと感じているなら、僕はこの「ソロ拝」をおすすめするよ。

<column>森の中のお茶屋さんでのんびり

鹿島神宮の森はとにかく広い。しっかり見ようと思ったらかなりの距離を歩くことになるから、疲れたら境内にあるお茶屋さんでひと休みするのもいいだろう。すぐ横にはその昔、参拝者が身体を清めたという禊ぎのための池があり、お茶屋さんではここから湧き出る清水で淹れたコーヒーがいただける。お団子もおいしそうだ。僕は普段、神社に参拝する前はあまり食事を取らないようにしてるんだけど、こういうのもたまにはいいね。3色団子450円。

<Data>
今回、参拝したのは……

【鹿島神宮】
茨城県鹿嶋市宮中 2306-1
HP:http://kashimajingu.jp/
御祭神:武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)

【SHOCK EYEプロフィール】
1976年神奈川県生まれ。RED RICE、若旦那、HAN-KUNとともに「湘南乃風」を結成、2003年デビュー。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一らとTHE 野党を結成。著書に『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている運気アップの習慣』(ともに講談社)がある。インスタグラム上で、Shrinegramという、オンラインでの会員限定コンテンツも人気。
Instagram:@shockeye_official
Twitter:@SHOCK_EYE_

撮影/大坪尚人(弊社写真部)スタイリング/渕上カン ヘアメイク/大島千穂 取材・文/山崎恵 企画/黒田剛

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