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あなたの職場にもいる?「ゆとり世代」の新入社員の扱いに困ったときの対処法

  • 2015.6.12
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新入社員が入って早数カ月。打たれ弱いくせに自己中心的で、自主性も競争心もないなど、酷評されがちな「ゆとり世代」ですが、あるコツさえ知っていれば、うまく付き合い、戦力になってもらうこともできるんです。その秘けつを営業スキルアップコーチの安部宥志さんに聞きました。

●競争を知らない「ゆとり世代」には、独自のアプローチが必須

――「ゆとり世代」というと、今の20代くらいですよね。

「ゆとり教育の実施時期は学年や科目で少しずつ異なりますが、だいたい2002年度から10年ほど続きました。上は1987年度生まれ(現28歳)は中学3年生から、下は2003年度生まれ(現12歳)は小学1年生の1年間だけ、ゆとり教育を経験したことになります。

ゆとり教育をメインに受けたのは、今、20~25歳くらいの人たちでしょう。まさに今年の新入社員や、入社数年目で、そろそろ本格的な戦力になってほしいと期待されている世代です」(安部さん、以下同)

――安部さんが実際に接して感じる、いちばん大きな特徴はなんですか?

「いろいろありますが、すべての根源は“競争してこなかった”ことだと思います。競争原理がないから必死に何かを考え抜くということをしないし、自主的に動くこともない。そもそも、目立つことや勝つことはいけないことだと刷り込まれています。信号が青でも、ほかの人が渡らなければ渡らないという感じですね。こういう若い人たちを教育するには、今までとはまったく違うアプローチが必要です。

彼らと一緒に仕事をする機会があるなら、その特徴を知っているかどうかで、成果が大きく変わるはず。とくに上司や先輩など教育するポジションの方には、適切な育て方を身につけてほしいと思います」

●指示や教育は「具体的に」「ハッキリと」

――まったく違うアプローチとは?

「すべてにわたって言えることですが、『あなたのために言っている』という姿勢は響きませんね。僕らの世代は、自分のために叱ってくれるのはありがたいと感じたものですが、彼らは上昇志向や、こうなりたいというイメージがないから、効果が期待できないんです。『私のことは別にいいですから』などと返されて、噛み合わなくなります。

では、どう言えばいいかというと、『あなたがこうしてくれると、みんなが助かる』『ほかのみんなは、こうしてるよ』『あなたがそんなだと、みんなが迷惑する』というように、本人と周りの関係性を強調するんです。彼らは競争や目立つことを嫌いますが、裏を返せば、周りと協調するのは得意だということ。その特徴を利用するわけです。彼らは横のつながりを大事にしますから、即効性があります」

●ゆとり世代の長所を理解して彼らに合わせた教育法を!

――その長所をうまく仕事に生かすにはどうすれば?

「協調性がありますから、チームで仕事をさせたほうが絶対にいいですね。個人の目標よりもチームの目標を強調したほうがいいでしょう。

また、自主性は低いですが、お手本をまねすることはできます。徹底的にまねをさせれば、最低限、お手本どおりのことはできるようになるし、うまくいけばAとBを組み合わせて、新たにCをつくるということができるようになります。

もう1つの特徴として、彼らは協調性はありますが、周りの空気を読まないKYな部分があります。それが良いほうへ作用すれば、古い慣習や常識にとらわれず、改革のきっかけにできるかもしれません。たとえばゆとり世代は、社長の前でも『朝礼、ムダじゃないっすか?』とか平気で言っちゃう。やることやってから言えよ!と思われがちですが、みんなが言えないことを発言してくれるのは、ある意味ありがたいですよね(笑)」

――たしかに(笑)

「それから、『これをしたい』『こうなりたい』という明確な目標を持たせてやること。上昇志向が希薄な彼らですが、自分が好きなことやしたいことにはこだわる傾向があります。

競争のために頑張る経験は不足していますが、自分のこだわりのためなら力を発揮できるんです。いろいろなキャリアプランを示してあげるとか、上司や先輩の仕事に積極的に同行させるとか。一朝一夕にはいかないと思いますが、時間の許すかぎり、そうして導いてあげるといいですね」

ネガティブにとらえられがちなゆとり世代ですが、短所は長所の裏返しでもあります。それぞれの良いところを生かしあえたらいいですね!

安部 宥志(あべ ひろし)

株式会社オーシャンフォース代表取締役。営業スキルアップコーチ、上級マーケティング解析士。1977年埼玉県生まれ。中央大学法学部卒業後、大手IT企業に入社し、営業部に配属。13ヵ月連続達成、7年間連続トップセールス表彰の記録を作るなど、常にトップ営業マンとして活躍。2009年に独立し、3社の経営に関わる。2011年、営業代行業務を請け負うために株式会社オーシャンフォースを設立し、代表取締役就任。以来、数々の企業からの営業代行の依頼を受け、パートナー企業の売り上げを1年で倍増させるなど営業手腕を発揮している。2012年より、営業スキルアップコーチとして、営業セミナーや企業研修、個人コンサルティングなどの活動も開始。コラム執筆やメディアの取材、原稿執筆まで幅広く活動中。著書に『絶対に目標達成できる人の営業のワザ』(明日香出版社)がある。

公式サイト「安部宥志の営業スキルアップ塾」:http://abehiroshi.com/

<取材・文/島田彩子 取材協力/安部宥志>

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