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旧宮家別邸をカフェに。京の街を見渡しながら優雅なティータイムを

  • 2015.6.11
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京都・銀閣寺に近い吉田山。その中腹に建つ料理旅館・吉田山荘の敷地のなかに「カフェ真古館」があります。元東伏見宮家別邸をそのままカフェとして使ったモダンな空間で、四季折々の景色を眺めながらゆったりとした時を過ごすことができます。

山小屋のような建物は、元はガレージでした

市バス銀閣寺道停留所から、神楽岡通を南へおよそ10分。京都市左京区にある吉田山の中腹に料理旅館「吉田山荘」はあります。建物は昭和7年に建てられたもので、昭和天皇の義弟である東伏見宮さまが京都大学に通うための別邸として使われていました。

そして同じ敷地内にある山小屋風の建物が「カフェ真古館」。車庫だった建物を外観はほとんどそのまま利用しています。

モダンな空間は、まるで教会のような雰囲気

おすすめは2階。大きな窓ガラスの外は新緑に染まり、木々の隙間からは比叡山をはじめ、五山の送り火で知られる大文字山など、京都市街を囲む山々の稜線を遠くまで見渡すことができます。

天井は高く、古材を利用した梁が上品で力強い存在感を醸します。また、室内に置かれた調度品類は建物の雰囲気に合わせて女将と若女将が選んだもの。教会で使われているというチャーチチェアが厳かさを感じさせ、ここで結婚式をあげる人もいるというのもうなづける素敵な空間です。

「窓からの眺めは四季折々美しいのですが、やはりおすすめはこの新緑の時期。山の息吹といいますか、さまざまなエネルギーを感じます」と若女将が話してくれました。

古きものの美しさを見直してほしいとの思いを込めて

時期を問わず食べられるチョコレートケーキ(ドリンクとセットで1188円~)は、こっくりとした濃厚な味わい。卵や乳製品、白砂糖を用いず、豆乳に100パーセントのカカオを混ぜて作られています。

ほかには、「水ようかん」(6~8月、ドリンクとセットで1188円~)や「抹茶アイス&自家製あんこ(6~8月、864円)などがあります。和紙に書かれた和歌が添えられているのは日本に古くからある仮名文字の文化とその美しさを知ってほしいとの思いから。古今和歌集や百人一首などから季節ごとに選び、女将自らが書いています。裏面には読みと歌の意味が添えられており、その心配りもまたうれしいものですね。

おみやげには、かわいい「コウモリビスケット」を

真古館ではオリジナルの雑貨やお菓子も販売しています。特に人気なのが「コウモリビスケット」(540円)。コウモリが中国で古くから福を呼ぶ動物として親しまれていることから、このモチーフが選ばれました。こちらも卵などは使用せず、シナモンの風味が効いた素朴な味わいです。訪れた記念に、またおみやげにぴったりです。

真古館でのひと時を終えたら、あらためて本館を眺めてみましょう。純和風の建築物にステンドグラスがはめ込まれた斬新でモダンな建物です。旧宮家の風情をそのままに生かしたカフェで、特別なひと時をすごしてみてはいかがでしょうか。

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