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投資初心者に人気の「投資信託」で大損!失敗の理由

  • 2021.2.24
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投資に興味を持って調べ始めた人なら「投資信託は初心者向き」といった内容を目にしたことがあるかもしれません。確かに株式投資などよりも始めやすく、リスクを抑えやすい傾向はあります。だからといって絶対に失敗しないというわけではありません。Nさんの事例を見てみましょう。

■はじめての投資!言われるがままにチャレンジした結果……

親族からの相続で、思いがけず現金3,000万円を得たNさん。相続の手続きをした銀行で、担当者から「このお金は、このまま置いておくより運用したほうがいい」という案内を受けました。

Nさんはそれまで運用や投資には関心がありませんでしたが、「投資信託なら初心者でも取り組みやすい。自身の老後に備えられる」といった話を何度か聞いているうちに「せっかく大金が手元に入ったのに、寝かしておくのはもったいない」と納得し、挑戦してみることにしました。

担当者と相談して、なんとなくよさそうな投資信託を選び、相続した資産のうち2,500万円を投入。当初は毎月受け取れる分配金が嬉しく「投資を始めてよかった」と思っていましたが、投資開始から数年後、保有していた銘柄の価格が暴落してしまいます。

あとから振り返るとこれは一時的な下落に過ぎなかったのですが、投資信託はプロに運用を任せられると聞いていたため、リスクが低いと思っていたNさんはうろたえました。毎日下がっていく価格を見て怖くなり、購入時点より大幅に下がった価格で投資信託を売却、損が確定することになります。

■投資信託で失敗する原因

投資信託は、投資家から集めたお金を1ヵ所にまとめたもの(ファンド)を、運用のプロ(ファンド・マネージャー)が株式や債券などさまざまな投資先に分散して投資するしくみです。プロに任せられることに加え、少額でも始めやすいということも相まって、初心者にも人気があります。

「比較的失敗しにくい」「リスクを抑えやすい」と言われることも多いですが、以下のような状態では損失につながりやすくなるため要注意です。

・投資信託選びを人任せにする
・一度に大金を投入する
・下がったときに焦って売る
・目先の利益を重視する
・手数料を考慮せずに投資する

投資信託の運用はプロ任せですが、どの投資信託を選ぶかは自分で決める必要があります。自分が投資しようとしている投資信託はどんなものなのか、どんなリスクがあるのか、手数料はいくらかかるのか、分配金は毎月もらうより再投資に回した方が有利なのではないか、などきちんと知識を得たうえでよく考えることが必要です。

「投資は自己責任」です。営業の人の言うとおりにお金を動かすだけでできるほど甘いものではない、と肝に銘じておきましょう。

■初心者は積立投資が安心

初心者が取り組むなら、年単位もしくは数十年単位の長期的な視点を持って、少額ずつコツコツとお金を積み立てるような投資にするのがおすすめです。そうすることで、一気にお金を投入するより高値掴み(価格が高いときに買ってしまう)リスクを抑えられますし、日々の値動きに一喜一憂しにくくなり精神的にも楽に取り組めます。

■投資するなら自分で知識をつけて取り組もう

「投資信託=確実に利益が出る」ではありません。でも「投資=危ない」でもありません。知識がないまま、自分のお金のことを人任せにしてしまうことが危ないのです。投資に取り組むなら自分で学ぶ姿勢が大切です。お金と真摯に向き合っていきたいですね。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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