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「カット680円」が写り込んだ“自撮り写真”を見て、お見合いを申し込む女性はいない

  • 2021.2.18
人の意見を聞くことが成婚の鍵を握る?
人の意見を聞くことが成婚の鍵を握る?

先日、仲人の集まる定例会の席で、ある仲人さんが言いました。「素直にこちらの話を聞ける人が成婚していきますよね」。確かにその通りだと、その場にいた仲人さんたちは、大きくうなずきました。

年を重ねていくと、考え方やライフスタイルが確立され、それを曲げない人たちが増えてきます。信念や意思を貫くことは大事なことです。しかし、人の意見を取り入れて違う見方や考え方をすれば、新たな局面も見えてくるもの。そこで「結婚できるか、できないか」が大きく変わってくるのです。

写真はお見合いの“呼び水”なのだから

仲人が集まる定例会の前には、会員のプロフィール交換会が催されるのが通例です。仲人たちは、会員のプロフィールをA4用紙に印刷し、マッチングできそうなお相手がいたらプロフィール用紙を交換する。そんな昔ながらのアナログな交換会をしているのです。

親しくさせていただいている仲人の勝田眞由美さん(仮名)が、ご自身の会員女性のプロフィール用紙を出してきて、言いました。

「彼女、上場企業に勤めている34歳。本人は、お写真よりもずっときれいでかわいらしい女性なんですよ。どなたかお見合いしてくださる男性さん、いらっしゃいませんか」

そこには、ショートヘアにシンプルなブルーのシャツ、黒いショルダーバッグを肩から下げている、化粧っ気のない女性が写っていました。

勝田さんによると「協会のサイトに登録したものの、お見合いが思うように組めない」というのです。

すると、その写真を見た仲人さんの一人が言いました。

「なんで、こんな普段着のスナップをお見合い写真にしているの? 髪も切りっぱなしのショートヘアだし、化粧っ気もない。おじさんが持つようなショルダーバッグを肩から下げて。顔立ちは確かに良いけれど、これじゃあ、男性は誰も申し込まないですよ」

すると、勝田さんが言いました。

「何度『写真館でお写真を撮り直しましょう』と言っても、言うことを聞かないの。『普段の私を見てもらって、それでお申し込みをかけてくださる男性とお会いしたい』と言うんです」

そんな写真談義をしていると、仲人の増渕依子さん(仮名)が、「ウチのこの男性も、『お写真撮り直しましょう』と言っているのに、聞く耳を持たないんですよ」と、男性のプロフィール用紙を出してきました。

その写真は、男性がスマホで自撮りをしたのでしょう。「カット680円」と看板に書かれた理髪店の前で撮影されていました。しかし、自撮りなので「カット680円」の文字が反転し、さらにその後ろには、通行人も写り込んでいました。

「この2人は、お見合い写真をナメとるね」と、関西弁の仲人さん。

たかが写真、されど写真。一枚の切り取られたその絵面に何が写っているのか。それが被写体の情報を伝えるのです。

化粧っ気もないおじさんショルダーバッグを持つ女性は、「おしゃれには興味がない」と言っているようなもの。そんな女性に魅力を感じる男性は、まずいないでしょう。

背景に「カット680円」の反転文字が写り込んでいる写真の男性を見て、「まあ、髪の毛を680円でカットしているなんて、倹約家で素敵!」と思う女性もいないはずです。

この2人だけではありません。協会のサイトに登録している写真の中には、ブルーバックにすまし顔で写った免許証のような写真や、グレイバックにムスッとした顔で写った指名手配犯のような写真を載せている人もいます。

写真は、お見合いする時の“呼び水”です。

ほとんどの方が、写真館でヘアメークさんにメークをしてもらい、顔がきれいに映えるライティングの中で、カメラマンさんに何十枚、何百枚と撮ってもらっています。その中から、お見合い写真に一番ふさわしいショットを選んでいるのです。

手を抜いた写真でプロフィールを作ると、その気持ちが相手に伝わります。そうすると、お見合いは組めません。お見合いが組めなければ、お相手に出会うこともできません。時間だけがむだに過ぎていくのです。

連絡は「毎日」が基本

お見合い後、お付き合いに入り、成婚していくカップルの共通点は、毎日LINEや電話で連絡を取り合い、頻繁に会っていること。つまり、コミュニケーションを取る努力を惜しまないところにあります。

また、お見合いには「食事3回の壁」というのがあります。

うまくいかないカップルは、お付き合いに入ったとしても、1度か2度食事をすると「交際終了」になってしまいます。ところが、成婚していくカップルというのは、3回までの食事をトントントンと進めていきます。

週末にお見合いし、交際になったら、まずはウイークデーの真ん中、水曜か木曜の仕事終わりに軽く食事。そして、その週末の土日どちらかでデートする。翌週は、また真ん中の水か木で食事。こうすると、10日間で3回の食事ができます。

遠方だった場合、仕事終わりに会うことが難しくても、週末に必ず会う約束を取り付け、3週間のうちに3回の食事をスムーズに進めています。

コミュニケーションを取らなければ、2人の距離は縮まらないのです。

先日、入会面談に来た米山貴美子さん(36歳、仮名)に、この話をしました。すると、彼女は言いました。

「私、電話って苦手なんです。LINEやメールのやり取りも、毎日はしたくないです。そうやって義務みたいに毎日連絡を取り合うのって、どうなんでしょうか。それに、10日間のうちに3回も会っていたら、自分の時間がなくなってしまうじゃないですか」

何も24時間、ずっとお相手と一緒にいるわけではありません。デートしても、帰宅したら自分の時間は持てます。また、結婚したら、お相手と一つ屋根の下に暮らすことになるので、仕事が休みの日は24時間一緒にいることもあるでしょう。

コミュニケーションを取ることを面倒がっている人には、結婚は向きません。

私は、貴美子さんに言いました。

「20代の出会いだったら、学校に行けば会える。会社に行けば会える。自分の生活圏内にお相手がいて会話を交わし、そこから人柄を知って恋愛に進展していきましたよね。

でも、お見合いのような出会いは、まったく知らない他人同士が『結婚相手を探す』という目的のために出会うんです。メールでも電話でもいいから『話す努力』『時間を見つけて会う努力』をしないと、お相手の人柄も分かりませんし、二人の距離を縮めることはできませんよ」

なぜ、30・40・50代まで独身でいたのか

入会面談にやってくる人たちが、よくこんなことを言います。

「20代の時には、付き合っている人がいました。でも、その方と別れてからは、もう恋愛らしい恋愛を何年もしていません」

それはなぜなのか。周りを見渡してみると素敵な異性は既に結婚していて、恋愛できる候補者がいなくなっているからです。結婚できる相手がもう生活圏内にいないのだから、「結婚したい」と思っている相手をピンポイントで探すために「婚活」をするのです。

お見合い写真にせよ、交際後の連絡の取り方にせよ、「こうしましょう」という仲人のアドバイスに、ぜひ耳を傾けてみてください。仲人はお見合いを組み、成婚へと導くプロです。自分の考えや意見を押し通すのではなく、言われた通りにやってみてください。

そうすることで、婚活の新しい道が開けていくと思うのです。

仲人・ライター 鎌田れい

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