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交通違反を無反省、婚活テクニックを披露…「お見合い」で会話が“命取り”になった男たち

  • 2021.2.17
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お見合いでは、不用意な発言に要注意?
お見合いでは、不用意な発言に要注意?

それまで全く知らなかった他人同士が、結婚を前提に身上書を交わして出会うのがお見合いです。生活している中で自然に出会い、そこから時間を共にしていくうちに恋愛に進展し、結婚していくカップルとは、そもそも関係の築き方が違います。1時間程度のお見合いでは、不用意に発した言葉が命取りになったり、誠実に話すことでピンチがチャンスに変わったりするのです。

今回は、そんなケースをご紹介します。

自営業の男性の“子どもじみた”発言

会社員の伊藤薫さん(36歳、仮名)は、自営業の大瀧洋一さん(41歳、仮名)とお見合いをしました。その結果を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「大瀧さんは、とても明るくてお話も面白い方でしたが、お断りでお願いします。出会い頭に話された、『運転中に携帯』の話が、やはり忘れられませんでした。会社を経営している41歳の男性にしては、子どもじみている気がしたんです。最低限のルールですから」

実はこの日、大瀧さんは電車の遅延で、お見合いに5分ほど遅れてきました。

私と薫さんが、お見合い場所のホテルのティーラウンジ入り口で待機していると、遅れる旨の連絡が入ってきました。そこは、婚活者は誰もが知っているお見合いメッカのホテル。11時が近づくと、カフェにカップルが続々と入り出し、瞬く間に順番待ちの列ができてしまいました。

そこへ、大瀧さんが5分遅れでいらっしゃったのですが、カフェの順番がまだ来ず、3人で立ち話をしながら待っていました。

その時、電車が遅延した話から、大瀧さんは普段の仕事は車の移動が多く、電車にはめったに乗らないことを知りました。そして、「運転中に携帯で話していて警察官に見つかり、切符を切られた」という話になったのです。大瀧さんは、笑顔を作りながらも愚痴るような口調でこう言いました。

「仕事の緊急の電話だったんです。車を路肩に停めて話せばよかったけれど、適当な駐車スペースがなかったし、何より急いでいた。そしたら、たまたま警察官に見つかっちゃって、車を停められて切符を切られたんです。まあ、運が悪い」

さらに、こう続けたのです。

「だからね、警察官に言ったんですよ。『仕事の緊急な電話なんです。運転しながら携帯で話してるのって、僕だけじゃなく、みんながやっていることでしょう』ってね」

しかしながら、これは明らかに法律違反。「みんながやっているのに、なんで僕だけ」と言えることではありません。飲酒運転もしかりで、事故につながるかもしれない危険な行為なのです。

これを初対面のお見合い相手に言ってしまうのは、全く反省をしていない証拠。薫さんは、そこがどうしても気になってしまって、“交際希望”を出すことができませんでした。

お見合いの傾向と対策を喜々として話す

「今日の渡辺さんは、お断りでお願いします」

渡辺義則さん(38歳、仮名)とお見合いを終えた、吉田絵里さん(34歳、仮名)から、連絡が入りました。お断りの理由は、こうでした。

「簡単な自己紹介の後に、『この活動をどれくらいやっているんですか』と聞かれたんです。『2年やってます』と正直には言えないので、『まあ、半年くらいですかね』と、適当にごまかしたんです。そうしたら、『そうですか。僕はもう2年半になります。80人くらいに会いましたね』とおっしゃって、そこから婚活の傾向と対策講座が始まったんです」

話を振っても、一問一答で話が膨らまない人は、45分くらいでお見合いを切り上げる。男が話の聞き役に回るとうまくいく。また会いたいと思った女性には、会話に出てきた彼女の好きな場所や料理などを覚えておいて、帰り際に、「ぜひ今度、そこに行きましょう」と誘う、などなど。

「笑顔で熱弁されていました。そして、帰り際に、『今度ぜひ、和食を食べに行きましょう』って言われたんです。『好きな食べ物は何ですか』と聞かれた時に、『あっさり系のものが好きです』と言ったからだと思うんですね。自分のお見合いの手の内を見せて、別れ際に誘われても、何だか興ざめでした」

そして、渡辺さんの相談室からは、「交際希望」が来ました。渡辺さんのお仲人さんからのコメントは、こうでした。

「とても楽しい時間を過ごせたそうです。こちらは“交際希望”でお願いいたします。そちら様は、いかがだったでしょうか」

お見合いの会話で、勤めている会社や住んでいる場所、電話番号などの個人情報を聞くのは、御法度とされています。連絡先は、交際に入ってから仲人を通しての交換になります。さらに、お相手の活動歴や恋愛遍歴を聞くのも失礼にあたることとされているのです。まして、そこからお見合いの傾向と対策の話をされて、心地良いはずがありません。

また、お相手がニコニコと話を聞いているからと言って、それで楽しんでいると思ったら大間違いです。良識ある大人だったら、話しているお相手を不快にさせないように、うなずいたり、笑顔を作ったりしながら話を聞きます。

「あんなに盛り上がっていたのに、なぜお断り?」という場合は、盛り上がっていたと思っているのは自分だけで、お相手はただ話を合わせていたにすぎないと思いましょう。

30分の遅刻、その本当の理由とは

女性会員、太田良美さん(33歳、仮名)のお見合いの立会いに向かっている時、お相手の男性、束田圭介さん(38歳、仮名)のお仲人さんから、電話がかかって来ました。

「束田の体調が思わしくなく、朝病院に行って今からそちらに向かっています。病院が思いのほか混んでいて、30~40分遅れてしまいそうです。お待ちいただけますか。もしくは、今日はキャンセルさせていただき、後日に改めさせていただけないでしょうか」

お見合いに間に合うように家を出ていたとしたら、良美さんはもう向かう電車に乗っているはず。私もそうでしたし、「大丈夫です。束田様がいらっしゃるまでお待ちします」と、仲人さんにはお伝えしました。

そして、ホテルのティーラウンジに時間通りにやって来た良美さんに、このことを伝えました。そこから、束田さんが到着するまで最近の婚活状況などをヒアリングしながら、2人で待っていました。

35分を過ぎた頃、束田さんがティーラウンジに駆け込んで来ました。私たちを見つけると、気の毒なくらい頭を何度も下げて言いました。

「お待たせして、本当にすみません」

ハンカチでぬぐっても、汗がどんどん噴き出てきます。相当慌ててここまで来たのでしょう。

「大丈夫ですよ。それより、病院に寄ってこられたとか。体調は……」

私がそこまで言うと、その言葉を遮るように言いました。

「本当にすみません。実は寝坊したんです。起きてびっくりして仲人さんに電話したら、『じゃあ、体調が悪くて病院に寄ってから行くということにしましょう』と言われたんです。だけど、僕はそんなに器用にうそがつけるタイプではないし、もうここは正直に話して、謝ってしまった方がよいと思ったんです」

その話を聞いて、私も良美さんも笑い出してしまいました。そして、汗をふきながら、大きな体を丸めて何度も頭を下げている彼に好感を持ちました。

その日のお見合いは、交際となりました。その時、良美さんがこんなことを言っていました。

「彼は、うそがつけないバカ正直なタイプだから、結婚しても浮気ができない人ですよね、きっと(笑)」

ささいな失敗や過ちは、誰にでもあります。でも、そんな時は誠意を持って謝罪する。そうすれば、ピンチがチャンスに変わることもあるのです。

お見合い中の会話の中にも、お人柄が表れる。お相手には、誠実に向き合うことが大事ですね。

仲人・ライター 鎌田れい

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