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日本酒偏愛女優・村川絵梨の至福の時間。世界一の味、紀土を体験

  • 2021.2.15
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江戸時代、中央区日本橋兜町の日本橋川沿いは「茅場河岸」と呼ばれ、酒問屋が並び賑わいを見せていた。それゆえ、今でもその名残で兜町エリアには日本酒の名店が点在している。そんな地に、これから直営店を開店予定なのが和歌山県の酒蔵「平和酒造」だ。本企画では大の日本酒好きであり、「唎酒師(ききざけし)」の資格を取得するほど日本酒通として知られる、女優・村川絵梨さんを招聘。“世界チャンピオン”に輝いたばかりの銘柄を飲んでもらいながら、「平和酒造」の社長・山本典正さんと日本酒にまつわるクロストークを開催した。

好きが高じて「唎酒師」の資格を取得。日本酒グラスもこだわりを

山本典正さん(以下、山本) : 村川さんのようなきれいな女性が日本酒の魅力を発信していただけると、私たちにとって力強い限りです(笑)。何かきっかけがあったんでしょうか?

村川絵梨さん(以下、村川) : 6年前にドラマの撮影で山形県を訪れた際、新藤酒造店さんの「裏・雅山流」を飲んで衝撃を受けたんです。それまでは、いろんなお酒の中のひとつという感じであまり意識していませんでした。

山本 : 「唎酒師」の資格を取ってしまうのもすごいですね。

村川 : 日本人だし、日本酒のことをもっと知りたいと思って。

山本 : かなり勉強されましたか?

村川 : テキストがあるので、それを読み込めばだいたい合格できますよ(笑)。

「平和酒造」の銘酒をテイスティングさせていただく村川さん。

山本 : 最近だと、海外の要人をもてなすために日本酒の勉強をする外交官の方が増えました。同時に海外の方も興味を持ち始めていて、日本酒が国際言語になりつつあると感じています。

村川 : オリンピックが開催されれば、より広まるでしょうね。

山本 : ワイングラスの名門ブランド、RIEDEL社も日本酒用のグラスの製造に乗り出していますから。

村川 : そう!グラスによって味わいがだいぶ変わりますもんね。

山本 : 液面に空気が触れて酸化することで、まろやかさや香りが立つ。

村川 : 私も家では飲み口が狭まっている吟醸グラスでちびちび飲むのが至福のひとときです(笑)。

平和酒造社員の集合写真(中央が山本さん)。秋になり、酒造りのために蔵に蔵人が集まってくる「蔵入り」の際に撮った1枚だ。

日本酒を飲むと、まずどんな料理に合うかを考える

山本 : 村川さんは料理もお好きだと聞いています。

村川 : 日本酒を飲むと、まずどんな料理に合うかを考えるんです。それが日本酒の醍醐味かなと思っています。

山本 : どんなものと合わせますか。

村川 : シンプルで素材の味を活かしたメニューが多いです。ちょっと前までは、生ハム茗荷を食べながら飲むのにハマっていました。

山本 : 一方で、料理に多少の油分があっても美味しく飲めるのが日本酒だと思います。

村川 : 脂が乗ったブリのお刺身とか。

山本 : そうですね、軽くちょっとソテーした魚でも。和だけじゃなく、少し洋的な料理にも合う。

村川 : 最近は、炭酸で割って日本酒ハイボールにすることもあります。

自慢の日本酒「紀土 無量山 純米吟醸」(720ml / 2,530円 ※税込)を専用の吟醸グラスに注ぐ山本さん。村川さんは固唾を飲んで見守っている。

山本 : お酒はどこで買われるんですか?

村川 : 皆さんもよくご存じのはせがわ酒店さんとか君嶋屋さんとか、あとは近所の酒屋さんを覗いたり。家には常に日本酒があるので、ほぼ毎日飲んでいます。両親も日本酒が大好きで、「平和酒造」さんの紀土もお気に入りです!

山本 : ありがとうございます(笑)。では、そろそろ“世界チャンピオン”の日本酒を飲んでいただきましょうか。

村川 : こんな展開が待っているとは思わなくて。本当に贅沢な体験です(笑)。

山本 : 受賞すると蔵から在庫が枯渇するから、早く飲んでもらおうと思って持ってきました。

日々、気温や水温、お米の温度に気を付けながら美味しいお酒になるように見守りながら造っている。

世界チャンピオンになった純米吟醸酒をテイスティング

村川 : どんなコンテストで“世界チャンピオン”になったんですか?

山本 : 2020年12月に開かれた「IWC」という世界最大級のワイン品評会です。そのSAKE部門で最優秀賞を受賞しました。正直、私自身が大変驚いています(笑)。

村川 : 「紀土」ブランドの銘柄なんですね。

山本 : はい、その最高峰となる純米吟醸酒です。

村川 : 私も大吟醸より純米吟醸が好きなんです。

山本 : たしかに、純米大吟醸は一番華やかですけど、純米吟醸は味わいのバランスで飲んでいただくお酒だと思います。食事にもよく合いますよね。

平和酒造の蔵元・山本家が酒造りを始めたのが1928年。それ以前は「無量山超願寺」という寺だったことから、この名を冠した。

まずは香りを嗅ぐ村川さん。「きれいな香り。アルコール感がないから、嗅覚にスッと入ってきます」

村川 : うわー、美味しい。上手く言えないけどまろやか。舌に当たってから、口の中全体にじわっと広がっていく感じ。

山本 : 飲み慣れていらっしゃるから、コメント力に感心します(笑)。最初に旨味が広がって、でも広がりすぎないで抑制されながらも余韻が長いというか。

村川 : 本当に余韻が長い。まだ、続いてますもん。

山本 : その余韻も嫌な感じじゃないでしょう。「ああ、そろそろ切れるかなあ」という感じがずっと続く。

村川 : これ、常温ですもんね。

山本 : はい。もうちょっと冷やしても美味しく飲めますが。

村川 : 日本酒ってよくメロンやバナナなどのフルーツの味にたとえられますが、その香りが強すぎると邪魔になることも。これはちょうどいい風味で、ちゃんとコメの香りがします。生酒が好きという人もいますが、私はこういう火入れしたお酒が好みです。

山本 : 生酒よりはエレガントな味になりますからね。

村川 : 貴重な体験をさせていただいてありがとうございました!日本酒の世界がまた広がりました。

山本 : 今後も「平和酒造」と日本酒業界のことをよろしくお願いします。

蒸米に麹菌をふりかけて繁殖させ、麹をつくる。

ストイックに日本酒と向き合う山本さんの姿勢に、感銘を受けてていた村川さん。最後に本日の感想を訊いた。

「20歳になってからいろんなお酒を飲んできましたが、こだわりを持ち始めたのは山形で美味しい日本酒に出会ってから。ビールもワインも好きなんですが、一番奥が深いのは日本酒。どんな料理に合わせようかと考えているときが楽しい。今日いただいた「紀土 無量山 純米吟醸」も日本酒の魅力を再確認させてくれましたね。本当にきれいな飲み口で、思わず背筋が伸びました(笑)。世界一の日本酒が1本、2,500円ちょっとで買えるなんて幸せなことですよね」

グルメや美酒・建築・デザインと新しい潮流が生まれ、時代の流れとともに柔軟に変化し続ける日本橋兜町エリア。この地に世界の名酒と対等に戦える旬の酒蔵「平和酒造」が加わることで、また一段と“日本酒の街”としての魅力が増すことだろう。新天地でどのような化学反応が起こるのか、いまから楽しみだ。

平和酒造
1928年、和歌山県海南市で創業。代表銘柄は日本酒「紀土(きっど)」、「鶴梅」の梅酒シリーズなど。2020年12月、世界最大級のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2020」のSAKE部門で「紀土 無量山 純米吟醸」が最優秀賞「チャンピオン・サケ」に選ばれ、国内外から大きな注目を集めている。日本橋兜町に直営店を開店予定。

撮影:山本恭平 スタイリスト:九(Yolken) ヘアメイク:内山多加子(Commune) 文:石原たきび

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