1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【SHOCK EYEの神社習慣】誰もが「パワースポット」になれるシンプルな方法とは

【SHOCK EYEの神社習慣】誰もが「パワースポット」になれるシンプルな方法とは

  • 2021.2.11
  • 1933 views

招き猫に招かれた“ご縁”

結ばれた縁を大事にすることについては、もう何度となく訪れている浅草の今戸神社で話そうかな。人気ドラマに登場したことで、今ここのお守りが若い女性の間で大人気だそうだから、知っている人は多いかもしれない。僕のインスタや、去年から始めたShrinegramを見てくれている人にはお馴染みだろう。観光地・浅草の少し外れにある小さな町の神社で、大きな格式ある神社とはまた違う、アットホームな雰囲気が魅力だ。

初めて訪れたきっかけは、ある雑誌の撮影だった。なぜ今戸神社だったのかというと、それは社殿の中に鎮座する、2匹の大きな招き猫。当時すでに“歩くパワースポット”と呼ばれ始めていた僕と、招き猫。縁起もの同士で(笑)、並んでもらおうという企画だった。

今戸神社は“招き猫発祥の地”ともいわれている。昔、この辺りでは焼き物が盛んに作られていて、その今戸焼きで作られた猫の人形が、今は全国にある招き猫の原型となったそうだ。

撮影中、招き猫の隣に立って、僕はこんなことを考えていた。「いつもいろんなお願いをされて、君も大変だよな」。

招き猫はある時から”福を招く存在”になり、それ以来ずっと片腕を上げたまま、いろんな人の期待に応えたり応えられなかったりしながら、これだけ長いこと縁起物であり続けている。それってすごいなあ、って。

与えられるなら、運が枯れてもいい

そしてふと、なんか今の自分って、招き猫みたいだなと思った。招き猫と自分を同じ位置に並べるなんて、ちょっとおこがましいかもしれない。でもいろんな人にお願いされて、それにどうにか応えようとしてる姿が、歩くパワースポットと呼ばれる自分にすごく重なったんだ。

そして同時に、招き猫になれるんなら最高じゃん、とも思った。もちろんどれだけ招けるかは分からないし、たまには疲れて腕を下ろすかもしれないけど、こんなありがたい役をやらせてもらえるなら、いくらでも招くさ。

招き猫と2ショット!

招き猫にシンパシーを感じるヤツなんか、そうはいない(笑)。でも、僕はこういうことがけっこうある。映画『天気の子』のヒロインもそう。みんなから「晴れにしてほしい」とお願いされて、彼女はその願いにこたえる。でもそれを続けることで本人の身体はどんどん透明になっていく。その感じが自分みたいだなと思ったし、でもまあいいじゃん、僕はそれで透明になっちゃってもいいな、って。

たまに、こんな意地悪を言われる時がある。「それだけ他人に運気を与えていたら、そのうちなくなるんじゃないか」「いつか枯れるんじゃないですか」。僕自身、それが怖かった時もあった。でも今は、人に与えてなくなるんならそれでもいいや、と思っている。

でも考えてみれば、招き猫は全く枯れていない。いつだか分からないくらい昔から、ずっと運を招き続けて、今や縁起物として不動の地位だ。そんな招き猫たちが出迎えてくれる今戸神社で、僕はいつも勇気をもらっている。

僕の場合は特殊ケースかもしれないけど、これはみんなにも当てはまることだと思うんだ。きっとあなたも誰かにとって笑顔を招く存在であるし、逆に周りにそんな存在の人もいると思う。

それをふと自覚できたときに、それができていれば幸せなんだ。誰かを幸せにする存在であることとか、誰かが自分のことを幸せにしてくれていることに気づくことができたときには、それだけで十分だと思える。

まさに僕がこれだ。何かを目指さなきゃいけないとか、何をすべきなのか、もちろん悩んだり、不安だったりすることがあったけど、やっぱり誰かを喜ばせることができる存在であること、それだけでこんなありがたいことはない。

そんな風に誰かのオンリーワンの存在になれることが、一番ありがたいし嬉しいことだと思う。

なんで僕が透明になってもいいと思うかって言うと、逆にそれ以外に自分が生きる意味って何なんだろうって、思うんだ。

誰よりもお金を持つとか、誰も届かない孤高な存在になっていくとか。
それよりも、誰かのために生きられた、誰かのために命をかけられた。
それは自分の家族や子供なら尚更だ。

それが最高の人生だと僕は思っている。

透明になるって言う事は死ぬって言うことかもしれないけど、自分の死に様を考えたときに、自分の生にしがみついて、すべてのものを自分のものにして、1つも損しないですべて得をするように全てを抱えて死ぬことよりは、どうせいつか透明になるんだから、誰かのために透明になれたらカッコイイと思うんだ。

きっとあなたも、もうすでに誰かの招き猫という存在だと思うし、もしなっていないのだとしたら、目の前の誰かを喜ばせる、誰かに笑顔や福を招く存在になれる。それはふとプレゼントを渡したり、ご飯を奢ったり、なんでもいいけど、目の前の人が「ラッキー!」「ご馳走さま!」って、ひとつでも誰かに福を与える存在になれると思う。

これって誰にでも出来ることだと思う。
そしてこういうことで喜びを得られるようになったら、自分も幸せになると思うんだ。

だから招き猫はいつも笑って見えるんじゃないかな。招き猫は苦しそうな顔をしてない。やっぱり彼は、招きたいと思っていると思う。「招き猫をやらせてくれてありがとう」と思っているんじゃないかな。これがすごく苦しそうな顔をしていたら、招き猫は招き猫じゃないと思う。

福を招いている彼らが笑顔なのは、笑顔に見えるのは、きっとそういうことなんだと思う。

<column>会えたらラッキー! 白猫の「なみちゃん」

なみちゃんの名前は、今戸神社のご祭神「イザナミノミコト」から。ただし地域猫なので常に神社にいるわけではなく、神社に来る時間もまちまちなので会えたらそれだけでラッキー。僕が行くと毎回必ず姿を見せてくれて、これってかなり珍しいらしい。なぜかはわからないけど、少なくとも嫌われてはいないみたいだ(笑)。この日も僕らが着くと境内から出迎えてくれ、帰る時にもまた現れて見送ってくれた。みんなも今戸神社に参拝する機会があったら、ふと周りを見渡してほしい。幸運の白い猫がくつろぐ姿を見られるかもしれないよ。

<Data>
今回、参拝したのは……

【今戸神社】
東京都台東区今戸1-5-22
HP:https://imadojinja1063.crayonsite.net/
御祭神:應神天皇(おうじんてんのう)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、福禄寿(ふくろくじゅ)

【SHOCK EYEプロフィール】
1976年神奈川県生まれ。RED RICE、若旦那、HAN-KUNとともに「湘南乃風」を結成、2003年デビュー。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一らとTHE 野党を結成。著書に『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている運気アップの習慣』(ともに講談社)がある。インスタグラム上で、Shrinegramという、オンラインでの会員限定コンテンツも人気。
Instagram:@shockeye_official
Twitter:@SHOCK_EYE_

撮影/大坪尚人(弊社写真部) スタイリング/渕上カン ヘアメイク/大島千穂 取材・文/山崎恵 企画/黒田剛

元記事で読む
の記事をもっとみる